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あいつが盗られた。  作者: 森のアカゲラ
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聖母覚醒。

 真央が、祥子から離れない。


 トイレまで、付いて行く。


 うっとうしいかと思ったら、本人は嬉しそうだ。


 「真央、部屋帰りなさいよ。」


 ここでも、真央は悦子の部屋にキッズルームを置いて生活する事になっている。


 今いるのは、ベッドが二つある客間だ。


 「いーや!」


 「じゃあ、おねしょしないでよ。」


 「ショコママ~。」


 すっかり懐かれた、祥子。


 「おやすみ、真央。ふふふ。」


 

 翌朝、直子に起こされた真央。


 眠い目をこすりながら、庭で竹刀を構える。


 女の子にしては、切れも重さもある打ち込み。


 直子のそれを気怠そうに、いなす真央。


 「ちゃんとやってよ、真央。」


 「直子、振りかぶり過ぎ。もっと、突くように打ってきて。」


 「ヤーッ、コテメーン!」


 「いい感じだよ、ちょっと手本見せるね。」


 「ハーッ、コメ~ン!」


 「えっ、今の何?いつ、打ったの。」


 「感触はあるけど、見えなかったでしょ。次は、はいって言ったら目を開けて。それまでは、閉じといてね。


 「うん、わかった。」


 「はいっ!」


 「速いけど、見えた。どういう事?」


 「直子が目を閉じる瞬間に、左にずれたの。どうせ右から来ると、無意識に思っているからね。練習、してごらん。」


 それから、しばらく直子の打ち込みが続いた。


 「だいぶ、良くなったよ。後は、左に行き過ぎ。腕は残して、頭だけでいいから。今日は、ここまでね。」


 「ありがとうございました、お師匠様!」


 「二人共、熱心ね。直子ちゃんは、結構やるでしょ。」


 「祥子先輩、上からね。真央に、揉んでもらう。」


 「ショコママ、きて~。」


 「何で、そうなるのよ。イヤー、やめてー!」


 「あらら、若い者は元気じゃの。」


 お前は、どこの楽隠居やねん。


 「姉さんも、稽古つけてもらえば。」


 「スパーッ、悦子ブラックちょうだい。」


 「はい、どうぞ。」


 「甘っ、何これ!」


 「ミロよ、たまには真央を見習いなさいな。」


 「みんな、そろそろ準備しなさーい。」


 全く、人の話なんか聞きゃしない。


 姉さんのカップだけ洗って、車出して来よう。



 「嫌だっ、ボク大人だもん!」


 「ワガママ言ってないで、早く乗りなさい。」


 「チャイルドシートなんか、やだよ。」


 「田舎と違って、捕まっちゃうの。もう、ほら。」


 「プップップー、真央かっこいいわよ。」


 「笑ったな、直子。今に、見てなさい。」


 「はいはい、行くわよ。姉さん、何やってんの。あんたも、チャイルドシートに乗せたろか。」


 「だって、この車禁煙車だろ。」


 「さっ、乗ったわね。行くわよ!」


 「わかったわかった、乗るわよ。真央、まだ泣いてるの。かっこいいわよ。」


 「うわ~ん、えっ、え~ん!」


 「全く、こじらせないで。」


 「真央、抱っこしてあげるから後ろにおいで。」


 「あい!」


 「祥子ちゃん、やっぱり聖母ね。」


 

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