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堕ちたイカヅチ~紅蓮の雷~  作者: 申請なる紙。
第一章 覇者の誕生
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大人の話?

「・・・ん、朝か。」

鳥がなく声が聞こえ、僕は目を覚ました。窓から朝日の光が入ってきて眩しい。

「10時に客室だったよ・・・ね・・・。」


僕はかぶっていた毛布をどかしそしてある時に気がついた。そして唖然した。なぜなら。

「zzz・・・。」

シアが隣で眠っていた。困惑の中僕は必死に整理する。昨日あのままシアが気絶したため、僕はシアを彼女の部屋に運んだ。そして僕も自分の部屋に戻りそのまま寝た。そう。普通に寝た筈なのだが。なぜかシアはここにいる。

「・・・可哀想だしそのまま寝かせてあげよう。」


静かな寝息を立てる彼女を起こさないようにベッドからでる。アレストさんに何て説明しようか・・・。悩みながら時計を見る。今は7時。あと三時間程ある。僕は本棚を動かし、扉を開ける。これは偶然見つけた地下に続く扉で、地下にはたくさんの本がある。

僕は階段を降り、地下に付いた後本棚から幾つかの本をとる。


「誰でもできる社交術!っていう本か・・・もう一回基礎から勉強しようかな。」

僕はそういう本を3冊程取ったあとに、地下から出た。扉を開けるとまだシアは眠っていた。

「さて、10時まで勉強しようかな。」


右手でページをめくり、目次から見る。えーと・・・。

「女性を落とす男の会話術?社交術の本だと思うけど・・・まいっか。」

さらにページをめくると色んな事が書かれてある。

「人と接触する時に微笑で人あたりがいいように思わせる。女性の顎を撫でるようにして、耳元で優しく色っぽく呟く?まぁ優しく言えばいいのかな?たぶん・・・。」


さらにページを進める。


「ベッドにいる女性にアタックする方法。女性を押し倒し右手を女性の顔の真横に置き、息を荒くし笑顔を崩さないまま「・・・激しくしちゃおうかな。」と優しく言う。・・・本当かなぁ?」

丁度ページをめくろうとする時、シアが目を覚ました。

「・・・ん?あ、レムおはよう。」


シアがベッドから上半身を起し、眠そうな顔で僕に挨拶をする。僕は彼女相手に試してみようと思い、まず微笑する。それだけでシアの顔は真っ赤になる。だが僕はそれを無視して、彼女の顎を撫でるように触れる。シアは気絶寸前だった。そして僕は口をシアの耳元に近づけ、


「・・・おはよう、シア。」

と、優しく呟いた。それだけだったが、彼女はそのままベッドに倒れた。

「どどどどうしたの!?レム!なななな何かおかしいよ!?」


焦っているのに抵抗しないシアの顔の横に手を置き、彼女の顔に近づき息を少し荒くして、

「・・・激しくしちゃおうかな。」

と言った。するとシアは顔を紅蓮のようにして、「きゅう。」と可愛く鳴いて気絶した。時計をみるとまだ7時半だった。僕はさらにページをめくっていった。



シアが何度も気絶したのは言うまでも無い。






「・・・・おっともう9時半か。そろそろ準備しなきゃ。」

もはや死んでいるんじゃないかと思うくらいに気絶しているシアを横に、僕はお気に入りの服に着替え、部屋をでる。今日はまさに晴天だ。昨日とはだいぶ違う。切られた左腕の痛みもなく、火傷の痛みも完全に消えたようだ。

