14、ハルサーム王国
私達はハルサーム王国の王都へやってきた。
門は使節だと言うことで、簡単に開いた。
私が連れてきた皆は一応部外者扱いなので、スクイは執事の格好、フィンはメイドの格好をした。
元からメイドだった、オリハルコンの奴らは、そのままにした。
私は、ルカの保護者として、行くことになった。
門を通った後、大きな歓声で出迎えられた。
そして、王城へと直行した。
何回かルカの命が狙われたが、魔神の結界魔法の仕組まれた御守りによって弾き返された。
弾き返したたときはすごかったよ。
だって威力が2倍になって帰っていくんだよ。
多分私もできるけど。
そして、王城に到達した。
王城では、ハルサーム王国の王女が出迎えてくれた。また、ものすごい美人だったが、ルカの前には勝てなかった。
だけど、王国の騎士達の視線は何故か私に向かっていた。
そういえば私も転生した時に、ちょっと美人になったんだのだっけ。
{異花の美しさと可愛さは最強だよ}
ありがとうカイ。
というか、私って今見た目15歳だよね。
何でそこらにいる男性騎士は私をじっと見てくるのかな?
胸を見ているのバレバレだよ?
でも私、そんなに胸大きかったっけ?
{異花の胸はその15歳ぐらいの外見からしたら、ちょっと大きいぐらいだよ。まあ大人の大きさぐらいかな。まあ神だから、それ以上は育たないけど。}
それ私を褒めているのかな。
好きでもない人から見られるのはちょっとやだなぁ。
まあ私としてはまだ年齢が若いから結婚願望は今のところないけど。
カイと、そんなことを会話してると王女が挨拶してきた。
「初めまして、私はハルサーム王国第1王女、レミス・アリミポス・ハルサームです」
「初めまして、私はシュドース王国第1王女、ルカフィリート・シュドースです」
あれ?アリミポスって愛の神じゃなかったっけ?
{えっと〜あの人、アリミポスの養子の子孫らしいよ}
へ〜神も養子取るんだ。
アリポミスは一応愛の女神。
まあ重たい愛だけど。
ちなみに既婚者だそうな。
旦那さんは愛が重た過ぎで大変そうだなぁ。
その後、私はルカと一緒に、レミスとのお茶会に行くことになった。
「ここが中庭ですね。さあ席におかけになってお茶にしましょう!」
「はい!」
お茶を楽しんでいると、2人はもう仲が良くなったようだ。
はっや。
そんな中、私に話が振られてきた。
「異花って何者?ただのルカの護衛じゃないんだと思うんだけど」
神でーす。
「あー、これ言っていいかな?異花?」
「うーん。まあ門外不出の《契約》をしてくれるならいいよ」
正直、あまり話したくない。
だけど、秘密にしすぎて舐められるのも嫌だからね。
まあレミスはそんな悪い性格ではなさそうだけどね。
「じゃあ《契約》するから教えて!」
はしゃぎながらレミスは言った。
一応レミスは8歳である。
年相応なのかな?
というかルカが三歳にしては年相応じゃなさすぎるだけだって。
「えーと、ここで話すと、誰かに聞かれるかもしれないから、防音の結界張っとくね」
そう言って私は結界を張ったのだが、レミスに驚かれた。
「どうやって、結界を張ったのですか?ここでは魔法がかき消されるはず」
「まあ、これでしゃべるけど、私の正体は・・・精霊神だよ」
「え?」
レミスがフリーズした。
「うん。精霊神。信じられないよね」
「ほんと?」
半信半疑で尋ねてくる。
「そうだね」
「えっと、精霊神様?」
「今まで通り異花でいいよ」
できれば異花で呼んでほしいけど、まあ神だということで誰も異花と呼んでくれないんだよね。
「じゃあ異花、なんで神様がここにいるの?」
切り替えはっや。
そちらのほうが私としてはやりやすいけど。
「気まぐれ。まあ、精霊神になってから日が浅いからこの世界を見て回ってると言うのが正しいかな」
{うそだぁ。異花はある目的があって来てるだけでしょ}
目的があるということは否定はしない。
「異花が精霊神だと知ってるのって?」
「私の仲間と、今回の使節団の騎士たち、ルカ達王族が知ってるよ。何ならこの国の王にも言っとこうか?」
あ、あと神たちも知ってるか。
「いや、言わなくていいと思う」
「りょーかい」
その後話をしていると、
「もうそろそろ次の面会が待ってるから、次の面会に行くべきだよ」
「次の面会って誰?」
「まあ最近《勇者召喚》によって召喚された勇者と、その取り巻きだね」
「ああ、あいつらね」
この国ではちょっと前、勇者召喚をしていた。
