表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/55

第7話 フォースト迷宮へ


 あれから数ヶ月、俺たちは邪神と関連のある施設を次々と潰し回っていた。

 そんなある日、研究者の一員がおもしろいことを吐いたのだ。

 そう、邪神の居場所を。


「この中に邪神が本当にいるのか?」


 やってきたのは、ファースト迷宮。

 SSS級に指定される、極めて危険な迷宮だ。

 だが……俺たちの手にかかれば、ただのザコ迷宮に変わるのだ。


「あの研究者の言うことを信じるのなら、いると思うよ?」


「まぁ、あの研究員を信じるしかないですからね」


「それに仮にいなくても、この迷宮はSSS級ですよ! レアなアイテムがたくさん眠っていますよ!!」


「それもそうだな。気楽に行こうか」


 邪神がいれば、最高。いなければいなかったで、レアアイテムを採取。

 そう考えた方が、精神衛生的によろしい。


「グラァアアア!!」


「お、魔物か」


 現れたのは、トラ型のサーベルタイガー。

 見た目は一般的なトラとほとんど相違ないが、唯一口から生えた長いナイフのような牙だけが違う。

 圧倒的な身体能力と、長い牙が武器の厄介生物だ。


「やぁ!!」


「グラァ……」


 ……そう、厄介生物だった。

 SSS級の魔物の中では、最強格の魔物なのだ。

 相手が悪すぎただけで、かなり強い魔物に違いはないのだ。


「あ、終わっちゃった」


 シセルさんはキョトンとした顔で、サーベルタイガーのドロップアイテムを回収している。

 ……SSS級のサーベルタイガーよ、戦う相手を間違えたな。


「……シセルさんって、本当に最強なんですね」


「うん、まぁね!!」


「……恐れ多いです」


「?」


 SSS級の魔物を一撃で屠れるシセルさんに畏怖しながら、俺たちは先へと急いだ。

 ……シセルさんは絶対に、怒らせないようにしよう。



 ◆



 その後も、俺たちは迷宮内を進んだ。

 出現する魔物は、大抵シセルさんが一撃で屠る。

 その為、なんとも暇な冒険を過ごした。


 そして、俺たちはついに最下層へと降り立った。

 目の前には大きな扉、つまりこの奥に──


「邪神が……この奥にいるんですね」


「うん、そうだね!!」


「が、がんばりますよ……!!」


 三者三様、気合を入れる。

 そして、扉を開け──


「ちょっと待ったッス!!」


「お待ちなさい!!」


  ──俺たちを邪魔してきたのは、2人の年増。

 カナトパーティの2人、サンズとナミミだ。


「偉大なる邪神様の復活を邪魔させないッスよ!!」


「そうです!! 世界の変革を、邪魔させません!!」


 なるほど、カナトたちの行方がわからないのは、そういうことだったのか。

 邪神教に入信したことで、行方をくらませていたのだな。


「はぁ……アルガくん、先に行ってて」


「ここはわたしたちが食い止めます」


 呆れた様子の2人。

 まぁ……その気持ちは痛いほどわかる。


「うん、わかった」


 俺は1人、扉を開けた。

【作者からのお願い】

広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★に変えていただけると、

作者のモチベーションが上がります。

また、ブックマークもしていただけると、幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