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あいつが盗られた。  作者: 森のアカゲラ
28/91

夏休み。10

 休憩が終わり、皆戻ってくる。

 今度は、女子部員を外に連れ出した。

 女子部員には、打ち込み用の人形を使い教える事にする。

 まず、説明するのが間合い。

 人それぞれ、得意な間合いがある。

 真央は、相当遠い。

 見た目と間合いは、違う。

 スピードと度胸で、決まる。

 後は、タイミング。

 絶対、相手に合わせてはいけない。

 呼吸で測れれば、ベストだ。

 後は、目線。

 人は、ずっと眼を開けていられない。

 その前後を利用すれば、いとも簡単に騙せる。

 但し、尋常では無い精神力がいる。

 真央は、小さい。

 更に、力も無い。

 頼れるのは、精神力だけだ。

 恐らく、普通の人間が同じ事をしたら死ぬ。

 緊張感なんて、そう長く続かない。

 銃や刃物を突きつけられて、平静でいられる人間は少ない。

 しかし、出来る事を知れば技術は上がる。

 真央が教えるのは、体力が少ない女子部員の為の練習である。

 まっ、一日で覚えれる訳がない。

 今日は、これくらいで終わりだ。

 真央が着替えさせられて、トーマスに乗る。

 そこに、満也がやってきた。

 「真央、じいちゃんから小遣いだ。」

 「じいちゃんから、おじちゃんのお金でしょ?」

 「気づいてたか?」

 「ありがとう、大切に使うね。」

 「おう、気をつけて帰れよ。奈良さんに、よろしくな。」

 「バイバイ!」

 ナラショウさんが、やってきた。

 「先に行くなんてひどいよ、真央!」

 「ごめんなさい、トーマスのご機嫌取ってた。」

 あら、点検してたの?

 こういう所は、頭の良さを感じるわ。

 「じゃあ、買い物行きましょう!」

 [ポッポー!]

 

 いつもなら空港近くのモールに行くけど、今日は隣町の古いスポーツ店に行く事にした。

 モールでは、出来合いの者しかなく部品が手に入らないとの事。

 部品って何、竹刀って手作りなの?

 そう言えば、三浦君とか柴田君が壊れたのを直してたっけ。

 ちょっと、遠いなぁ。

 真央が、交番に寄る。

 「真央ちゃん、久しぶりだね。お菓子かい、チョコ棒食べる。」

 「ありがとう、お兄ちゃんヘルメット貸して。後、ショコタンの自転車預かって。」

 二人乗り、するの?

 わぁ、恥ずかしい。

 でも、真央二人乗りは免許取ってから一年以上経たないと。

 真央、いくつ?

 「真央ちゃん、気をつけてな。帰ったら違うお巡りさんだから、伝言しとくよ。」

 「真央、大丈夫なの?捕まらない?」

 「大丈夫だよ、僕免許取ったの中一の時だから。」

 出たよ、国家権力ねじ曲げる奴。

 「乗るの?乗らないとなのね。」

 [ポッポー!]

 「出発進行!」

 うわー、速い。

 凄く、速い。

 そりゃ、そうよね。

 車と同じ扱い、だものね。

 あっという間に、着いた。

 恥ずかしがってる暇も、無かった。

 それにしても、乗り心地良いわね。

 「真央、どこかでご飯食べましょう。」

 お洒落な、喫茶店ね。

 「マスター、ママ、ご飯食べていい?今日はね、ショコタンも一緒だよ。」

 「真央、良く来たね。こんにちは、ゆっくりしてね。好きなの、食べてね。」

 真央ママの、友達なんだって。

 「僕、いつもの!ショコタンは?」

 「真央と同じ物で、お願いします。」

 「はい、じゃあメロンクリームソーダね。」

 「わーい!」


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