表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夕焼け

作者: ヘンプ

私は、「夕焼け」が大嫌いだ。

なぜかって?···私にとっては『死』を連想させるから。

あの沈み行く日。

オレンジ色に染まる空。

沈むに連れて暗くなる空。

暗くなれば何も見えない。生きる指標すら見えない。

あぁ、また思い出した。いつまでたっても忘れられないあのときの『死』が。


~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~


あのとき私は幼かった。

何も知らないまま母の病院のお見舞に行っていた。

母は私がいつ帰ってくるのと聞くと、困ったような顔をしてもう少しで帰るからねって言っていた。

私はそれを信じて母が帰ってくるのを待っていた。

帰ってくることを指切りをして約束だねって言って。

確か父はそれを見て母以上に困った顔をしていたように思う。それでも父は何も言って来なかった。

その約束を私はお見舞に行く度にしていた。

そんな小さな約束。

私は小さな約束が破られるなんて思っても居なかった。

母の容態が急変したのがおやつ時の午後3時過ぎ。

私はその時もお見舞に来ていたのでそれを見ていた。

父が慌ててナースコールを押していた。

私は急すぎたので理解していなかった。母がどんな状態なのか。

バタバタと医師や看護師が入ってきた。

そうして部屋から追い出される。

まあ、医師たちは最善を尽くしたんだろう。

母は夕焼け時に亡くなってしまった。

幼い私は母が死んだと聞いて頭が真っ白になった。

真っ白になった頭で考えていたことは「夕焼け」が母を連れ去って行ったように思った。

私の大好きだった母を。

「夕焼け」を私は心底憎んだ。

行ってしまった母を連れ戻したくて。

必死に窓の外の「夕焼け」に手を伸ばして。

あとから父に聞いたところ私はその時何も言わずにただ窓の外に手を伸ばして「夕焼け」を睨み付けていたという。


~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~


まぁ、簡単なことだ。「夕焼け」の頃に母が死んだから私は「それ」が大嫌いだ。

だから私は「夕焼け」を見て『死』を連想する。

それは何年たっても変わらない。


もう一度言おう。


     「夕焼け」は大嫌いだ。

読んでいただきありがとうございます!

もしかしたらこの設定を使って長編を書くかもしれませんが、書くか分かりません。

もし、リクエストなどがあったらまたください!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