退院。2
「本当に、真央なの?」
みんなで部屋に上がると、羽場さんが呟いた。
他のみんなは、子供の頃の記憶を思い出したらしく違和感は薄れている。
「ぼく、真央だよ。」
真央は、病気だ。
他に比べ、著しく成長が遅い。
三歩歩いて、二歩下がる。
今は16才だから、5才の幼児並の成長しかしていない。
それでも、お父さんの治療のおかげで少しは大きくなっている。
少しだけね、なんでかオッパイは年齢並だ。
男の子なのに…。
「制服着てるとわからなかったけど、ものすごい美少女ね。」
制服のおかげで、真央の可愛さはかなり低減される。
見た目の年齢と制服というギャップに皆、目が行くからだ。
「真央、ちょっと胸膨らんだ?」
「尚子の方が、大きいよ。」
「私は、色んなところがね。」
宮野さんも、ちょっと気まずそうだ。
片岡さんを入れて三人は、部のぽっちゃりシスターズだ。
「ナラショー、真央貸して!」
「たーさん、食べちゃダメよ。真央、いい?」
「うん、いいよ。貴ちゃん、剣道楽しい?」
「うーん、楽しむ事にした。結局、真央には何をやっても勝てないから。」
「貴ちゃん、賢くなったね。」
「そりゃ、少しは丸くなるわよ。」
ここも、師弟関係なのかしら?
なんかすごい人は、真央のこと何となくわかるんだろうな。
「私も、抱っこしたい。」
「美紀子は、ダメだよ。」
「何でよ、真央こっち来て。」
真央が、大川さんを拒絶した。
「うそ~ん、ダイブ!
」
「もう、痛い…。痛くないわ、柔らかい。」
私とキャラ被りの、南方系色黒スレンダーな大川さん。
ちょっときつい性格で、実は隣町のヤンキー君と付き合っている。
真央の弄りに、涙目になってた。
その後もたらい回しにされる、真央。
さすがに退院したばかりでぐったりしたので、盛大にいちごパンツを見せながらベッドで寝ている。
「真央、変わらないね。制服着てたら、誰だか、わからないけど。」
「普通にしてたら、また男共にモテまくりね。
」
「真央って、やっぱりモテてたの?」
「そりゃ、こんだけ可愛いもの。よく、男の子にプロポーズされてたわ。まっ、小さいからごっこなんだけど。」
「信濃屋君は、今でもちょっと好きなんじゃないかな?」
「はい、宮ちゃんのBL好きは治んないわね。」
「確かに、ジャニ系の信濃屋君なら絵になるわね。」
「柴田君とは、何かあったの?」
「あぁ、達人は真央に良くない事をしたみたいよ。」
「何、したの?」
「何人かで、真央を辱めたらしいわ。達人が、中心だったって。」
「辱めたって、何?」
「小さい頃だから良くわからないけど、周りが真央に発情したらしいわ。それで、真央を代わる代わるいたずらしたらしいわ。当の真央は、あまりわかんなかったみたいよ。」
「最低、柴田君見る目変わるわ。」
「それから、達人は真央の事陰ながら見守ってたみたいよ。罪滅ぼしなのかしらね。」
だから剣道部に誘ったり、あれこれ世話を焼くんだ。
「うーん、ショコママおっぱい。」
私が真央に授乳を始めると、空間が広がった。
「奈良、何やってんの!」
「真央に、オッパイあげてるの。」
ははぁ、久美子ってば自分がチッパイだからって。
「違うわよ、真央はあんたの子供じゃないでしょ?」
「真央は、あたしの宝なの。子供以上よ。」
「それにしても、大っきいわね。」
そこかーい、色々ツッコミどころあるやろ。
「みんな、お茶とケーキ持って来たわよ。あら、真央は要らなそうね。」
真央がおっぱいから離れて、振りかえる。
「ヤッ、ぼくも食べたい!」
「ほら、祥子貸しなさい。」
「真央、おばちゃんが食べさせてあげる。どれが、いい?」
「ぼく、シュークリーム。」
「はい、ゆっくり食べるのよ。水筒に、メロンジュース入ってるからね。」
みんなで、ケーキを取りながらアイスミルクティーを注ぐ。
「これって、学校の近くのモンブランだよね。」
「部活帰りだと、開いてないもんね。」
「久しぶり、おいしいね。」
真央が食べ終わって、メロンパンナの水筒を飲み出す。
「真央、いちご食べる?」
片岡さんが、真央にフオークを指し出す。
パクッ!
「るみ子、ありがとう。ダイエット?」
「違うわよ!」
真央、あなた女の子に絶対モテないわ。




