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春の終わり

王子はいなくなり、うずくまっているクロちゃんに私達は駆け寄った。クロちゃんは王子の婚約者になってから殴られたりしていたため、治癒魔法だけは異常に上手い。皮肉なものだ。

「クロちゃん!大丈夫?」

「えへへ・・・今日はいつもより酷かったな」

クロちゃんは私達を心配させないようにわざと笑みを浮かべている。額には汗が浮かんでいる。私達は何も言えず、部屋に送った。外出の件はクロちゃんが殴られ、体調が優れず、無しになった。


それから、一月が経った。田中は悪役令嬢と化し、私とクロちゃんをいじめるようになった。最初は陰口。次は物を隠す。そんな感じで徐々にエスカレートさせていった。


「あら、ごきげんようお三方。なあに、その粗末なお食事は。あたくしがあなた達にぴったりな食事に作り直してあげる」

昼食タイムに大量の取り巻きを引き連れて、田中がやってきた。そして、私達の昼食に文句をつけたかと思った瞬間、私の食事を地面に落とした。流石に王族と公爵家の人間の料理を落とすのはまずいということで、主に被害に遭うのは私だけとなった。しかし、クロちゃんは私には甘いため、精神的ダメージはすごいだろう。


クロちゃんは怒りを全面に出しているわけではないのに、黒いオーラが見える。怖い。ガチで怖い。田中もそれに気付いたのか、素早く移動した。賢明な判断だよ。


私は田中が去った後に部屋に戻り、シアに和食を作ってもらった。ああ、日本の食事は最高です。


そんな感じで日々は過ぎていき、季節は夏を向かえた。

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