分岐路
「ねえかずくん、入るよ」
アリスか。あいつには謝らないとな。わざわざ遊びに来てくれたのにこんな気分にさせちゃって。
「アリス、ごめ」
そう言おうとすると、手で口を塞いできた。
「言わなくていいよ、気にしてないから。あとさ、少し目、瞑ってて」
言われた通りに目を瞑る。
なんか目を瞑っていると色々なことを思い出す。
昔の可愛かった茜だったり、アリスの事だったり・・・さっきの僕のことも。自己嫌悪に陥りそうだ。ほんっと・・・最低なのかもしれない。
なんだか頭が柔らかい。何してるんだろうな。
「目、開けていいよ。」
そーやって目を開けると何故か膝枕されてた・・・なぜ?
ただ、なんだかそこから動きたくない。心が落ち着く。
「かずくん…そんなに自分ばっか責めちゃダメだよ…。もう少し、私を頼って欲しいな。今のも、ほとんどかずくんは悪くないよ。私はかずくんの味方だから、ね。」
そうやって頭を撫でながら話してくれる。とても心地よい。ただ、それだけの言葉なのに救われたような気分になるのだ。アリスさまさまだな。
「ほんと・・・ありがと、アリス。お前と友達で良かった。」
「そう言って貰えると嬉しいな」
顔は見えないけど、アリスは笑っている。
和樹side out
茜side in
お兄ちゃんに怒鳴られて、急速に頭が冷めていく。私は調子に乗っていたんだと思い知らされる。学校でチヤホヤされて、お兄ちゃんも私が悪口言っても文句言わずにいて、私が偉いみたいな幻覚を見てしまってるんだ。もう・・・取り返しがつかないかもしれない。
とりあえず私に出来ることは謝ることだけ。今まで私がどんなことをしてしまったかわかってるから、それで許して貰えるなんて思ってはなかったけど。
それだけはやらないといけない気がした。
もう怒られたくない・・・いつしか、そう思うようになっていた。
本日二本目!茜視点も入れてみました。普段男主人公物しか読んでないので茜視点は少し書くのに時間がかかりました・・・
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