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エピローグ

おひさです

そして、冒頭に戻る。

王子は騎士達に連れて行かれた。協力してくれた田中のことは一部を秘匿しながら、何とか救出。クロちゃんにも事情を説明し、現在、馬車に乗り、男爵家へ向かっているんだけど・・・


「日向、何か、近くない?」

「ええ?そうかな?このくらい側にいないとミカはすぐに僕を残していくから、当然だよ。な?クロベル、田中」

「お前、重いぞ」


そう、グーテこと日向は先ほどの出来事により、記憶を全て取り戻したらしい。私達四人は同じ馬車に乗り込み、今後の説明をしようとした。したが、日向がにこにこ笑いながら私の手を掴んでいる。決して強く握りしめられているわけではない。ただ、この手を振りほどいたらどうなるか分かっているだろうな、という圧が凄い。目が笑ってない。まずい、非常にまずい。

田中は一言文句を言ってくれたが、それ以降、二人は目を逸らしている。あの、あなた達のこと助けましたよね?その恩、仇で返すおつもりですか、え?


「ミカ、何で死んだのかな?何で、僕を置いていったの。死にたければ僕に言ってよ。一緒に死んであげたのに」

「いや、あれは不可抗力だって。あと、死にたくはなかったから。日向こそ、何で死んだのよ」

「ミカのいない世界で生きる意味を見出だせなかったから。せめて、告白の返事ぐらい、して欲しかったなぁ」


ずいっと顔を近付け、日向が私の心を抉るようなことを言ってきた。くそ、反論できねぇ!


「さて、じっくりお話を聞かせていただこうか、告白の返事も含め」

「ひっ、はい。お手柔らかに・・・」



実家に着くと、三人は全く同じ反応をしてくれた。口を開け、目を見開き、数秒の間、声を出せていなかった。驚きすぎ。


「まさか、ミカの転生先がここまで権力集中しているとは思わなかったよ」

「いや、何で私がグーテと会えたんだよって話になってくるけど」

「たしかに」


私達はそれぞれ解散した。まあ、私にはもれなく日向がついてきたんだけども。ははは・・・


私の部屋に入ると、日向前世で見慣れたものに溢れていて驚いていたけど、それらを全て無視し、私の隣に座った。


「さて、まずは前世まで遡って告白の返事を聞かせてもらえる?」

「えっと、言わなきゃダメ?」

「僕の一生分の勇気を無駄にするつもりか」


日向は私の黄緑色の髪をすきながら、そんなことを言った。これ以上ないくらい優しく囁かれ、ドキッとしてしまった。いや、分かってる。私は、日向のことが好きなんだ。ずっと、昔から。しかし、私が素直にそれを伝えてしまった場合、日向が何をするか分からない。私を追いかけてここまできた。その想いを受け止める自信はない。でも、日向も日向で私から何をしてでも告白の、私の気持ちを引き出す。諦めるよ。


「へぇへぇ、分かりやした。ええ、好きですよ。日向、あんたのこと、好きだよ」


私が嘆息混じりにそう言うと、日向は心の底から笑った。それは、私が大好きな笑顔。


「僕もだよ、ミカ。愛してる」


髪から頬へと日向の手が移動し、優しく撫でられる。そよ風が頬を優しく撫でるのと同じような心地良さに思わず目を閉じる。すると、辺りが少し暗くなったと思えば、唇に何かが押し付けられた。耳元で甘く甘く囁かれる。


「もう、お嫁に行けないね。僕のものだ。ミカ」

「なっ」


何をするんだ、そう言おうとしたところで、口に日向の親指が触れた。終わった。私の人生、終わった。


**


と、まあ、何やかんやあり、私と日向は婚約者となり、数年後、結婚したわけだ。クロちゃんと田中は離れでだらだら人生謳歌している。もちろん、私も。男爵家の仕事は流石元王子と言うべきか、日向がやってくれている。ちなみに、子供はいません。別に、この家は跡継ぎがいなくても困らないし。王家の物になるだけだし。


「ミ~カ~デートしようよ~」


日向が背後から抱き付いてきて、肩にグリグリと頭を押し付けてくる。うざい。

日向は結婚してから私を屋敷の外に出してくれない。出ていいのは日向と一緒の時だけ。かつてハマっていたヤンデレが近くにいたとは。もし、あのまま前世で生きていたら、何でもやってくれる日向に感謝しただろう。しかし、ここは異世界。本音を言えば旅をしたい。口が裂けてもそんなこと言えないけど。


「はいはい、どこに行く?」

「んふふ、僕のミカ、マジ天使!」


こんな日々も、何気に気に入ってるんだけどね。


***


「なんつう終わり方だ、この作品。駄作だろ」


わたしは一言、呟いた。テレビを消し、コントローラーを投げ捨てる。最近流行りの乙女ゲームを買ってみたけど、全くもって共感できないし、つまらない。何故、こんなにも人気作品なのか。金の無駄遣いも甚だしい。大体、制作者は出てくるなよ。


「異世界なんて、ないんだよ」


カーテンを開けると、制服を着た男女が二人、いちゃいちゃしながら歩いている。さっきやっていた乙女ゲーの主人公達にそっくりだ。


そう、ここは、異世界ではない。広い宇宙に存在する、ちっぽけな星、地球。数多の国の中の一つである日本。全ては、嘘だ。山田ミカも佐藤日向も存在しない、ただの日常が広がるばかり。


「ね?これが世界の真実さ、分かったかね、諸君は」

苦し紛れの終わり方ですね、ええ。神様達の計画について書かなくちゃ、と思い、この終わり方になりました。修正版をいつか投稿しようかとか色々思いましたが、他の小説もあるので、ちょっと、諦めます。ここまで読んでくださり、誠にありがとうございます。他の作品に専念しますので、そちらもよろしく!(結局宣伝)

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