練習試合。2
食事を終えて、おもちゃ屋さんにやって来た。
真央が、真剣に店内を物色している。
「祥子ちゃん、真央の具合はどう?」
「今のところは、順調です。稽古はしていませんが、部活の指導もしてくれてます。」
そこで、一生懸命おもちゃを選んでいる幼児が。
「悦子、あんた部長先生なんでしょ?大丈夫?」
「知らない、真央に任せるわ。剣道なんて、やったこと無いもの。あっ、そうそう。金曜日、祥子ちゃん家に朝迎えに行くわね。」
「ありがとうございます、よろしくお願いします。」
「ママ、これとこれ買って!」
「一個って、言ったでしょ。」
「やだ、どっちも欲しい。」
「じゃあ、帰りましょう。悦子、行くわよ。」
「ア~ン、ウワ~ン、ウッ、ウッ、買って~!」
床を転がり出した。真央の本気の駄々、初めて見た。
真央ママが、店を出る。
「ママ、ゴメンなさい。一個にするから、ゆるじて!エ~ン!」
「早く、決めなさい!帰るわよ。」
持っていた、白と黒のクマのぬいぐるみを置きに行った。
「真央、どっちかにするんじゃないの?」
「二人は、仲良しさんなの。だから、一人だけ連れては行けないの。」
「しょうがないわね、二つ共買ってあげるから持ってらっしゃい。」
「やったぁ、ママありがとう!」
「祥子ちゃんも欲しいものあったら、買っていいのよ。」
「いえ、私は子どもじゃないんで。」
「あらら、そうよね。ゴメンね、じゃあちょっと付き合って。」
ちょっと高級な、呉服店に入る。
「これ、履いてみて。」
ピンクの鼻緒の下駄が、置かれる。
「大丈夫ですよ、こんな高そうなの。」
「いいから、早く!」
一応、履いてみる。
「ちょっと、きついみたいです。」
「じゃあ、こっちかな?」
「はい、ぴったりです。」
「じゃあ、これにしましょう。」
「すいません、ありがとうございます。」
真央が、羨ましそうに見てる。
「真央には、まだちょっと早いわ。お姉ちゃんになったらね。」
「あい!」
んっ、お姉ちゃん?
まっ、いっか!
「祥子ちゃん、真央をお願いね。真央、来週迎えに行くからいい子にしててね。」
「あい!」
そっか、もうすぐなんだ。
「じゃあね。悦子、行くわよ。」
「金曜日、又ね。」
「はい、お気を付けて。」
「バイ、バーイ!」
私たちも、トーマスで帰る。
お母さんがいないので、病院に寄ってから家に行く。
「真央、注射しないから早くおいで。」
クマのぬいぐるみを抱きしめて、恐る恐るこちらにやって来る。
「真央ちゃん、かわいいぬいぐるみね。」
藤井さんの声に、真央がビクッとする。
「うん、買ってもらった!」
「大事に、しなさいね。」
「は~い。」
お家に入ると、真央がクマさんとお話してる。
小っちゃい子は、想像力豊かだ。
私にも、そんな時期があった。
「ショコママ、宿題やってる?」
真央が、現実を突きつけてきた。
えっ、何それ?
「ちょっとづつ、やろうかなって。」
「ふ~ん、ボク全部終わったよ。」
何ですと、いつの間に!
「全部終わったの、読書感想文も?」
「うん、あっ日記が残ってた。」
そうね、日記は残るわね。
私、一つもやってないわ。
どうしましょう?




