夏の出来事。6
なるほど、この男の子が真央のか?
本人は、気づいてないか。
さぞ、美味しかったでしょう。
この濃さなら、いいエサになったって事ね。
やっぱり転生者の体液は、堪らないわ。
この子は勇者では無いけど、賢者か。
十分、楽しめるわね。
「ママ、何でよだれ垂れてるの?」
いけない、私ったら。
「この度は、申し訳ありませんでした。」
この間会った、お父さん。
真面目一筋で、まさか息子が同級生を身籠もらせるなんて思わなかったでしょうね。
お母さんから聞いて、真央の事は可愛がってくれた様だけど。
「謝られても、家も一人娘ですから。」
あっ、息子だった。
まっ、今さらかな。
「何でもします、こいつに腹を切れと言われても断りません。」
「いえいえ、そう言う事では無いので。」
全く、江戸時代か?
「真央ちゃん、身体大丈夫?しんどくない、こっちで横になる。」
お母さんが、ベビーベッドを見やる。
なかなか、甘々な対応の様だ。
「大丈夫だよ、ごめんなさいお母様。」
「真央ちゃんが、謝る事無いわ。希人、黙ってないで何か言いなさい。」
「真央、俺が稼ぐから頑張ってくれないか?」
「ごめんね、それは無理なの。貴方も、学校辞めなくてもいいわ。真央が、一人で育てるから大丈夫よ。」
「えっ、それじゃ。」
「須藤さん、それでは。」
「柏木さん、とりあえずお口を噤んでください。そして、二度と真央に関わらないでください。それさえ守っていただければ、結構です。」
「ママ…。」
「あなたは、黙ってなさい。男子高校生のくせに、妊娠しましたなんて誰が信じるの?」
「私たちは、何も疑ってませんよ。」
「えっ、そうなの?」
「はい、多分誰も疑わないと思いますわ。」
へっ、何なの?
極まらない、じゃない!
「真央、誰も男子だと思ってないんだって。」
「うん、知ってる。」
おい、お前はそれでいいのか?
あっ、私もそうだったわ。
「あのー、俺転生者ですよね?」
「気づいてたの?」
「今、知りました。賢者だ、そうで。使い道、あるんじゃないんですか?」
なかなか、飲み込みの早い男だ。
「何だ、転生者って?」
「オヤジ、俺違う世界から魂だけこの身体に移って来たらしい。まあ、ここん家の子供って言う意識もあるけどな。」
「なら、須藤さんに差し上げます。煮るなり、焼くなり、好きにしてください。」
「おい、オヤジ。」
「私からも、お願いします。」
「おふくろまで。」
「ママ、転生者って何。賢者って、何?」
「子供は、知らなくっていいわ。」
「ウー、ヴゥ~!」
「転生者だからって、何かじゃあないのよ。覚醒したなら、高校と大学は行きなさい。それからの、お話よ。」
「そうですか、浅はかでした。俺なりに、頑張ってみます。ありがとう、ございます。真央、愛してごめんなさい。」
「フエッ、ヴゥ~、ウワーン、ウェッ、ワ~ン!」
「うるさい、泣かないの!それでは、失礼します。」
「えっ、もうですか?」
「くれぐれも、早まった事をしない様に。」




