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シアの過去

月日は流れ、私は十三歳になった。相変わらず城に行ったり、クロちゃんの家である公爵家の家に行ったりして、遊びまくった。

そんなある日、私宛てに手紙が届いたらしい。母に手紙を渡された。差出人を見ると、魔法学園からだった。この国には魔法学園は一つしかない。

内容は、入学案内だった。そこには貴族コース、一般コースの説明。在校期間、カリキュラム、寮、制服についても詳しく書いてあった。


「ロウちゃん、どうする?ある程度攻撃魔法が使えるロウちゃんには低レベルすぎると思うのだけど」

母が木の下で気持ち良さそうに木陰で寝転びながら聞いてきた。女神っす。

私は首を横に振り、否定する。確かに、私は攻撃魔法なら国の魔法使いに余裕で勝てる。しかし、もっと魔法について知っておきたい。一般的な貴族の魔法のレベルを知らずに大規模な魔法を使うと、色々噂が立つ可能性がある。それも回避したい。


そして、私は父に一筆書いてもらい、学園入学の準備を開始した。


貴族コースは一般コースの制服とほぼ同じだ。しかし、この国の象徴である紫のローブの着用が義務付けられる。

私の制服は、白のYシャツ、黄緑と紫、白のタータンチェックのスカートで膝が隠れる程度。白のハイソックスに茶色の革靴。紫と黄緑の花のかんざしで、ハーフアップにする。紫のローブを着れば完成だ。

私は姿見の前でターンをして、確認する。シアはべた褒めしてくれた。

「そうだ、姫様は誰を連れていくつもりなんですか?」


貴族コースは一人だけ従者を連れていくことができる。私はナイフの訓練をしているから護衛は要らない。ドレスはさすがに一人で着れないから必然的にシアを連れていくことになる。年の最後にパーティーがあるからドレスを着る。その時にシアは必要だ。

「シア、ついてきてくれるかな?」

私がそう言うと、シアは瞳を輝かせて、嬉しそうに頷いてくれた。


私達は下着やドレス、アクセサリー、筆記用具などをトランクに詰め、明日に備えた。


「ロウちゃん、頑張ってね」

父が号泣しながら見送りの言葉を贈ってくれた。私は思わず苦笑してしまう。たった一年離れるだけでこれって。

母はお茶会の時と同じように父を羽交い締めにして、馬車を出させる。学園までは丸一日かかる。しかし、今回はシアがいる。自作トランプで遊べるのだ。この世界にはトランプはなかった。チェスはあった。だから、私は遊び方が単純なトランプを館の使用人に普及させた。意外と好評で、それで商売しようかと考えたほどだった。めんどいからやらなかったけど。


「トランプよりシアのこと聞きたいなあ」

「シアのことですか?」

シアは私の発言にとても驚いていた。貴族の令嬢は使用人と仲良くしようとなんて思わないはずだ。しかし、私は現代日本人。そして、一般人。そんなことは気にしないのだ!なんちゃって。


「姫様になら、話しても良いかもしれませんね」

シアは少し顔を俯かせた。その表情はいつも笑顔のシアらしくなかった。


「シアは、元々伯爵家の愛人の子だったんです」

それから、シアは重すぎる過去を話してくれた。


シアはとある伯爵が外で作った愛人の子供だった。十歳になるまで真実は知らされず、平民として暮らしていたそうだ。しかし、十歳の誕生日に伯爵が押し掛けてきて、母親共々伯爵家へ連行。理由は、一人息子が事故で死亡したため、シアを使って婿をとり、伯爵家を存続させるため。ここまでなら何ともない。ありきたりな話だ。ムカつくけど。

シアは十一の時に婚約者をつけられた。しかし、その婚約者は伯爵家に復讐するために婚約者になったらしく、館に放火させられた。使用人は皆死んで、伯爵一家しか残らなかった。その後、三人はその婚約者によって奴隷商に引き渡された。伯爵は結構犯罪をしていたらしいからざまぁみろって感じだけど、シアとそのお母さんは何もしていないのに巻き込まれた。二人は娼館に売り飛ばされたが、私の父に拾われたそうだ。


「お父様は女遊びするタイプじゃないと思うんだけど」

私は疑問に思ったことを言った。シアは補足してくれた。

「はい、旦那様は薬物売買の現場を押さえるために娼館に来ていたそうです」


それから私達は神経衰弱に七並べをして、時間を潰した。

昨日の分

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