シル
一部、修正しました
今日は各教科の説明で授業は終わった。私は二人と昼食をとっている。
「ねえ、朝言ってた子の話、してくれない?」
学園の庭には、テラスがあり、そこで食事をとることが出来るのだ。私達(主にクロちゃんとグーテ)は生徒達に注目されているのを感じながら、私にとってはクソ不味料理を食べる。クソ!いっそ清々しいほど不味い。
「うーんとね、黒髪黒目の女の子だったよ。珍しいなあ、と思って話しかけたら逃げられちゃった」
なるほど。初めはまともなシャイな女の子か。ゲームでは父親に命令されて、性格がだんだんおかしくなって、悪役令嬢になり果てた。意外と可哀想な令嬢だった。まあ、私がそうしようとしているんだけど。匿ってあげようかな。
「ありがと。ちょっとその子と話してみるよ」
私はシアに片付けを頼み、二人と一旦別れて、その子を探しに行った。ゲーム通りなら、図書館にいるはず。
長い廊下を歩き、豪華な扉の前に立つ。たかが図書館のくせに、扉が豪華。金の無駄だ。
「よっこいしょっと」
私は扉を開け、中に入った。古い紙とインクの匂いが充満している。少し埃っぽい。嫌いじゃないけどさ。
本棚の間を探すと、目的の人物は簡単に見つかった。
「あの、ちょっといい?」
声を掛けると、赤のタータンチェックのスカートを着た少女が振り向き、にこりと笑った。ほう、これは確かに可愛いですな。
「よう、待ってたぜ。山田ミカ」
「え・・・」
少女はそう言うと、私の腕をとり、奥へと連れていった。なぜ、私の名前を知っている?まさか、神々の一人か。ならば、逃げなければ。これ以上、あいつらに付き合っていたら、ろくなことにならない。
私は手を振り払い、彼女を睨み付ける。彼女はそんな私を見て、クスクスと笑っている。こっそり鑑定してみると、ステータスは別に変じゃない。いったい、何者?
「すまんな。まずはこの世界での挨拶をするとしようか。シルだ。伯爵家の者だからオレの方が身分が上だぜ。ま、お前は神の使いだったな。そうしたら、お前の方が上か」
シルは、胸に手をやり、そう言った。こいつ、私のことを全て知っている?
「私は、ロウよ。と言っても、全て把握しているのでしょう?」
私はつい、棘のある言い方をしてしまった。ちょっと罪悪感があるけど、そんなことを気にしている余裕はない。私は平穏に暮らしたいんだ。
シルは、ヘラヘラしていたが、一気に真面目な顔をした。
「オレは、お前と同じ、転生者だ。少なくとも、お前の敵じゃない。お前が恨んでいる神の一員でもない」
「味方でもないってことかしら」
シルは私の発言を無視して、話を続けた。
「オレは、田中。お前と日向のクラスメイトだ。覚えてるか?」
私は記憶の引き出しを全て開ける。田中?ああ、日向と仲の良かった奴か。え、待って。でも、あいつは男・・・
「アハハハハ!驚いただろ、女に転生したんだ」
私の表情から読み取ったのか、そう言い放った。
お久しぶり!ブックマーク、評価ポイントありがとうございます!まさかの転生者が前世は男、今世は女。




