部活、土曜日。2
真央は、鎮静剤で眠っている。
「先輩、真央の親は?」
「すぐには来られない、代わりに祖父母が来る。」
「それって、先輩の両親?」
「まぁ、そう言う事だ。」
「奈良さん、ウチの真央が世話になってありがとう。」
「ううん、私は何もしてない。」
「真央ちゃん、おじいちゃん達来たわよ。」
看護師さんに連れられて、先輩の両親が入って来た。
「満也、お前!」
「真央、真央しっかりして!」
「落ち着けよ、父さん母さん。」
「落ち着いていられるか、真央~。」
「悪い、ウチの両親は真央の事がかわいくてしょうが無いんだ。」
「わかりますわ、その気持ち!」
「ほう、こちらのお嬢さんは?」
「申し遅れました、この奈良医院の娘の祥子と言います。真央の同級生で、同じ剣道部員です。よろしくお願いします。」
「中々、しっかり者のお嬢さんじゃな。これからも、真央をよろしくな。」
顔が真っ赤になる、ナラショウさん。
「ケガは、腫れと痛みが引けば大丈夫だって。顔は、傷一つないから心配ないそうだ。」
「そうか、やったのはどいつだ?」
「戸沢先生が警察呼んだから、直捕まるよ。」
「クソ、親の顔が見てみたいわ。散弾銃で、ぶち抜いたるか!」
「熊じゃねーんだ、父さん捕まるぞ。」
「真央の為なら、捕まったて構いやしねぇ。」
医師から説明があるとの事で、先輩の両親が診察室の方へ行った。
看護師さんが、ナラショウさんに説明を始める。
「二、三日入院するけど、祥子ちゃん部屋に持ち帰っちゃダメよ。付き添いはいいけど、祥子ちゃんもちゃんと休むのよ。」
「はーい、わかりました。」
「持ち帰っちゃ、ダメなんだからね!」
「うんっ、…。」
「はぁ、じゃ何かあったら呼んで。」
「真央、大丈夫かなぁ。全然、気がつく様子が無いね。」
「私が付いてるから、帰っていいわよ。」
「着替えやらあるから、母さんに聞いてくるよ。」
「大丈夫、着替えならここにいっぱいあるから。おもちゃもおやつも、ちゃんとあるから。」
「そうなのか?」
「ウチの小児科、真央のかかりつけなのよ。」
「それは、知らなかった。面倒かけるが、よろしく頼む。」
警察から、戸沢先生がやって来た。
「遅くなって、済まん。須藤は、どんな様子だ。」
「怪我自体は、痛みが無くなれば大丈夫だそうです。警察は、何と言ってました?」
「そうか、良かった。柴田と奈良は、明日警察署に一緒に来てくれ。部は、休んでいい。」
「先生、俺も行きます。」
「身内の証言は、要らないそうだ。」
「そんな…。」
「松橋、明日俺も部に行けん。皆も、動揺してるだろう。新人戦まで、日が浅い。お前も心配だろうが、頼む。何かあったら、すぐ連絡してくれ。」
「はー、わかりました。」
松橋先輩の両親が、戻って来た。
戸沢先生が、その前で土下座して謝る。
「この度は、大切なお孫さんに、怪我をさせて申し訳ありません。私の、監督不行き届きであります。」
「先生、立ってください。真央の怪我は、加害者のせいです。先生は、何も悪くありません。先生のおかげで、真央が又剣道を続けられるんです。これからも、よろしくお願いします。」
「はい、と言いたいところなのですが。私は、病気で部を離れます。私の後任を、真央にしてもらおうと思ってまして。」
「ほう、そうですか。満也!お前は、何しておった。お前が、身代わりになるくらいせんと。真央に又万が一があったら、勘当じゃぞ!」
松橋先輩、何か不当だな。
真央が、顧問かぁ。
想像、つかん。




