お嫁さんは、お兄ちゃん。
正と真央は、テレビゲームをしながらじゃれ合っていた。
「正、急に大きくなったね。」
「急じゃないよ、真央が小っさいままだからだよ。」
正が、真央の頭をポンポンする。
「もう、ボクはお兄ちゃんだったのに!」
「だけど、お嫁さんだからな真央。」
なして、モジモジ赤くなる。
「仲いいわね、二人。」
「昔から正の事、かわいがってたからね。」
「今じゃ、逆よね。」
「ねぇ、信子。コブ付きでも、いいの?」
「かまわないよ、真央の子供だもの。」
「それに、正と真央に子供が産まれたら家も安泰だし。ところで、悦子。」
「はいっ、義姉さん。」
「あんたは、いつまで遊んでいる気だい。いいかげんにしないと、いかず後家になるわよ。」
「ほら、幼女達の面倒をみないといけないし。」
「保世、あんたがそんなんだから悦子が迷惑してるんだよ。わかっているのかい!」
「はい、ごめんなさい。悦子、早くいい人見つけなさい。」
「わっ、裏切り者!」
「悦子!」
「はい、がんばります!」
「真央、つらくなったらいつでも家に来なさい。直子も正も、家を出るからね。おばちゃん、おばあちゃんと二人っきりなのよ。」
「うん、お願いします。」
「直子も、いなくなるの。」
「友達と、二人暮らしさせる事にしたのよ。家からだと、部活動に支障来すからね。保世、あんたの家使わせてもらうよ。」
「そうなんだ、私もよかったわ。誰かに住んでもらわないと、傷むからね。」
「真央、トーマスのバイク満也君にあげるわよ。」
「うん、元々じいちゃんが買ったのだから。」
「じゃあ、帰るわね。正、行くわよ。」
「えっ、泊まって行けばいいじゃない。」
「正の飛び級試験と、高校の推薦の面接があるのよ。上手く行けば、来月からこっちで寮生活になるからよろしくね。」
「正、頭いいのね。」
「一応、全国模試はいつも5位以内です。でも、ボクは一刻も早くプロ野球に行って真央を楽にさせたいです。」
だから、なして真っ赤なの真央。
「すごいわ、さすが信子の息子。信子、羽田まで送るわ。時間あるなら、途中でご飯でも食べましょ。」
「あら、助かるわ。おいしいお店、お願いね。」
「悦子、車用意して。真央、着替えなさい。メロンパンナちゃんは、恥ずかしいわよ。」
「ほーい。」
ご飯は、行きつけの桃太郎寿司に行く事になった。
一皿づつ頼むのだが、非常にお安い。
通常の半額程度で、食べられる。
最近、回転寿司なる物が流行り出した。
しかし、ネタの品質が悪い。
この桃太郎寿司は、ネタも良く新鮮だ。
かんぴょう巻ばかり食べる真央に、正が甘エビをあげていた。
真央は、好き嫌いが多く食べず嫌いな物も多い。
真央が、満面の笑みで正にお礼をする。
いい夫婦に、なりそうだ。
信子、大トロにウニにアワビって高いのばかりね。
さすが、お金持ちの奥様。
悦子、カッパ巻きや納豆巻きばかり食べないの。
家が、貧乏みたいじゃない。
えっ、貧乏なの?
真央の稼ぎしか無いから、私の印税あるでしょ。
所得税で、消えましたって。
すいません、働きます。
真央の稼ぎって、結構あるでしょ?
私のじゃない、真央の為に貯金していると。
何気に、悦子もしっかりしてるわね。
真央、正のハートがっちり捕まえなさい。
信子達を見送った後、出版社に顔を出した。
悦子の書いた小説が、新人賞を取ったらしい。
いつの間に!
編集から、血は争えませんなって。
先生もそろそろって言われたから、引き受けたわよ。
真央は、悦子に手作りのメダルをかけてあげていた。
知らなかったのは、私だけかーい。
悦子が、一生大事にするって。
私には、くれた事無いのに。
真央が、ママにもって。
ズルいわよ、私大声を上げて泣いてしまったわ。
「姉さん、恥ずかしいから車に行こ。」
「うん、グジュグジュ、エ~ン!」
「ママ、孫の為にも頑張ってね。」
はっ、私ってばおばあちゃんになるんじゃない。
又、大声を上げて泣き始めてしまった。




