神の使い
一部、修正しました
神々が逃げ帰った後、私と両親はどこかに連れていかれてしまった。私はされるがまま、上等な椅子に座らせられた。はっきり言って、日向のことがショックすぎて話す気になれないのだけど、仕方ない。
「ロウちゃん、神の使いって、どう言うこと?」
父の発言に、私はたった一言、「シアを呼んで」と言い、母の膝枕で眠りに落ちる。
シアが来ると同時に私は起こされた。シアは私の指示を待っている。私はアイコンタクトで前世の話を話して、と合図する。シアは小さく頷き、私の代わりに説明してくれた。皆は驚いて、何も話すことができなくなっている。シアの反応を基準にしてたから、ここまでのリアクションを見せてくれるとは微塵も思わなかった。
「ロウ様、あの方達はチキュウと言う星で一般人として働いているのですか?」
私はコクりと頷く。少し傷が癒えた。私は皆に神と話した内容を伝え、無機質な声が伝えた内容が事実と言うことを宣言。さすがに乙女ゲームの結末とかは伏せた。この世界が乙女ゲームを元に作られたことは言ったよ。
「はあ、こんなこと、世界中に公表したら激震が走るぞ。国王陛下にだけ伝えるか」
父は疲れたような顔を浮かべ、神殿の代表者を引き連れ、神殿の外に向かった。
「お父様は何しに行ったの?」
「神殿から避難させた者達に嘘の事情説明よ。変な噂が立つ前にね」
領主様も大変だ。私はすっかり日向のことを忘れ、謁見のことを考えていた。
一時間後に二人が戻ってきて、城へ向かうことになる。神殿の人も城へ同行するらしい。私達の話に信憑性を持たせるためだ。
「あ、シア。着替えるの手伝って」
私は謁見の時に着る儀式衣装に着替えた。こちらはさっきのとうって変わって紫色。上品な衣装だ。この国はアメジストの産出量が売りの国。また、王族の血を引く者は全員が紫色の瞳の持っている。色が濃ければ濃いほど王になる素質があると言われている。理不尽に感じるが、魔法のある世界ではあるある。
「シア、私の瞳の色。第一王子より濃いよね」
「そうですね。通例でしたら姫様が王になっていたでしょう」
「それを言ったら、お母様もおじさまより色が濃いから女王になってるはず。あと、姫様呼びは気を付けてよ」
私は第一王子の顔を思い浮かべる。私よりも年上で、私のことを妹のように扱ってくれる良いお兄ちゃんだ。彼は、貴族の間では、冷酷無慈悲と言うが全く違う。身内への愛は半端ない。第二王子を除けば。
第二王子は上昇志向が強すぎて、家族の誰からも疎まれている。そのため、王子は家族の愛を求めて上へ行こうとする。そして、疎まれる。無限ループだ。ちなみに、これは第一王子が家にちょいちょい来た時に聞いた話だ。あ、第一王子のことはお兄ちゃんって呼んでるよ。
私の着替えが終わり、皆で城へと向かった。馬車で大体一時間ほどで着く。
私は移動時間中にステータスの確認をする。適当に空中に指を滑らせていたら開いた。転生者特典らしく、皆は開けない。
光、闇、水、火、地、風、星の七属性。神の使いはよく分からないから、タップする。
神の使いは、鑑定、鑑定の妨害、システムへの干渉で神との対話。この三つができるらしい。さっきからシステムシステムって何なのよ。私はシステムの単語をタップした。
だらだらと長い文章が出てきて、読み解いていくと、システムとはステータスを魂の強度、因果の数に合わせ、適切なスキルを作成、削除、複製して個人に授けていくもの。
「よう分からん」
いや、それしか感想出てこないわ。分かるには分かるけど、何て言うか、分からない。
あの人達はさすが神と言うべきかゲームクリエイターと言うべきか。天才なのは間違いない。
システムのところ、自分でも書いてて分からなくなった。深く考えなくていいところですので、忘れても平気です。基本、触れません。
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