幻想
無事夏休みに突入し、私とグーテは変装をして王都を散策中だ。
「あ、あれ食べたい」
「あれか?この前食べたけど、美味しくなかったぞ」
「マジ?じゃ、いいや」
はたから見ればデートにしか見えないだろう。しかし、これは罰ゲームの一つだと忘れてはいけない。
のんびり、気の向くままにお店を覗き、グーテが奢る。いや、ただのお出掛けやん。罰ゲームじゃないやん。
私は楽しそうに商品を見て、私の髪に髪飾りをあてているグーテを見る。こいつ、何したいの?
「これ、似合うよ」
グーテはニコニコしながら、私にそう言った。
「あっそ」
それから、私達はこじゃれたカフェで昼食にした。
「う、うまい!何これ」
「だろ?ロウのために頑張ったんだ」
私は目の前にあるパンケーキを頬張る。前世でも食べたこと無いよ。すごいよ。日本で出したら即有名店だ。
グーテはそんな私を見て、楽しそうに笑う。そして、流石王子。優雅にパンケーキを切り、口に運んでいく。
「グーテも、王子様なんだね」
私は思わずそう言ってしまった。案の定、グーテは顔をしかめた。
「それ以外の何なんだよ」
「いや、別に。ただね。どこかで信じてたのかな」
グーテは何を言っているのか分からなかったのか、パンケーキに意識を向けた。
そう、どこかで信じていた。ここが、夢の世界で、体は日本にいるって。でも、幻想だって、分かってる。
日向、どこにいるの?せめて、あんたに会いたいよ。
評価ポイントありがとうございます!




