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あいつが盗られた。  作者: 森のアカゲラ
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夏の出来事。5

 「真央、お前が学校辞めな。」

 「そうね、産むなら高校には通えないわね。どうせ行っても、意味ないでしょ。私も義理が無くなるから、一緒に辞めるわ。」

 「悦子さんも、ですか?」

 「誰も、この子の面倒見れないもの。」

 「私も、手伝います。」

 「うん、お願いするわ。でも、祥子ちゃんは自分の事優先しなさい。真央、ワガママはダメよ。」

 「真央、柏木君の所には一緒に行ってあげるから。」

 「姉さん、暴れて来ないでよ。後、カツアゲしちゃダメよ。」 

 「しないわよ、か弱い乙女なんだから。」

 「母さん、頷かないの!真央、泣いてないで何か言いなさい。」

 「ボクの、せいなの?」

 「そうよ。」

 ワンワン、泣き始めた。

 背中を擦りながら、頭を撫でる。

 今度は、悦子さんも何も言わない。

 おばあちゃんも、入れ直したお茶を飲んでいる。

 えっ、真央ママ寝てる。

 この家族、わからん。


 「姉さん、起きて!」

 「うん、何?」

 「学校の手続きは私がするから、病院と市役所は頼むわね。」

 「えー、悦子やってよ。」

 「いいよ、私がやるから。一度、お嬢さんの所にも顔出したかったし。」

 「母さん、また…。」

 「お嬢さん、迷惑かけるがよろしく頼むよ。」

 「はい、お任せください。」

 「本当に、いい子だね。正の嫁に、来んかのう。」

 「母さん、今はややこしくなるから。」

 「祥子ちゃん、まだ大丈夫?」

 「はい、夏休みですから。」

 「お昼ご飯食べに、行こう。」

 「はい、わかりました。真央、着替えるわよ。」

 「おや、真央はお嬢さんにだいふ懐いておるの。」

 「そうよ、真央がこの世で一番信頼している子よ。」

 「お嬢さん、食べられん様にの。」

 真っ赤になる、祥子。

 「あぁ、もう。真央、あんた!」

 二人で、モジモジし出した。

 「真央、やるじゃん。」

 「姉さん!」


 鰻屋さんに、やって来た。

 特上、一人前8000円だって!

 おばあちゃん持ち、ごちそうさまです。

 真央、スプーンで食べる物じゃないのよ。

 ご飯粒、付いてるわよ。

 食べたげるけど、皆の視線が生温かい。

 おばあちゃんって、日本人なのかなぁ?

 やっぱり銀髪で、眼は青みがかっている。

 例の如く、若い。

 悦子さんと、同年代位にしか見えない。

 悦子さんだって、綺麗だし若い。

 「祥子ちゃんと、言ったかの?」

 「はい、おばあ様。」

 言いにくいわぁ。

 「真央は、これからあまり良い人生は送れん。なるべく、距離を置いた方が良いぞ。」

 「はい、今まで通りではいけない事はわかっています。私も、真央離れしなくってはダメな事も。時間はかかると思いますが、自然に任せます。」

 「ショコママ…。」


 

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