決闘という物騒な単語が出てきましたけど……
「今日はここまで。明日から授業始まるからちゃんと準備するように!」
そう言って担任であるダグラス先生は教室を後にした。
『どうやら先生の名前はダグラスって名前らしい。オリエンテーションが始まると早々に前の黒板にデカデカと『ダグラス』って書いていた。なんかその光景を見ていたら一瞬この学校は魔法学校なのかと疑ってしまいたくなった』
黒板に名前をデカデカと書くなんて、少し時代が違うもんな。
金○先生とかの時代?
それを魔法学園でやられちゃな。
気も萎えるな。
俺が書いたんだろうけど、シュール過ぎて笑えない。
とまぁそんな感じで始まったオリエンテーションも終わり、今日の日程は終了となる。今日は入学式とオリエンテーションだけで明日から授業開始という流れだ。
今日のオリエンテーションはこの王立魔法学校も全寮制という事で寮生活における注意点とか授業の流れの説明だった。
『この異世界に来てから前の学校で寮生活しているしその辺は問題ない。ただ戦士学校と違うのはここは最高峰の魔法学校という事もあって生徒に与えられる部屋が一人一部屋。そして、お風呂トイレ付の1LDKだという事だ。さすが、金持ちの通う学校、規模が違う。正直、戦士学校の時に使わせてもらった特待生の部屋より凄い。俺は最初見て驚いたけど、周りのみんなはなんの反応もないから、おそらく違和感がないのだろう。きっと金持ちが集まっているから自分の家にある部屋はこれ以上に大きいんだろうな。
とまぁ部屋が豪華なところ以外は門限もあるのも同じだ。
その門限の話になった時にやたらダグラス先生が俺の方を見てきた。
確かに俺は前の学校で前科持ちだけど……理由もなく門限は破らないよ? といった事を視線で訴えといた。
まぁそれが通じたか分からないけど。
あと、授業のカリキュラムは戦士学校と同じで午前中は座学で昼から実技らしい』
俺は君が対応できるなら、問題ないです。
ただ痛いのとかは嫌だけど……まぁそれは書いてた時の俺次第なんだけどね。
それにしても門限か……そのセリフは前フリな気がするな……。
いずれ、『今こそ門限を破る時!』みたいな展開がありそうだな……。
「ライト君、また明日ね!」
「ラ、ライト君、また明日よろしくです」
「うん、また明日!」
そう言ってセリスとリノアは帰って行く。
『……女の子と帰りの挨拶……やっぱりいいもんだ。
そう、こういった学園生活を俺は望んでいたのだ!
そしてこれから距離を縮めていく為に心の中では呼び捨てにしよう。……いや、セリスが呼び捨てでっていった以上、普段も呼び捨てのほうがいいか?
まっ、その辺は成り行き次第だな』
そこのタイミングは空気見てやってください!
心の中は誰も聞いてないし呼び捨てしちゃえ!
あっ、俺が聞いてるか。
でも、問題ないっしょ。
「さて、俺も帰るか!」
俺は入学式の挨拶に疲れたのもあって部屋でゆっくり休もうと教室を出る。
俺は遠巻きに俺を見ている女子生徒の視線を感じながら廊下を歩く。
『これはハーレムの予感? ……いやいや、俺にはリノアという女神が……浮気しちゃだめだ。それにリノアはこの可愛い子揃いの学園の中でも目立つくらい可愛い。そんな子といい感じなのに血迷ってはいけない。
二兎追う者一兎も得ずだ。俺はリノア一筋で行く! ……フラれるまでは。今はいい感じな気がするけど、そんな時に告白してもダメだったって話は聞いた事がある。だから、フラれるまでは一筋で行こう。『ずっと』なんていうとストーカーみたいになるし、相手にとっても重いだろうしな。
とりあえず今は恋愛を楽しもう』
……人の心の中の葛藤って聞いちゃいけない気がする。
小説では必要だろうけど……小説のキャラにプライバシー保護も何もあったもんじゃないよな。
……いずれそんな時代が来るんだろうか?
