王妃は変態
私は実家の庭で、母に膝枕をされながらダラダラ漫画を読んでいる。宿題がないって素晴らしい。
テストで半分以下の成績をとった者以外は宿題が免除される。クロちゃんもギり回避してたっけ。
夏にしては涼しい爽やかな風が私の髪をさらっていく。母の匂いも相まって、瞼が重くなる。
「姫様!手紙が来ました!」
シアがメイド服のスカートをたくしあげ、全速力でこちらに向かってくる。青々とした芝生がくしゃりと潰れていく。
「誰から?」
私は体を渋々起こし、シアを見上げる。シアは白色の封筒を差し出してきた。若干皺が寄っているけど、いっか。
差出人は、クロちゃん。封を開け、手紙を読むと、お城で令嬢だけが集まるお茶会が開かれるらしい。えーめんどい。流石にクロちゃんのお願いでも聞けないなあ。
「どうしたの?ロウちゃん」
母が手紙を盗み見る。読み進めると顔が歪んでいく。そして、額に手をやり、溜め息をついた。
「お義姉様ね。お茶会を開いたのは。相変わらずあの人は・・・・・・」
主催者は王妃か。あ、婚約者探しかな。第二王子から第五王子まではみんな同じ年齢だ。そして、第二王子以外は婚約者がいない。でも、それだけじゃないだろうなあ。令嬢達がお互いを蹴落とすのをにこにこしながら見るためだろう。王妃はちょっとおかしいから。私をクロちゃんを通して呼んだのは手紙を出すのが嫌だったから。他の令嬢も誰かの取り巻きの場合が多いから、楽をしたな。私の周りの人はめんどくさがりの人が多いわ!あと、私を呼んだのは話し相手としてだよね。
「めんどいけど、行くよ。シア、ドレス選んどいて」
「アイアイサー」
シアはさっさと家に戻っていった。はあ、だる。
私は事件が起きないことを祈った。
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お茶会当日。私は灰色のドレスを着て、いつものかんざしを挿し、馬車を待った。お城からの馬車がやってくる。クロちゃんがうちに来ようとしたけど、卒業するまでは見せたくない。驚くところを見たいから。
馬車のタイヤが回る音が近付いてきた。窓から王妃が身を乗り出し、手を振っているのが分かる。
「ローたん!待たせてごめんね」
王妃ことおばさまは私をお姫様だっこして、風の如く馬車に連れ込んだ。一瞬の出来事に私は理解できず、おばさまを見る。すんごい嬉しそう。
「うふふ、今日は人間の醜いところをたっぷり堪能しなくちゃ。ね、ローたん?」
「変態」
「うふふ」
私は腕を組み、瞼を下ろした。はあ、早く卒業式にならないかね。疲れちゃう。あれ?私が王妃の近くにいたら、色々ばれちゃうんじゃね?と言うか、クロちゃんも招待されたのは、なぜ。
「クロベルは、あなたと仲が良いって聞いたから呼んだだけよ」
「わざわざ?」
「だって、人の悪意は見るのが良いだけで、向けられるのはキモいし」
「やっぱ変態」
「うふふ」
このトークは何。
台風、ヤバイですね




