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あいつが盗られた。  作者: 森のアカゲラ
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練習試合。6

 夜ご飯を食べて寝る前に、二人に絵本の読み聞かせをする。

 クマの冒険①、最近真央がはまってる物語だ。

 私の両横で、真剣に聞いている。

 真央が、泣き出した。

 女の子のお母さんが、病気で大変なんだと。

 子供は、純粋だ。

 祥太には、ちょっと退屈そうだ。

 欠伸をして、眠たそう。

 真央も泣き終わって、トローンとしてる。

 二人を寝かしつけて、私は下に降りる。

 父さんが、起きていた。

 「父さんも、お茶飲む?」

 「ああ、頼む。」

 ニュースを見ながら、お茶を飲む。

 「二人は、寝たか?」

 「昼間、泥んこになるまで遊んでたからね。」

 「そうか、真央も同じくらいの子供と遊べて楽しかったんだろう。」

 そうか、いつも大きいお兄ちゃんお姉ちゃんと一緒で気を遣ってたのかも。

 「祥太、結構しっかりしてるのね。」

 「両親共医者だから、あまり構ってもらえんのだろう。」

 「真央に、プロポーズしてたわ。」

 「そうか、なかなか見る目があるな。ちょっと、あいつには勿体ない気もするがの。」

 「自分の孫に、辛辣ね。」

 「真央が、相手ではな。」

 確かに、あの子相手だと相当のレベルじゃないと無理だ。

 「祥太に、頑張ってもらわないと。」

 「明日、練習試合だろ?頑張れよ。」

 「うん、そろそろ寝るわ。おやすみ。」

 部屋に戻ると、祥太が真央のおっぱいを揉みながらニヤニヤ寝てる。

 ダメだ、こいつは!

 引っぺ返して、真ん中に寝る。

 「真央~、いっぱい食べな~。」

 何の、寝言よ。

 

 朝起きると、真央がいない。

 祥太を起こして、下に降りる。

 「母さん、真央は?」

 「トーマスのところに、いるわよ。」

 真央が、トーマスを磨いていた。

 本当、時々すごく大人だなぁって思う。

 「あっ、ショコタンおはよう。」

 「おはよう、朝ごはん食べようか。」

 祥太は、ソファで又寝てる。

 起きると連れて行けと駄々をごねられるので、そのままにする。

 「真央、行こう!」

 「出発進行!」 

 『ポッポー!』

 毎回、それするのね。

 中学に着くと、大きな観光バスが停まっていた。

 将軍野って、書いてあった様な。

 防具は、男子部員が運んでくれた。

 私達は、悦子さんの車で着替えて控え室に向かう。

 途中、トーマスのトランクから飲み物を出して水分補給する。

 垂れと胴を着けて、体育館へ行く。

 悦子さんと松橋先輩が、木元ともう一人の先生らしき人物と話している。

 与えられた陣地に座ると、向こうから30人ほどの生徒がやってきた。

 目の前で、正座する。

 【真央ちゃん先生、今日はよろしくお願いします。】

 「うん、よろしく。みんな、元気だった?」

 【はい!】

 体育館が、ざわめき出す。

 誰?

 「将軍野の後輩、一部だけどね。」

 【先輩方、よろしくお願いします。】

 すごい、さすが強豪校。

 松橋先輩が、戻って来た。

 「みんな、挨拶に行くぞ。」

 木元先生と、もう一人は将軍野の部長先生らしい。

 「おい、将軍野が来てるなんて。真央、知ってたのか?」

 「ううん、ボクも今知った。」

 松橋先輩から、説明があった。

 森中は、三年生も含めて全員参加らしい。

 将軍野は、国体に出場するので三年生のレギュラーと来期のレギュラーを連れて来たとの事。

 「真央、将軍野って部員どのくらいいるんだ?」

 「ボクの時で、200人くらいかな。卒業したのボクだけだから、今はもっと多いんじゃない?」

 「マジか!そりゃ、強いわ。真央の年代は、誰もいないのか。」

 「みんな、辞めちゃったからね。」

 「何で?」 

 「練習についてこれなくて。」

 「お前が考えたんだよな?」

 「大丈夫、今の練習は中学の半分もしてないから。」

 「あれで?」

 森中から、一人の女の子がやって来た。

 「真央、会いに来てやったわよ!」

 何、このツンツン美少女。

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