……いや、ないだろうな。
あったら心理描写なしで感情移入も何もあったもんじゃなくなるし。
「おい!」
俺が心の中で勝手に女神とかフラれるまでとか言ってイタイ奴になっていると不意に呼び止める声がする。一瞬俺と違うんじゃないか? とも思ったけど、俺の前には誰もいない。だから、俺じゃない事を願って後ろ振り返ると俺とばっちりと目の合う人物がいた。
『あ~順調だったのももう終わりか』
俺もそんな気がします……。
俺ってやっぱり自分には厳しいタイプだったんだろうか?
……いや、憑依するなんて思ってなかったし違うか。
「何? 何か用?」
自然と出る俺の言葉。
『あ~なんでこんな喧嘩ふっかけるような感じに……絶対前の学校の影響だな』
正確には作者の影響だと思います。
「さっきはよくも俺をバカにしてくれたな」
俺を呼び止めたのは、さっきの入学式で俺に足をかけた奴で、その両脇には取り巻きの二人がいる。
『あ~これ絶対めんどくさいパターンの奴だ。
なんで楽しい学園生活を送ろうって時にこんな事してくるんだろう?
でも、そういえば前の学校で途中入学すると同時に絡まれたっけ。
あの後いろいろあって友達になったけど。じゃあこいつも俺の友達になるのか?』
俺よ、この言葉はフラグでしょうか?
普通に考えたら絡んできた奴と仲良くなるなんてあまりない話だけど……。
とりあえず、めんどくさいパターンなのは間違いない……と思う。
なんか……ごめん。
「そうだ! マルコ様をバカにするなんて許せない!」
「おまえは何様のつもりなんだ! マルコ様の家柄を知っているのか!? バードラ家、伯爵だぞ!」
『はぁ~出た出た。
やっぱりどっかの貴族の偉いさんか。
こう言う奴に限って親の威光を使って取り巻きを作っていろいろ面倒を起こしてくれるってお決まりだもんな。
でも、それっていかにも自分が無能って言ってるの分かってるのかね?』
それ絶対言葉にしちゃダメだからね!?
言わないよね!?
「いや、バカにするも何も感謝したんだけど? なんならもっと感謝しようか?」
『あ~ダメだ。
俺も心のどっかで楽しい学園生活の始まりを邪魔をされてイラついてるんだろうな。
これ完全にケンカ買う口調だもんな。
まぁこの学校に来てからは、周りが同じ年だからってのもあるかもしれないけど。
前の学校では同じ学校でも一個上ばっかりだったから、心のどこかでブレーキが勝手にかかってたのかもしれないな』
OH~……それもダメだって……。
心のブレーキかけられないと問題のある子になるよ!?
「貴様っ!! 言わせておけば……っ!!」
マルコは顔を赤くして怒っている。
『あ~やっぱり怒らしてしまったか。でも、この状況どうして収拾つけようかな?』
……ひとつ言わせてくれ、言ったのはおまえだ!
……そうさせたのは俺だけど。
「もめ事なら決闘したらどうだ?」
俺がどうやってこの場を収めようか思案していると、アレクとシリウスが騒ぎを聞きつけ、シリウスは面白くなさそうな顔していて、アレクはえらく笑顔でやってきた。
『あの顔……アレクの奴……きっとこの状況楽しんでいるな? くそ! 後で覚えてろよ! っていうか決闘ってなんだ? そんなの学校で公にやってもいいもんなのか?
マルコが怒っている事より、そっちの方が気になる』
決闘はきっと俺が物語を面白くしようとしたシステムなんだろうけど……怒っているマルコよりそっちの方が気になるってえらい薄情だな。
まぁ俺がそうしたんだろうけど。
でも、決闘……こわい……。




