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第20話 最強の迷宮攻略


 2日後、俺とシセルさんは迷宮にいた。


「私がどんな戦い方をするか、知りたいんだよね?」


「そうです。シセルさんが強いことは知っていますが、どんな戦い方をするか一度見ておいた方が今後の為になりますからね」


「えへへ! がんばっちゃうよ!!」


 かわいらしい。

 仕草や容姿だけなら、普通の18歳の少女にしか見えないんだけどな。


「お、さっそく現れたね」


 シセルさんの視線の先には、5匹の魔物。

 ゴブリン・ロード×3 ハイ・ワーム×2

 そのどちらもが、A級に相当する強力な魔物だ。


「お願いします」


「いいよ。でも──」


 瞬きをする瞬間、シセルさんがブレた。

 瞬きを終えると、5匹の魔物が血を流して倒れていた。


「……え」


 俺が瞬きをする間に、シセルさんは全ての魔物を倒した。

 その事実は理解できるが、とても受け入れがたい。こんなこと人間業じゃない。


「この程度の迷宮じゃ、私の真の実力は測れないよ?」


「この程度って……一応、ここA級の迷宮ですよ?」


「たかがA級だよね? 私の真の実力を発揮するには、せめてS級は必要だよ」


「でも……S級は俺のランクだと、シセルさんに同行しても挑めませんよ」


 S級以上の迷宮に挑むには、S級以上のランクに到達している必要がある。

 例えSSS級の同行であっても、例外は認められていない。仮に荷物持ちの役であっても、絶対にS級である必要があるのだ。


「なら明日、昇格試験を受けにいかない?」


「昇格試験……ですか」


「うん! 私の推薦だったら、一気にSSS級になれるよ!!」


 E級からSSS級へ。

 それは素晴らしく夢のある話だ。

 だが──叶えられるとは思えない。


「大丈夫ですか? 俺……本当にSSS級になれますか?」


 昇格試験には苦い思い出がある。

 カナトたちと組んでいた頃、俺だけが昇格できなかった。皆はどんどんランクを上げていくのに、俺だけが万年E級だったのだ。

 

 あの頃の悔しい思いが、昇格を鈍らせる。

 ステータスが上がった今でも、不安を募らせる。


「大丈夫だよ! アルガくんは強いから!」


「そう……ですか」


 不安は相変わらず消えないが、彼女が言うのだから……信じてみるか。



 ◆



 その後もシセルさんの無双は続いた。

 現れる敵を文字通り瞬殺するため、どんな戦い方をするのか参考にすることができない。

 モンスターハウスに足を踏み入れた時でも、50匹以上の魔物を瞬殺するほどなのだから。


 そんな調子でシセルさんは、あっという間に迷宮を攻略した。最深部のボスでさえも、瞬殺だった。


「どうだった? 私の戦いは?」


「全く……見えなかったです」


 瞬きの間に敵を殺すのだから、見えるハズがない。


「そっか……まぁ、この迷宮の敵は弱いからね!」


「一応、A級なんですけどね」


 A級を弱いと言わしめるなんて、彼女はどれだけ強いんだ。

 なんというか……本当に規格外だな。


「ドロップアイテムも微妙だし、今日は帰ろうか?」


「そうですね」


 俺たちは帰還した。

 ちなみに、この迷宮の攻略時間は20分だった。

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