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あいつが盗られた。  作者: 森のアカゲラ
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部活、休み。4

 真央は、最初から入る気はなかったみたい。

 真央は、柴田君に誘われて剣道部に入る事になった。

 なぜ、柴田君が真央を誘ったのだろう?

 真央は、練習すると危険だからっていつも外で遊んでいた。 

 たまに、伊勢さんが一緒だった。

 そのうち、伊勢さんが転校する事になった。

 そして、真央を伊勢さんから預かる事になった。

 だけど、真央も転校する事になった。

 私は、愕然とした。

 真央は、イギリスに行く訳じゃない。

 電車で3時間位で、会える。

 私は、真央ママとお父さんにお願いして月に一度真央に会えるようにお願いした。

 真央の診察がある時は、こちらに。

 無い時は、私が会いに行ってもいい事になった。

 真央が、うちのかかりつけで良かった。

 卒業が近づくと、真央がこの町の高校に入ると言い出した。

 正直、飛び上がらんばかりに嬉しかった。

 私も、志望校を同じにした。

 当たり前でしょ!

 そして、私は剣道部に入部した。

 なのに、真央は身体がすぐれなくて許可がおりない。

 やっと一緒にいれると思ったら、こんな事になった。

 真央、もう離さないからね。

 私の、大切な子。

 真央ママと悦子さんが、戻ってきた。

 「祥子ちゃん、真央の事は学校で知られてるの?」

 「誰も知らないと、思います。」

 「そっか、真央の手術早まりそうよ。」

 「えっ、高校生の間はしないって。」

 父さんも、入ってきた。

 「真央な、お腹にもダメージがあってもしかしたら始まるかもしれん。あれが起きたら、オペしなきゃならん。」

 「困ります、警察の方にはもう事情は説明しております。患者は、今薬で眠っておりますから。」 

 向こうから看護師の藤井さんの、声が響く。

 「どうした?」

 父が、部屋を出る。

 その騒ぎで、真央が目を覚ました。

 父が、中年のちょっと頭の薄い男性と部屋を戻ってきた。

 「あっ、タナちゃん。」

 タナちゃんって、このハゲオヤジ?

 「お師匠様、大丈夫でございますか?」

 「大げさだな、もう大丈夫だよ。」

 「そうですか、良かった。あっ、申し遅れました。私、こう言う物です。須藤さん、お久しぶりでございます。」

 「いいえ、遠いところわざわざお見舞いに来てくれてありがとうね。」

 私にくれた名刺には、県警本部長・警視正って書いてあった。

 えぇ~、どう言う事?

 真央が、お師匠様なの?

 「お師匠様の大好きな、マスクメロンオレとバームクーヘン買って来ましたよ。」

 「タナちゃん、ありがとう。ママ、オレ飲んでもいい?」

 父さんが、頷く。

 おいしそうに、オレを飲む真央。

 「ちょっと、待たんかい!おじさんは、県警本部長なの?そんで、真央の弟子なの?」

 「はい、不肖ながら真央師範の弟子でございます。」

 「落ち着きなさい、祥子。でっ、本部長殿はこちらに何用で?」

 「お見舞いと言っても、通用しませんね。戸沢先生から、お話を伺いましていても立ってもいられなくて。先生、面倒かけますがもう一度診断書を書いて頂けませんか?」

 「わかりました、用意しましょう。それで、真央はどうなるのですか?」

 「今、本部の捜査員がこちらの警察署で取り調べをしております。もちろん、関わった者は署長も含めてです。そして、地方検察局が前田土建にガサ入れしております。前々から、決まってたんですがね。明日には、私を含めて捜査員が学校にガサ入れする予定です。お師匠様のケガのおかげでは無いですけど、かなりの大物が網に引っかかりそうです。ところでお師匠様、なぜ反撃なさらなかったんですか?2・30人なら、片手で片付けられるでしょ?」

 「タナちゃん、剣道はケンカの道具じゃないんだよ。」

 「ご立派です!でも、身を守る位はしてくださいね。本当、心配しましたよ。」

 「田中さん、色々迷惑かけて御免なさい。決して、無理なさらないでね。」

 「やっと、お師匠様に恩返しができます。任せてください!」

 訳が分からなくなって、泣けて来た。

 「ショコママ、大丈夫?」

 悦子さんが、背中をさすりながら慰めてくれた。

 「ほっとしたのよね、祥子ちゃん。」

 「はい。」

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