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魔具師になったら何をつくろう?  作者: アマクニノタスク
北の森のダンジョン編
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第57話 今後の研究課題

「師匠~、車輪だけ貰って何するんですかぁ?」


「ん~、ちょっと実験をな。」


お風呂に続き、大工のゲンガーさんに注文しているのが荷馬車だ。今はその荷馬車の車輪を先に貰って来て運んでいる。

トラちゃんが2つ、俺とサラで1ずつ。予想以上に重かった。我が家までは後少しだ、頑張ろう。


汗だくになりながら車輪を工房へ運び入れた。

季節は夏、四季による温度の変化はそこまで激しくないのだが、屋外で作業すれば汗が噴き出る。

サラはすぐにシャワーを浴びに行ってしまった。お風呂を作って以来、サラはよくシャワーや入浴をしている。魔玉の消費が地味に増えているのだが、年頃の女子の身だしなみに口出しするのは野暮だろう。

俺は大人しく研究を続ける。


今、研究をしているのはタイヤだ。

馬車で移動すると振動でお尻が痛くなる。

王都や帝都など遠出したいと考えているが、あの振動に耐えなければと思うと、二の足を踏んでしまう。

それを解消すべく研究を進めているのだ。


目指すはゴムタイヤ。

タイヤの構造なんて自転車のパンクを修理した時ぐらいにしか見た事ないので、悪戦苦闘中だ。

とりあえず、タイヤが黒いのはゴムに炭素を加えて耐久性を上げているからだと聞いた事があるので、ゴムと炭素の配合から研究中である。

炭素は木炭から精製スキルを使って用意している。配合率を変えて色々なパターンで試験を続けている。

構造は車輪の外側を削って溝を付けて、そこに空気を入れたチューブを置いて、更に包み込むように外側からカバーで覆う様にしたい。

しかし、まだ実験用のゴムが乾いていない。もう少し乾燥させたい所だ。



「待っているのも暇だし、出掛けるか。」


サラはまだシャワー中かな?



「サラー!ちょっと出掛けてくるからー!」


「えー!また、どこか行くんですか?」


「うん。サラは留守番してていいからー!」


「私も行きますよー!ちょっと待ってくださーい!!」


少し待っていると、サラが着替えてやって来た。



「お待たせしましたー!」


白い半袖のブラウス、よく見ると第2ボタンを閉め忘れている。隙間からは谷間がチラついている。



「サラ、ボタンを閉め忘れてるぞ。」


「えっ!?」


下を向いて確認するサラ。

俯いているのに、みるみる赤面していくのが分かる。



「師匠のエッチーーー!!」


なぜだ?親切に教えてあげたのに。

理不尽な暴言も黙って受け入れよう。

だって良いものが見れたのだから。



「それで、どこへ行くんですか?」


「マルチの薬屋だよ。」


「何か買うんですか?」


「ちょっと相談にね。」



カラン カラーン


「いらっしゃいませ。あらっ、ガルドくん、それにサラちゃんも、二人揃ってどうしたの?」


「マルチさん、お久しぶりです!」


「サラちゃんは相変わらず可愛いわねぇ。」


「そんなぁ~。マルチさんこそですよ!」


「あー。お取り込み中に悪いけど、いいかなぁ?」


「あっ、ガルドくん。ごめん、忘れてたわ。今日はどうしたの?」


「マルチに相談があってね。」


「あら、何かしら?」


「石鹸なんだけどさ。体を洗う為の石鹸って作れないかな?」


「あら、あるわよ?」


「えっ!あるの?」


「ええ、うちで使う用に作っているわよ。」


「そうなんだ。販売はしてないの?」


「販売しても売れないからねぇ。うちはビグルが森に入るのに匂いを消す為に使うから作ってるけど。」


「なるほど。どんな物か見せて貰える?」


「ええ、待っててね。」


見せて貰った石鹸は簡素ながら肌に悪そうな成分は含まれていなかった。

逆に言えば、もっと改良の余地はあるって事だな。



「俺にも売って貰えるかな?」


「そんなので良ければ構わないわよ?」


「ありがとう。それと石鹸をもっと改良したいんだけど、できるかな?」


「でも、商品としては売れないのよ?」


「今はね。いずれ入浴やシャワーの習慣は普及するよ。マルチも良ければうちのお風呂を使ってみると良いよ。」


「えっ!ガルドくん、お風呂作ったの?」


「うん。先日に完成したばかり。サッパリして気持ち良いぞ。」


「私もお風呂が大好きです!」


「そうなんだぁ~。じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかなぁ。」


「それじゃあ、明日の夜でどうかな?」


「ええ、大丈夫よ。お願いね。」


「うん。準備しておくよ。」


「でも、石鹸ってそんなに重要なの?」


「勿論。汚れを落としたり匂いを消したりする以外にも、肌に良い成分を配合すればもっと肌が綺麗にスベスベになるし、髪にも良い物を作りたいなって考えてるんだよ。」


「師匠!それは本当ですか!?」


「えっ?何が?」


「もっと綺麗になれるって話です!」


「う、うん。肌から良い成分が取り込めるからね。髪も同じだよ。」


「へぇ~。さすがガルドくんは面白い事を考えるのねぇ。女性としては綺麗になれると聞くと興味出ちゃうわね。」


「ですよね!マルチさん!!私も興味津々です!!」

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