「異花、知ってるの?」
「えっと、前のクラスの人達」
前世でのクラスメイトたちだ。
「ああ、そういうことね」
「ん?クラス?なんのクラス?」
疑問になっているレミスを置いて、私達は次の面会所へ向かった。
面会所では、よく知ってる3人がいた。
「王女様初めまして、私は勇者の三条鈴音です」
「俺は鬼山宏大だ」
「山田太郎です」
「初めましてではない気がするけど、この姿では初めまして、ルカフィリート・シュドースです」
みんなが疑問符を浮かべているから、私が補足した。
「まあ、『転生者』だと、誰が誰だか分からないか。転生前の名前だと、ルカが森上瑠花で、私が海鳴異花だね」
「「「は?」」」
みんな驚いている。
{そりゃ元クラスメイトが目の前にいるんだよ。驚くでしょ}
「うん、久しぶり」
「「「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」
すごく驚いていた。
まあこんだけ容姿が違うと、こうなるよね。
少し経って落ち着いた後、鈴音が質問してきた。
「二人共今何してるの?」
「ルカは、ハイエルフで王女をしていて、私は自由に生きている」
「王女はわかるけど、自由に生きるって・・・」
自由人ですもの。
「まあ、今はそういう身だから。なぜこうなったか聞きたいなら、《契約》スキルで縛るから」
「「「聞かないでおく」」」
懸命な判断だと思うよ。
私も何度も説明するの面倒だし。
「了解。そっちこそ何やってるの?」
「クラスごと転移してきて、私は勇者をしている。なんだか魔王を倒せとかなんとか」
「ああ、あいつね。あいつはただの戦闘狂だから戦闘相手さえいればなんにもしないよ」
魔王は倒す必要はないと思うけど・・・。
と言うより、今のままじゃ勝てないよ。
「え?魔王とも知り合いなの?」
「魔王とは直接的な知り合いというか、その上の奴の友達だからそいつを止めるぐらい簡単だよ」
「魔王の上って、魔神だけじゃん。魔神と友達なの?」
友達です。
神界にいるとき遊びに行ってた。
「まあ、あいつに他の奴らから助けてもらったりしてるからね」
「あいつ呼び!?他の奴ら!?」
ここまで言っちゃったらもう話すしかないよね。
「あー。ここまで言ったら喋るしかないね。《契約》で縛るからね」
「わかった」
そろそろ、これを言うときに驚き以外の表情が見てみたいものだね。
「私は、序列3位の精霊神。まあ、序列2位の魔神は他の神から助けてもらっているから。仲がいいね」
「「「は?精霊神?」」」
デスヨネー。
驚かないほうが珍しいか。
「うん精霊神。何なら創造しようか。《精霊創造》『魔法陣展開』『魔法構築』『創造』『風の大精霊』『名付け』『ストーム』」
そう言うと、風の大精霊が創造された。
「精霊神様、創造ありがとうございます」
「うん。折角だし、眷属にしとくね」
一応精霊はすべて眷属ではあるが、精霊王の眷属になるから間接的な眷属になってしまう。
私が直接眷属にする精霊は少ないのだ。
「ありがとうございます」
人に感謝されるっていいね。
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ステータス
名前:ストーム
種族:風の大精霊
レベル:10
攻撃力:10000
知力:10000
防御力:10000
精神力:10000
素早さ:10000
魔力:10000
魔法:《風属性魔法》《回復魔法》《神聖魔法》《結界魔法》
スキル:(スキル)《身体強化》《魔法強化》《体力自動回復》《魔力自動回復》
(レアスキル)《鑑定》
(エクストラスキル)《精霊術》
(スプリームスキル)《物理攻撃無効》《魔法攻撃無効》《精神攻撃無効》《状態異常無効》
(ゴッドスキル)《精霊創造(風)》
称号:神に創られし者
風の大精霊
精霊神の加護
精霊神の眷属
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「ほんとに何もないとこから創っちゃったよ・・・」
驚きを通り越して呆れられている気がするが、気の所為だろう。
{気の所為じゃないと思うよ}
カイが何か言っているが無視。
「まあ精霊神だからね。そういえば他のクラスの人も転移してるんだよね」
「他の人は今はいないね」
ちょっと残念だと思った。
その後、王との面会が控えていたのでここで時間となってしまった。