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第5話 デート


 次の日、俺とレイナはカフェに来ていた。

 新しくオープンしたとのことで、レイナが前々から来たかったのだという。


「これスゴくおいしいです!!」


「そうか、それは何よりだ」


 レイナが食べているのは、イチゴの乗ったパイだ。

 生地はサクサクでイチゴは甘い、レイナ曰く最高らしい。

 そしてレイナが飲んでいるのは、これまたおいしそうなクリームソーダだ。

 若干アイスが溶けており、それがまたおいしそうにみえる。


「しかし……こんな店に俺みたいなヤツがいて、本当にいいのか?」


 この店は若い男女に人気らしく、周りを見るとやはり若い男女が多い。

 全員キャピキャピしており、なんというか……場違い感が否めない。


「アルガ様はわたしと一緒にいることが、嫌ですか??」


「いや、そういう訳ではないが……俺みたいな陰気な男が、こんなキャピキャピ空間にいてもいいのか?」


「大丈夫ですよ、わたしからしたらアルガ様が一番輝いて見えますから!!」


「そうか……?」


 何が大丈夫なのかはわからないが、レイナが言うのなら……問題はなのだろう。

 ……いや、別の問題はあるのだが。


「しかし、本当にこんなところで時間を潰して、本当にいいのか?」


「邪神に対抗するために、少しでも鍛えた方がいい……と、思っているんですね」


「あぁ。いやいや、心が読めるのか?」


「大好きな人の思考くらい、わかりますよ!!」


 それは……なんというか、怖いな。

 ヒトを好きになると、思考が読めるようになるのか。


「でも、大丈夫だと思いますよ? だって、アルガ様は十分強いですから!!」


「それシセルさんにも、同じことを言われたな」


 だがそう言われても、実感は湧かない。

 確かにステータス的に、俺は格段に強くなった。

 だが……それでも邪神に勝てるとは、到底思えないのだ。


「……そうですよね。昨日、シセルさんとデートしたんですものね」


「デートって、単なる買い物だぞ?」


「……ふんッ!」


 頬を膨らませ、パイを頬張るレイナ。

 なんだ、拗ねているのか?


「おいおい、拗ねるなよ」


「ふへへふぁふへひふぁへふ!!」


「口の中のパイを呑み込んでから言ってくれ」


「拗ねてなんていません!!」


「いやいや、どう見ても拗ねているだろ」


「……アルガ様がわたしと、デートしてくれたらいいですよ。許してあげますよ」


「デート? 具体的に何をするんだ?」


 異性との付き合いが皆無な俺は、デートなるものを経験したことがない。

 具体的にどんなことをすればデートになるのか、皆目見当もつかない。


「じゃあ、この後わたしと付き合ってくれますか?」


「あぁ、構わないぞ」


「やった!!」


「こら、はしたないぞ」


「ごめんなさい……」


 その後、俺たちは食事を済ませ、店を後にした。



 ◆



「今日は楽しかったですね!!」


「あぁ……そうだな」


 ドッと疲れた。

 あの後、レイナに連れられて、様々な店を訪れた。

 そして様々な物を買い、影に収容して……。

 

 ステータスが上がり、スタミナも増えた俺だが、なんというか……疲れた。

 精神的な疲弊と肉体的な疲労は、全然違うのだな。

 どれだけ強くなっても、これは慣れそうにない。


 だが、楽しかったのは……事実だ。

 すべてが新鮮だった。

 俺1人だと絶対に訪れない店に訪れ、未知を知る。

 それら全てがおもしろく感じた。


「レイナ、またどこかでデートしような」


「え、え、え、えぇえええええ!!!!!!」


「いや、どうしたんだよ。そんなに驚くことを、俺は言ったか?」


「い、いえ……その!! ふつつかものですが、よろしくお願いします!!」


「あ、あぁ……? よろしく頼む」


 何故レイナがこんなにも喜んでいるのか、よくわからない。

 だがまぁ……わからなくても、構わないか。

 レイナが喜んでくれるだけで、俺も嬉しいからな。


 しかし……なんだろうか、この胸の動悸は。

 レイナを見ていると、胸がドキドキする。

 これは……発作か? 明日、病院に行ってみようか。

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