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魔具師になったら何をつくろう?  作者: アマクニノタスク
町おこし編
22/105

第20話 パーンバンブーを伐採しよう

パーンバンブーまであと3メートル位の距離だ。

これ以上近づくと破裂するかもなので、ここで準備をする。

リュックから鋸を出しておき、銅鑼を構える。

深呼吸して、全力で打ち鳴らす。


ジャーーン


銅鑼を手放し、鋸を持ったら急いでパーンバンブーを切る。切る。切る。

切れたらリュックを置いた方向へ蹴り倒す。

2本伐採した所で離脱する。

2本のパーンバンブーを引きづり少し離れた場所へ移動して枝を落とす。

そしたら次は節ごとに切断していく。

たまに火薬の入った節があるので火薬は袋に入れて集める。

その作業を繰り返し4本分のパーンバンブーを獲得した。

切り出した竹材をロープで束にしていると森側の奥の茂みが揺れだした。


警戒していると茂みから猪の魔物が現れた。

牙持ち猪のファングボアだ。

しかも後からもう1体出てきた。

こっちは牙無し猪のスタンピーボアだ。



「ヤバイな1体でも精一杯なのに。」


急いでリュックからゴーレムの札を取り出して魔力を流し地面に置く。

光の魔法陣が現れて土が盛り上がっていく。

高さ2.5メートルぐらいの粘土質な泥人間が現れた。



「ゴーレム頼むぞ!」


ゴーレムが頷いた。

喋れないけど意思の疎通はできるようだ。


ファングボアが雄叫びを上げて突進して来た。

ゴーレムが進路を塞ぎ、ファングボアを受け止める。



「ナイスだ!そのまま抑え込んでおいてくれ。」


ゴーレムが両腕でファングボアを捕まえる。

暴れるファングボアの牙がゴーレムに突き刺さるがゴーレムには効かない。


今のうちにもう1体を何とかせねば。

スタンピーボアは俺を睨んで今にも突進して来そうだ。蹄で地面を蹴ってやがる。


地面に置いた吹き矢を手に取る。

目線を外した隙にスタンピーボアが突進して来た。



「うおっと」


何とか躱せたが、せっかく束にした竹材が蹴られて解けてしまった。



「チクショー、喰らえ!」


吹き矢を発射するとスタンピーボアの横腹に刺さった。


「フゴォーー」


スタンピーボアが怒りの咆哮を上げた。

矢は刺さったが脂肪が厚いのかダメージも痺れ薬の効果も薄そうだ。

再びこちらへ突進して来る。

近くの石を投げつけて進路を逸らして何とか躱せた。

スタンピーボアが反転に手間取っているその隙に吹き矢を準備する。


鼻息荒くこちらを睨んでいるので、その鼻頭を狙って吹き矢を発射する。

今回は狙い通りに命中した。

鼻頭に矢が刺さった痛みで顔を大きく振ってやがる。

これで正面からの突進はできないだろう。

そう思っていたらスタンピーボアは突進して来て、体の側面を使ってタックルを放った。

回避できず吹き飛ばされた。

木の幹に激突し背中を強打する。



「がはっ。」


一瞬息が止まった。

痛いし胸が苦しい。



「はぁ、はぁ、はぁ。」


ヤラなきゃヤラれる。


突進してくるスタンピーボアにこちらも突進する。

スタンピーボアが側面タックルの動きに入ったタイミングで俺は急停止してバックステップする。

空振りしたタックルを躱し、鼻頭に刺さった矢を掌底で押し込む。


悶絶してその場で暴れるスタンピーボアから離脱してリュックから魔導玩具のナイフを取り出す。そして銅鑼の枹の先端にロープで固定する。簡易的な短槍を作った。


これで悶絶していたスタンピーボアの尻を突く。深くは刺さらなかったが問題ない。

電流発動の魔力を流す。木材は魔力伝導率が悪いので発動までにタイムラグが出る。

その瞬間で手を放しておく。


バチン バリバリバリ


電流がスタンピーボアを襲う。

放心状態だが気絶まではしてないので念のためにもう一発。

ようやく気絶して倒れたのでナイフでトドメを刺す。


ひと息つきたい所だがゴーレムの方を見やるとゴーレムの粘土質の体が結構削られている。

腕にヒビも入っているし限界は近そうだ。

急いで短槍を持って走る。



「もう少し頑張ってくれ、ゴーレム!」


ファングボアもかなりバテているようだ。

動きの鈍い脇腹へ遠慮なくブスリと突き刺す。

魔力を流したら俺は逃げる。


電気ショックでファングボアは意識を朦朧としている。

ゴーレムは土なので平気そうだ。

もう一発お見舞いしても気絶しなかったのでさらにもう一発と思い魔力を流すが発動しない。



「あれ?」


どうやら魔玉の魔力が尽きたようだ。

仕方ないのでナイフでトドメを刺そうとするが最後の抵抗とばかりに暴れるので苦労した。

ゴーレムに抑えて貰っているので何とかトドメを刺す事ができた。



「ゴーレム、ありがとう。」


ゴーレムがファングボアを手放して少しすると崩れて土に還った。

ギリギリまで頑張ってくれたよ。


散らばった道具を片付けて竹材をロープで縛り直したその時、またしても森側の茂みが揺れた。



「ま、まさかね・・・」

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