思い出がいっぱい。
そして、私達は名前が変わる事になりました。
あの人が、飛び級で大学を卒業する事になり今度は大学院生。
そして、施設の情報セキュリティ部門の副責任者になる事になったのです。
おばあちゃんの助力で特許申請したアイデアで得たお金で、西国分寺の家の隣の土地を買い取り今は家を新築中。
式は挙げないけど、ボクの誕生日に籍を入れる事になりました。
ボクは、柏木真央です。
柏木…。
お嫁さん…。
「先生、先生!」
「はっ、何どうしました?」
「大丈夫、先生?何度呼んでも、上の空でしたよ。ホームルームのプリント、コピーしてきました。」
ボクが担任している、中二のクラスの子達です。
「ありがとう、じゃ行こうか。」
にやついた顔を引き締めて、廊下を歩く。
教卓に座ると、号令がかかる。
みんな、何かしらのスキル持ちだ。
勇者は、さすがにボク以外いない。
ここの教師陣は、皆普通の人間だ。
ただし、家族にスキル持ちがいる人ばかりだ。
ボクも、悦子お姉ちゃんもその枠でここにいる。
もちろん、教育免許は必須だけれど。
公立ではないけれど、宗教法人の附属学校を看板にしているので普通の教育機関と何ら代わりない。
見た目も変わったせいで、不審に思われる事も無く勤めている。
家に帰ると、子供達がヨチヨチ歩きで駆け寄ってくる。
何故か、ママも駆け寄ってくる。
子供達は、悦子お姉ちゃんに抱き抱えられてご満悦だ。
その胸部の装甲は、卑怯だと思う。
仕方なく、ママを抱っこして奥へ行く。
勝ち組が、二人で料理をしていた。
ボクとママの負け組は、先に風呂をいただく。
別に、負け組では無い。
人並みには、ある。
あの人達が、大き過ぎるのだ。
すぐ、垂れパイになればいい。
少しすると、悠と翔が放り込まれた。
悠は、完全に私路線だ。
勇者では無いけれど、男の娘確定。
翔は、厳つい。
何故、乳児なのにメンチを切る。
ママは、悠ばかり構う。
ボクを育てられなかったから、固執しているみたいだ。
翔、お母さんは敵ではありません。
確かに、あなたは魔王。
勇者のボクとは不倶戴天だけれど、そんなに睨まないで。
お風呂から上がると、彼も来ていた。
そう、ボクの旦那様。
悠と翔の父親、希人です。
ママは言いつけた事をこんなに早くやってくれて、見直してくれたみたい。
悦子お姉ちゃんは、元々それほど興味がなかったみたい。
おばあちゃんは、眼を¥マークにしてニコニコだ。
牧子ママはそうでも無いけど、ショコママは完全に敵認定。
仲良くしてと言うのは、無理っぽい。
希人も人当たりが良くないので、どうにもならない。
翔が、何故かすごく懐いている。
悠は、取っつきにくそうだな。
早く、お家出来ないかなぁ。
えっと、ボク新学期から産休します。
三人目、身籠もりました。
みんなドン引きして、誰も口をきいてくれません。
ショコママが、希人に箸を投げつけました。
希人は、黙って箸を拾い上げます。
「マミー、おめでとう。」
悠が、ふっとつぶやきました。
「そうだね、おめでとう真央。」
「ママ…。」
「赤ちゃん産まれたら、私にちょうだい。」
「牧子ママ…。」
「学校、忙しくなるね。もう少し、産休待ってよ。」
「悦子お姉ちゃん…。」
「悠、翔、おいで。真央がいなくても、私がいるからね。」
「ショコママ…。」
「皆さん、ありがとうございます。」
「あんたは、しっかり稼いできな。」
「おばあちゃん…。」
「さっ、食べようか。婿の差し入れの、米沢牛だよ。」
今日は、すき焼き。
牧子ママもショコママも、知っててくれていたのだ。
ただ、まだ二人共18歳。
大人の階段を登り始めたばかりだ。




