夏休み。10
休憩が終わり、皆戻ってくる。
今度は、女子部員を外に連れ出した。
女子部員には、打ち込み用の人形を使い教える事にする。
まず、説明するのが間合い。
人それぞれ、得意な間合いがある。
真央は、相当遠い。
見た目と間合いは、違う。
スピードと度胸で、決まる。
後は、タイミング。
絶対、相手に合わせてはいけない。
呼吸で測れれば、ベストだ。
後は、目線。
人は、ずっと眼を開けていられない。
その前後を利用すれば、いとも簡単に騙せる。
但し、尋常では無い精神力がいる。
真央は、小さい。
更に、力も無い。
頼れるのは、精神力だけだ。
恐らく、普通の人間が同じ事をしたら死ぬ。
緊張感なんて、そう長く続かない。
銃や刃物を突きつけられて、平静でいられる人間は少ない。
しかし、出来る事を知れば技術は上がる。
真央が教えるのは、体力が少ない女子部員の為の練習である。
まっ、一日で覚えれる訳がない。
今日は、これくらいで終わりだ。
真央が着替えさせられて、トーマスに乗る。
そこに、満也がやってきた。
「真央、じいちゃんから小遣いだ。」
「じいちゃんから、おじちゃんのお金でしょ?」
「気づいてたか?」
「ありがとう、大切に使うね。」
「おう、気をつけて帰れよ。奈良さんに、よろしくな。」
「バイバイ!」
ナラショウさんが、やってきた。
「先に行くなんてひどいよ、真央!」
「ごめんなさい、トーマスのご機嫌取ってた。」
あら、点検してたの?
こういう所は、頭の良さを感じるわ。
「じゃあ、買い物行きましょう!」
[ポッポー!]
いつもなら空港近くのモールに行くけど、今日は隣町の古いスポーツ店に行く事にした。
モールでは、出来合いの者しかなく部品が手に入らないとの事。
部品って何、竹刀って手作りなの?
そう言えば、三浦君とか柴田君が壊れたのを直してたっけ。
ちょっと、遠いなぁ。
真央が、交番に寄る。
「真央ちゃん、久しぶりだね。お菓子かい、チョコ棒食べる。」
「ありがとう、お兄ちゃんヘルメット貸して。後、ショコタンの自転車預かって。」
二人乗り、するの?
わぁ、恥ずかしい。
でも、真央二人乗りは免許取ってから一年以上経たないと。
真央、いくつ?
「真央ちゃん、気をつけてな。帰ったら違うお巡りさんだから、伝言しとくよ。」
「真央、大丈夫なの?捕まらない?」
「大丈夫だよ、僕免許取ったの中一の時だから。」
出たよ、国家権力ねじ曲げる奴。
「乗るの?乗らないとなのね。」
[ポッポー!]
「出発進行!」
うわー、速い。
凄く、速い。
そりゃ、そうよね。
車と同じ扱い、だものね。
あっという間に、着いた。
恥ずかしがってる暇も、無かった。
それにしても、乗り心地良いわね。
「真央、どこかでご飯食べましょう。」
お洒落な、喫茶店ね。
「マスター、ママ、ご飯食べていい?今日はね、ショコタンも一緒だよ。」
「真央、良く来たね。こんにちは、ゆっくりしてね。好きなの、食べてね。」
真央ママの、友達なんだって。
「僕、いつもの!ショコタンは?」
「真央と同じ物で、お願いします。」
「はい、じゃあメロンクリームソーダね。」
「わーい!」




