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あいつが盗られた。  作者: 森のアカゲラ
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夏の出来事。2

 「ごめんなさい、ごめんなさい。」

 そんなに謝られても、どうしたらいいかわからない。

 結局、私も検査された。

 私は、何も無かった。

 ただ、それだけだ。

 なぜ、ついて来たのだろう?

 勝手に、体が動いてた。

 真央、あなたは誰?

 

 お風呂から上がると、髪をぐしゃぐしゃにして保世さんが正座していた。

 台所では、悦子さんが夕飯の準備をしている。

 真央も、濡れた髪のまま正座し出した。

 「祥子ちゃん、手伝って。」

 「はーい、悦子さんあれ?」

 「ほっときなさい、その内ダレるわよ。」

 悦子さんが、懐いていないって言ってた。

 今一つ、ピンとこない。

 真央は、保世さんが嫌いなの?

 その前に、犬や猫じゃない。

 そう言えば、似たもの親子って。

 どんな、意味?

 それより、何で柏木なのよ!

 あんな、気持ち悪い奴!

 真央、脅されたの? 

 無理やりなんでしょ?

 そうよね、真央。


 「悦子さん、あいつの担任だよね?」

 「うん、今日お家に行って来たわ。」

 「あいつ、何したの?何で、真央ばっかりこんな目に遭うの。」

 「祥子ちゃん言いたくないけど、誘ったのは真央だと思うわ。」

 「えっ、どう言う事?」

 「真央は、そう言う子なの。祥子ちゃん、身に覚えない?」

 「わからないです、私は真央しか見てないから。」

 「そうか、だよね。姉さんもだけど真央は、そう言う体質なの。言葉は悪いけど、淫乱なのよ。本人達は、無意識だけどね。」

 「うーん、たまに真央の事そう言う目で見る人もいるかも。」

 「そうそう祥子ちゃん、サッキュバスって知ってる?」

 「あまり詳しくは無いけど、男女関係無く魅了するとか。」

 「あの親子は、正にそうよ。姉さんだって、子供出来るまでは今の真央みたいに両性だったもの。」 

 「えっ、保世さんも!もしかしたら、悦子さんも?」

 「ふふふ、どうかしら。さっ、ご飯食べましょう。」


 二人共に、まだ正座したままだった。

 私はご飯を悦子さんが、味噌汁を配る。

 「いただきます。二人共、いつまで反省してるフリしてるの。早く、食べなさい。」

 同じ様に身体をビクッとさせる、二人。

 あぁ、美味しい。

 悦子さん、何作っても上手だわ。

 優しいし、頭もいい。

 こんな、女性になりたい。

 

「真央、柏木君学校辞めるって。」

 「えっ、ウソ!」

 「何で、私が嘘つくのよ。」

 あいつ、そんな事言ったんだ。

 学校辞めて、どうするのかしら?

 真央は、あんたなんかいなくても十分稼げるわ。

 足手まといよ!

 「姉さん、親らしい事言ったら。」

 何も、言わない。

 言えないの、かなぁ。

 悦子さんは、私達より6コ上。

 真央を育ててきたって言ってたけど、産まれた時からかしら?

 と言うか、保世さんも悦子さんに育てられたッぽい。

 「姉さん、真央、起こった事はしょうがないわ。あなた達、ちょっとはこれからの事考えてちょうだい。」

 「はい。」

 「うん。」

 「祥子ちゃん、ごめんね。二人供、全然反省してないから。誰かに、何とかしてもらおうとしか思ってないから。」

 「そんな事、ないわよ。」

 「じゃあ、どうするの姉さん?いいから、食べなさい。誰も、期待してないから。」

 「どうしよう、悦子。」

 「ほらね、聞いたでしょ祥子ちゃん。」

 「真央は?」

 「ボク、産みたい!」

 「ほら、やっぱりおバカさんなのよ。ハァ~。」

 


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