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あいつが盗られた。  作者: 森のアカゲラ
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あなた。

 御茶ノ水で乗り換えて、津田沼と言う所に着いた。


 ばあちゃんについて行くと、改札を出て喫茶店に入る。


 そこに、その人はいた。


 ボクの心臓が高鳴り、今にも飛び出しそうだった。


 「お久しぶりで、ございます。わざわざお越し頂き、ありがとうございます。そちらに、お掛け下さい。何か、飲まれますか。」


 誰?


 ボクの知っている、あの人じゃないの?


 「飲み物、何か頼みますね。」


 「あたしは、温かい紅茶でいいよ。」


 「真央、大丈夫だったかい?ごめんな、何もしてやれなくて。子供、かわいいだろう。」


 やっぱり、あの人だ。


 希人だ。


 「うん…。ウゥー、グシュ、ウゥー。」


 涙が、止まらない。


 「ホットティーとホットミルク、後こいつのお代わりください。」


 彼が、ハンカチを寄越す。


 「坊主、大学は順調かい?」


 「色々ありますけど、何とか。なるべく、単位取得を終わらせて論文に取り組もうと思っています。すでに、実用新案は何個か出しました。軌道に乗れば、特許にも取り組もうと思っています。」


 「会社とかは、立ち上げないのかい?」


 「お孫さんの為にならない事をするつもりは、ありません。」


 えっ、ボクの為にならないって?


 「そうだね、組織に献上するつもりだろ?」


 「おばあちゃん、組織って何?」


 「怖い人が、いる所だよ。切った張ったの、世界さ。」


 「えぇ~、希人ダメだよ。喧嘩、弱いんだから。」


 「バカだね、この子は。真に、受けて。施設を運営している所だよ。」


 「もう、おばあちゃん!」


 「相変わらず、優しいな真央は。」


 「おばあちゃん、どうして連れて来てくれたの?」


 「あたしは、金儲けが大好きでね。この男は、金の匂いがプンプンするんだよ。保世や悦子は、そう言う所が抜けているからね。」


 「おばあちゃん、格好いいね。」


 「だから、こいつからしっかり絞り取りな。」


 「ははは、頑張りますよ。」


 「希人、いいの?」


 「あぁ、真央が幸せでいてくれたらそれでいい。」


 「坊主、頭取に言っときな。取引は、今まで通りでいいよって。」


 「ありがとうございます、父も喜びます。」


 希人のお父さん、銀行の人だったけ?


 ええとこのボンボンなのに、申し訳ないなぁ。


 「真央、いいかい。今日の事は、みんなに黙っておきな。遠くない内にこいつが、何とかしてくれる。それまで、ガマン出来るかい?」


 「真央、待っていてくれる?」


 「うん、待ってる!」


 「この次会えるのは、いつかわからない。俺は、頑張る。真央、身体だけは大事にして。悠と翔に逢いたいけど、それも又いつかだな。」


 「うん、希人もムリしちゃダメだよ。」


 「そしたら、行こうか。坊主も、学校だろ?連絡先は、交換しちゃダメだよ。」


 「真央、愛してる。」


 「ボクも…。」



 「おばあちゃん、ありがとう。おばあちゃん、大好き!」


 「あたしは、あんたが嫌いだよ。諦めの悪いのは、誰に似たんだか。ディズニーとかは、どう行くんだい?」


 「京成だから、バスに乗った方が早いよ。」


 「そうかい、じゃあ行こうか。」


 おばあちゃんと、ディズニーを楽しんだ。


 お土産も買ったけど、ボクはずっとニマニマして気持ち悪かったらしい。


 「ただいまー!」


 「お帰り、楽しかった?」


 「うん、お土産買って来たよ。おばあちゃん、脚揉んであげるね。」


 「よこらっせと、まずはお茶ちょうだい。」


 「あら、気が利くね。牧子ちゃんは、いい嫁になるね。」


 「すいません、私一人娘なんで。」


 「じゃあ、あたしがいい婿を紹介してやるよ。」


 「悠、翔、いい子にしてましたか?お母さんの、お乳飲みますか?」


 「私が、あげたわよ。」


 「えっ、牧子ママ。ボクの分、あるよね?」

 


 


 

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