花火大会。3
モンブランに、行く。
「出発進行!」
『ポッポー!』
絶対、するよね。
モンブランに行く前に、学校に寄る。
夏休みで、人気もまばらな校舎。
そのまま、図書館に入る。
真央が、絵本を借りに来たのだ。
図書委員の人達しか、いない。
「あら、真央ちゃん久しぶりね。」
「ウサギさんの本、借りに来た。」
「持ってらっしゃい、手続きしてあげるわ。」
「これも、貸して。」
「はい、待っててね。」
「ママ、寝る時呼んでね。」
「いいわね、奈良さん呼んであげてね。」
「はい…。」
誰も、ツッコまない。
「ありがとう、バイバーイ!」
「又ね、真央ちゃん。」
「真央、もう一冊何借りたの?」
「原子力量学の、論文集。」
何ですと?
私に、読み聞かせしろと。
それは、何かの絵本ですか?
「真央、それって何語?」
「ドイツ語だよ。」
ムリでーす。
出たよ、摩訶不思議幼児!
「ケーキ屋さんに、行こうか?」
「出発進行!」
『ポッポー!』
お約束よね。
モンブランにケーキを取りに行って、帰宅する。
駐車場にお兄ちゃんの車が、あった。
「ただいま、義姉さん久しぶり!」
「お帰り、祥子ちゃん。あら、真央ちゃん今日もかわいいわね。」
「フエッ、こんにちは。」
すかさず、義姉さんに抱っこされていた。
「母さん、ケーキ冷蔵庫に入れておくね。」
ソファーで、祥太がすやすや眠っている。
「義姉さん、お兄ちゃんは?」
「お義父さんの診察、手伝っているわ。真央ちゃん、祥太の事好きなの?お嫁さんに、来てくれる?」
「へっ、うー、あー。」
「義姉さん、祥太はまだ園児じゃないの。まだ、ムリよ。」
「そうね、真央ちゃんはもう出来るのにね。はぁ、待ち遠しいわ。」
なんか、色々決まっちゃってない。
あら、真央お顔が真っ赤よ。
本気で、お嫁さんに行こうと思っているの?
「降ろして、お姉ちゃん。」
「あら、ゴメンね。」
真央、どこに行くの?
冷蔵庫から冷たい麦茶を出して、私たちに配ってくれた。
「ありがとう、真央。」
「お利口さんね、真央ちゃん。」
母さんが、畳んだ洗濯物を持って来た。
「帰ってたのかい、ほれあんたらの持って上がりな。」
真央と一緒に、二階へ上がる。
「真央、お嫁さんになりたいの?」
キョトンとして、私に抱きついてくる。
そうじゃないのね、泣きそうだ。
授乳さして、落ち着かせる。
父さんと兄さんが、帰って来た。
早めに夕食をとって、花火に行くらしい。
「おお、お揃いだな。祥子も真央も、かわいいな。」
「本当、仲良し姉妹みたいね。」
「良かったね、バーバも選んだ甲斐があるわ。」
「ジージも行くのが、楽しみだわい。」
「ショコママ、すごくキレイ!」
よしっ、テンション爆上がり~!
祥太が、やっと起きた。
「真央、キレイ…。今すぐ、結婚しよう!痛っ!」
あっ、義姉さんにやられた。
真央は、すぐ真っ赤になるね。
誤解されるわよ。
祥太、なして真央のスカートを覗こうとする。
残念、ショーパンはいてるわ。
そんなに、そんなに落ち込む事なの。
あんた、本当にロリコンなの?
花火大会に到着すると、枡席が用意されていた。
父さんが協賛スポンサーなので、用意してもらったとの事。
特等席だ、真央が、綿あめを食べている。
「ショコママ、あーん。」
「おいしいね、真央。」
さっ、始まりますよ。
ここの花火大会は、競技会も兼ねていてマニアには有名になっている。
「凄かったね、真央見た。いっぱい大きい花火が、綺麗だった。」
祥太が、興奮している。
真央、眠そう。
抱っこしてたら、そのまま寝っちゃった。
明日は、真央を帰さないといけない。
いい思い出に、なったわ。
兄さん達は、このまま帰るんだって。
明日の夕方から、当直業務があるらしい。
医者って、大変だ。
特に勤務医は、給料も安いし。
「真央、バイバイ。いい女に、なれよ。痛っ!」
「百万年、早いわ!それじゃ、お義父さんお義母さんごちそうさまでした。祥子ちゃん、真央を離してはダメよ。」
「はい。」
「それじゃ、気をつけてな。」
「又、おいで。」
「おーい、行くぞ!」




