第1章『1』
「あれって…」
「学校来れるんだな…」
「気持ち悪い…」
僕が学校の廊下を歩くと、いつも他の生徒達の哀れみと軽蔑の言葉を並べてくる。
だけど…誰も助けようとはしない。
「はーるくん」
ニコニコと笑いながら近付いてくるのは…同じクラスの男子、三好一輝。
「ちょーっとこっちおいで?」
無理やり肩を組まれ、僕は抵抗もできぬまま裏庭へ連れて行かれる。
「今日も学校来たんだー?本当、良く来れるよねー…まぁ、良い 玩具だから来てくれなきゃ困るけどね」
「い、っ…」
不敵な笑みを浮かべながら僕を壁へ叩きつける。
「…気持ちわりぃんだよ」
「やめてっ…!」
身体中を蹴られ、殴られ…もう、どこが痛いのかが分からない。
僕の中学3年生の1年は、こんな日々が続いた。
この虐めが原因で、僕は高校を同中の人が居ないところへ行く。
家からは遠い為、僕は1人暮らしを始め、そこから高校へと通った。
私立 蛍伯高校。僕はここに入学した。
友達0からのスタートで緊張していたけど、入学試験の結果が上位だった為、クラスの委員長になる事になった。
その為自然とクラスには馴染めて、話せる友達も少しは出来た。
部活決めの時、僕はサッカーが好きだからサッカー部に入ろうとした。
部活見学の日、見学に行くと…サッカー部員の人達は全員ガタイが良く、活動も獣達が争っているような激しい試合だった。
…それに、僕以外の見学者の人達も大きい人達ばかり。
僕は生まれつきあまり身体が強くなくて、体育を休む事や体調を崩す事が多かった。
筋肉と言う筋肉もなく、男子としては少し恥ずかしかった。
「僕には…無理、だよね…」
サッカー部へ入るのを諦め、僕はその場を立ち去った。