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あいつが盗られた。  作者: 森のアカゲラ
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部活、休み。

 次の日、ナラショウさんと待ち合わせて警察署に行く。

 ずいぶんと、機嫌良さそうだな。

 「達人って、五月と付き合ってるんでしょ?どうやって、くどいたの?」

 「どうやってって、普通だよ。手紙書いて、渡した。」

 「へぇ、あんたがね。五月と真央って、親戚なんでしょ?」

 「あぁ、真央の親と五月が従姉妹なんだと。」

 なんだかんだ言っているうちに、警察署に着いた。

 戸沢先生が、入り口で待ってくれていた。

 「柴田、奈良良く聞くんだ。警察は、松浦を庇おうとしている。お前らは、本当の事をしゃべっていい。だが、無理に反抗するな。真実は、きっと暴かれる。汚い大人のやり口を見ておけ。」

 「松浦を庇うって、どう言う事ですか?」

 「松浦の父親は、前田土建の会長の子飼いのヤクザ者だ。」

 「前田土建って、この辺りを牛耳ってる。会長って、県議会議長ですよね。」

 「柴田、詳しいな。」

 「俺の父さん奴に盾突いて、東京にずっと出稼ぎに行ってるんです。」

 「そうか、じゃあなおさらだ。」

 「学校にも、多額の寄付金してるって父が言ってたわ。」

 「俺も信頼できる人に、今度の事は相談している。決して、無茶するな。」

 その後、事情聴取された。

 不快、極まりなかった。

 喧嘩両成敗って、意味知ってんのか!

 幼児を縛り付けて、武器でボコボコにする。

 まして、多数に無勢。

 ふざけんな、小さい町では警察もヤクザも似た様なもんだ。

 ナラショウさんは、もっと深刻だった。

 ずっと、泣き腫らしている。

 とりあえず、真央に合わす顔がない。

 皆同じなのか、先生がラーメンをごちそうしてくれるらしい。

 「ナラショウ、泣いたって始まらねえだろ。先生に任せて、真央の面倒頼むよ。」

 「済まんな、先生に力が無くって。奈良、真央の事これからも頼むぞ。柴田もな。」

 「先生、いただきます。」

 やけに、ラーメンが塩っぱかった。

 「お前ら、どうするんだ?先生は部に顔出したら、県警本部に行ってくる。」

 先生の、信頼できる人って事か。

 「私は、病院に戻ります。真央が、寂しがってるから。」

 「すいません、俺は心の整理がつかないです。一旦、家に帰ります。」

 「学校も似た様な、対処をすると思う。先生は、全力で真央を守る。お前達も、無理のない範囲で協力してくれ。」

 「はい、わかりました。」

 「先生、お気をつけて。」

 「じゃあ、真央の事頼むわ。」

 俺は、ナラショウさんと別れて途中の神社に寄った。

 タバコを吸っていると、少し離れた茂みから人が争う声がした。

 俺はタバコを消して、そっと近づいた。

 やっぱり、松浦だ。

 昨日の機械科の奴らも、いる。 

 「おい松浦、なんであいつ拉致らなかった?」

 「お前、拉致ってどうする気だ。」

 「そりゃもちろん、犯すっしょ。」

 「あいつ、男なんじゃねえのか?」

 「あんだけ可愛いかったら、女に決まってるっしょ。昨日のあいつの顔、見ただろ?」

 「確かに、そそるな。おっぱいも、触り心地良さそうだったな。」

 「まぁ、待ってろ。オヤジが、この件は無かったことにしてくれる。ほとぼりが覚めたら、ゆっくり味わえばいいさ。」

 何て、ことを!

 


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