負けた
テスト当日。貴族とは思えない必死さで皆がノートを穴が空くほど見ていた。貴族も人間なんだな。かつての自分を見ているようで、何ともいえない気分だが。
「ロウ、ずいぶん余裕だな」
隣の席のグーテが話し掛けてきた。余裕って、あんたもでしょ。グーテはノートすら持ってきていないじゃん。クロちゃんはノートを死に物狂いで見つめている。見たくなかった。
「あんたもね。そうだ、テストの合計点で勝負しようよ」
前世からやってみたかったことだ。前世ではバカだったから、言える相手がいなかった。日向がいつも私と勝負して、負けた私を見て笑ってた。
「いいぞ。罰ゲームありか?」
「そうね。勝った相手の命令を一つ聞く、何てどう?」
「それで決まりだ」
テスト監督の先生が入ってきて、テストが配られる。よし、満点取ってやる!
私はすらすらと問題を解いていく。一時間目は領地経営学。その後、校庭に移動して、実技。魔法のみの戦闘と武器を使った戦闘の二つ。理論魔法学は魔法戦闘に含まれる。
私は相手をこてんぱんにして、翌日の結果をテレビを見ながら待ち続けた。さて、グーテにどんな命令をしてやろうか。
「テストの結果を返すぞー!」
一人一人に配られるテストの結果表を見る。合計点は、三五〇。背中に視線を感じ、振り向くと、グーテがニヤニヤしながら手招きしている。
私は席に戻り、結果を見せあった。
「勝負、あったな」
「くそ!」
グーテの結果は、満点。つまり、私の負けだ。あの嫌らしい笑みはそういうことかあー!
私は机に突っ伏し、グーテが私の頭をつついてくる。勝てると思ったのに。
「で、罰ゲームだけどさ」
「うん・・・」
グーテが息を飲む音が聞こえ、顔をあげる。
「二人で、出掛けない?」
罰ゲームらしくない、罰ゲームだった。
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「焦れったいわねえ」
「少しぐらい、我慢しろ」
神々は策略のことなんか忘れ、普通に二人の恋を応援していたりしていなかったり・・・
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