退院。
真央が、退院する事になった。
ずっと、伊勢さんも居てくれて真央も楽しそうだった。
「牧子ママ、帰っちゃうの?」
「又、来るわね。来ても、いいでしょ?」
伊勢さんは、大人だな。
真央に負担のないように、持っていく。
「うん、いっぱい来て!」
学校が夏休みになるので、週末まで家で預かる事になった。
やった!真央に、あんな事やこんな事できる。
「祥子ちゃん、大丈夫?牧子ちゃん、空港まで送って来るわね。」
「伊勢さん、又来てね。」
「真央の事、お願いね。」
「牧子ママ、気をつけてね。真央、頑張って大きくなるから!」
「いいのよ、そのままで。じゃあ、お世話になりました。」
伊勢さんが、帰った。
今日は、悦子さんしか来ていない。
真央ママは、帰りに拾いに行くそうだ。
「私も、学校行ってくるわね。なるべく早く帰って来るから、看護師さんの言う事きくのよ。」
「うん!行ってらっしゃい。チュウ!」
お出かけのキスして、病院を出る。
今日も、暑いわね。
終業式の為か、クラスは浮き足立っていた。
教室のドアが開き、非常勤の若い女教師が、入って来た。
悦子さん、だ!
校長先生も、一緒だ。
「担任の加賀先生が、しばらく休まれます。2学期から、こちらの須藤先生に担任を引き受けていただきます。」
「須藤です、よろしくね。明日から夏休みなので、2学期にまたお会いしましょう。高校生らしく、羽目を外さずに楽しんでください。それでは、体育館へ行きましょう。」
びっくりよ、朝何も言ってなかったじゃない。
悦子さんの、意地悪。
午前中で終わったので、帰ろうとしたら呼び止められた。
剣道部の女子部員と、マネージャーだった。
「真央のお見舞い、行っても大丈夫かな?」
「もう、退院したわよ。」
「えっ、そうなの。お家に行ったら、迷惑かしら?」
何やら、大きな荷物とお菓子袋を抱えている。
「今は、私の家にいるわ。なんなら、来る?」
「行く、みんなもいいかな?じゃ、ナラショー案内して。」
みんなで、部活をサボって私ん家に行く。
週末には、魁星旗の新人戦があるのに。
自転車を押しながら、真央の状態や経緯を説明する。
話せない事もあるので、慎重に言葉を選びながら。
伊勢さんが来てた事を伝えると、皆納得の表情をしていた。
私と羽場さんを除くと、みんな同じ小学校だ。
そして、家に帰ると向こうからトテトテとお姫様が歩いて来た。
そして、みんなを見るとくるりと来た方向に帰ろうとして転んだ。
盛大に、いちごパンツが見え捲りだ。
「あら、祥子お帰り。皆さんも、いらっしゃい。早く、おあがんなさい。真央ちゃん、泣かないの。おばちゃんが、フーフーしてあげるからね。」
「母さん!」
「何、大きな声出して。」
真央は、私が七五三の時に着たミニワンピを纏っていた。
フリルと刺繍がいっぱいの、ピンクの。
「ぼく、かわいい?」
可愛い過ぎて、二の句が告げない。
本田のたーさんが、今にも襲いかかりそうだ。
「ナラショー、あれ誰?」
「真央よ、須藤真央!」
【へっ?】
みんな、ポカーンとしている。
【可愛い!】
「母さん、何て事してくれたのよ。」
「かわいいでしょ?」
「ショコタン、怒らないで。」
真央を抱きしめて、成分を補充する。
みんなが、もの欲しげに見てくる。
あげないわ!




