11、そうだ!ハルサーム王国へ行こう!
イルカ魔法使いを創ってから1ヶ月が経ち、ついにハルサーム王国へとルカと訪問することになった。
訪問目的は、次期女王であるルカのため、他の国を回ろうというものである。
私は、一応この国に分身体を置く代わりに外出許可をもらった。
国に縛られる神ってなんなんだろう。
普通、許可なんか要らなくない?
{本当にそう。いつ脱出してもいいんだからね}
まだ脱出はしないけど、この国の神の監禁はよくないと思う。
ルカは騎士団長と側使いメイドと騎士10名を連れて行き、私はθ、ν、χらオリハルコン24の3人とイカ戦士、イルカ魔法使いを連れて行くことにした。
ミレは私に懐いていても、一応竜だから皆怖がって連れて行けないし、ラトは、連れて行けるけど精霊神だとバレそうだからやめた。
この人数計19名で行くことになった。
19人という人数はちょうどいいぐらいなのかな?
この中で私が精霊神だと知っているのは、ジダモンド除く騎士以外である。
ちなみに馬車で行く予定。
普通に『転移』したほうが速い。
「じゃあルカ、今日からよろしくね」
「うん。よろしく」
『よろしくお願いします』
こうして、私たちはハルサーム王国へと向かったのだった。
ただ、一つ問題があった。
騎士達が意外と働かなかったと言うことだ。
簡単に言うと、私とその連れが美男美女だから、それに見惚れた男性騎士や女性騎士が、働けなくなったということである。
意味わからんね。
仮にも美形ばかりのエルフの国だから、美形には慣れているはずなんだけどね。
{異花が見惚られない理由は、私が認識を阻害しているからだよ}
ありがとう、カイ。
見惚れていないで働け!
働かなくなった騎士達の代わりに騎士達以外で頑張って移動した。
まあメインはイカ戦士だけど。
騎士達が怠けていることが原因か、道中盗賊などが沢山襲ってきた。
その中でも、大規模なものは1000人ぐらいで襲ってきた。
ただ、一番強そうな奴でもステータスall5000ぐらいしかなく、めちゃくちゃ弱かった。
この世界の一般人の平均的ステータスはall500ぐらいだから、だいぶ強いということになるが、非戦闘特化のカイでも倒してしまうほどの強さだった。
ちなみに、暇だったから『この方をどなたと心得る!』とか言ってみた。
盗賊を全滅させたことに対してルカ達は、
「どうしたらこんなことができるの?」
ステータスに物を言わせてフルボッコ。
もしくはスキル使ってフルボッコ。
あるいは魔法使ってフルボッコ。
「あの首領強そうだったけど明らかに戦闘ができなさそうなあのカイさんでも倒してしまったな」
いや、あの首領はカイよりステータス高いよ。
カイはスキルでボコボコにしただけだからね。
「これがあの方達の力か」
まあ神とその分身とその眷属だけどね。
「これでも異花さんよりも弱いってどれだけ異花さん強いんだよ」
一応上位神です。
みたいなことを騎士達が言っていた。
ちなみにスクイは結構な戦闘狂らしく、
「俺より強いやつに会いに行く」
と言ってその辺の盗賊や魔物を討伐しに行ったのだが、強そうな魔物を刈りすぎて《完全捜索》で探しても魔物が半径5キロメートルぐらいはいなくなっていた。
余談だが、イカ戦士より強いやつはいなかったらしい。
一番強いやつでもカイ曰く、強さのランクで言うと、Bランクだったらしい。
Bランク魔物は一般に、Bランク冒険者がパーティーを組んで倒すレベルだそうな。
Bランク冒険者ってステータス10000前後ぐらいらしい。
今の私なら3分間待っても勝てると思う。
ランクについては置いといて、全滅は生態系に良くないから何体かは取っておいて欲しかった。
しかし、もういないのでイカ戦士には戦闘を自重させるようにした。
そんな感じで移動していたのだがご飯について一悶着があった。
カイの料理はいつもと同じだったが、騎士達やルカ達は驚いていた。
ルカ曰く、
「これ宮廷料理より美味しいよ!」
とのこと。
暇だった時にカイが《光速演算》や《超思考加速》や《超並列思考》を使って料理を研究していた甲斐があったと言うものだ。
料理がうますぎて騎士達が、
『カイさんを騎士の食堂で雇いたい』
と口を揃えて言ったが私が断固拒否したため、全員が私に決闘を挑んできたから一斉に相手をしてやることにした。
「一斉に相手するなんて・・・後悔しても知らないぞ」
「そちらこそ後悔しないでね」
そう言って、一斉に決闘が始まったのだが・・・。
最下級水魔法、発動!
カイ、制御よろしく!
{了解!}
それだけで全ての騎士の防具を破壊し武器を粉々にした。
「そんな、俺のミスリル製の剣が・・・」
「私のミスリル製の防具が・・・」
何故にミスリル。
そんな強かったっけ?
{一応、それ単体でその辺の安い一軒家ぐらい買えるよ・・・}
思ったより高かった。
ミスリル粉々にされた人、ごめんなさい。
「みんなミスリル製の武器使ってたのかよ、殺す気満々じゃん。まあでも、後悔しないって言ったからいいか」
『ごめんなさい。許して下さい』
「許すけど、弱すぎない?」
「いやあんな上級水魔法の《水破》使われて叶うわけないじゃないですか」
「あれは《水破》じゃないよ《ウォーターボール》だよ。しかも魔法陣展開してないし無詠唱だから火力はそこまでだよ」
『なにそれ、この人の本気と戦いたくない』
「まあこっちが勝ったから一つ要求を聞いてもらうよ」
『な、なんでしょうか』
「弱いから訓練受けて!」
『わかりました』
こうして快く要求を聞いた騎士達にスクイによる戦闘訓練を受けたのだった。
ちなみにスクイの訓練は結構鬼畜で、
1、日が昇る前に叩き起こされる。
2、日が昇るまで走り込みをする。
3、朝食をとる。
4、午前中の剣術訓練を10時ぐらいまで行う。
5、実践訓練で盗賊や魔物と戦わせながら15時ぐらいに一回集合。
6、その日の倒した盗賊や魔物の数に応じて、次の日の昼食の量が決まる。
7、19時ぐらいまで、魔法の訓練を行う。
8、夕飯を食べて寝る。
というきついスケジュールである。
そのせいか、騎士達の今の癒しの時間は、カイの料理を食べるだけになっている。
訓練のおかげか、騎士達は大幅に強くなった。
今ではステータスall10000は超えた。
だいぶ強くなったね。
到着まであと1日でハルサーム王国の王都に着くというところで、何者かからの襲撃を受けた。