「左腕は完全になくなって・・・僕はどうなるんだろう。本当にこれでギルドなんかに行けるのかな?」

そう心配している内に客室の前にたっていた僕。そのままノックし、ドアを開ける。

「来たか、レム君。」

さっそくガイアさんが迎えてくれたようだ。

「おはようございます、ガイアさん。」


その挨拶に、ガイアさんも、「おはよう。」と言う。前よりもだいぶ砕けたようだが。

「それで、渡したい物とはなんです?」


「まぁまぁ、待ちたまえ。君にはこれから幾つかの問題をだす。それに答えられたら渡すとしよう。」

抜き打ちですか。まぁいいけど。


「わかりました。」


「うむ。では・・・この世界について説明してもらおうか。」


「はい。まず、この世界には3つの大陸があり・・・

一つは我々の住むレアリア大陸。この大陸は、3つの王国とそれらを統べる皇国があり、一つは僕らのように魔法が発達した此処‘‘メザルト王国‘‘で、レミア家、スラル家の主力貴族と王が協力して統治しています。そして2つ目は、技術が発達した‘‘ラギマ王国‘‘魔法機械など、様々な技術がある中、魔力が少ない国。そして、アルザ家、フィア家と王が統治している国です。そして最後は魔人、亜人、獣人などが暮らす‘‘レシアル王国‘‘。ここではクルトスク家、レマ家と魔王と呼ばれる王が統治している王国。

そして最後に3つの国を統べる皇国、‘‘ウィリトスク皇国‘‘ここでは・・・ルウラ家とジュレア家が右翼、左翼を務めていて、そして王のアグゼリダ皇王。これがレアリア大陸。

そしてもう一つの大陸を最大魔法大陸であるゼグド大陸。彼らと我々は敵対関係にあり、何度も戦争を繰り広げてきましたが、今だ決着はついていません。

そして何よりも最後の大陸。しかしこれは伝説とまで言われており、本当に実在するかさえも分からない大陸で、未開拓大陸とよばれてます。」


一気に話したから疲れた。僕は一息着き、ガイアさんの方を見る。するとガイアさんは満足げな笑顔で

「素晴らしい。よく言えたな。では、約束通りこれを渡そう。」


騎士の人が僕に大きな箱を手渡した。なんだろうと思い、箱を開けてみると。

「これ・・・何ですか?」

騎士がつけるような甲冑のような物、そしてチェーンが付いた短剣、さらに長身の剣が入っていた。

「まぁ説明しよう。まずこれはヴァンブレイズとガンレットを組み合わせた魔法機械だ。これに魔力を流すと、腕のように動く物だ。君の左腕の変わりになるだろう。とても上部な金属でできているから壊れる心配はほとんど無い。そしてこれはチェーンダガー。腕にチェーンを巻きつけ装備する短剣だ。最後にこれは魔剣だ。真ん中に精霊が入る宝石を埋め込んでいる。君の精霊を此処に入れ、力を発揮することができるだろう。」

凄い時代だ。と僕は思った。こんな物まであるとは思いもしなかった。僕は笑顔で「ありがとうございます。」とお礼を言い、箱からまずヴァンブレイズとガンレットの付いた魔法機械を手に取る。


「それはすぐい使えるぞ。人は切断された部分にでも魔力を流している。それを利用したのがそれだ。」

僕はすぐ左肩にはめてみる。はめたと同時に、指を動かしてみた。そして手で触れると。

「感覚まであるんですか・・・。」

素直に驚いた。普通感覚までは分からないと思うのだが。


「ふ、それは最新の魔法機械だからな。これでより普通の腕に近づいたのだ。」

ガイアさんが偉そうに言う。あなたが作ってはないですけどね。

「・・・このチェーンダガー、暗殺用の武器ですか?」


「ああ。チェーンで伸ばしたり縮めたりすることができる。うまく使いこなせば最大の武器になるだろう。」

そして僕は魔剣を手に取った。

「軽い剣ですね。」

そう言うと、ガイアさんは苦笑いをしてこう言った。


「はは、それは10㌔近くある剣なだが・・・すごいな君は。」

どうやら僕はやらかしてしまったようだ。


「こんな素晴らしい物をいただき、幸せです。ありがとうございます、ガイアさん。」

僕が頭を下げると、ガイアさんは優しい笑顔で、

「気にする必要はない。私は君が正しき道へ進んでくれるなら嬉しい事だからな。」


僕は少し嬉し涙を流しながら、ガイアさんにお礼を言っていると、アレストさんが来て、

「なぁレム。シアが顔を赤らめたまま目を覚まさないんだが・・・何かしたのか?」

不思議そうに僕を見るアレストさん。するとガイアさんが、

「ああ、それだったらさっきセリアがかなり怒っていたんだが・・・理由をしっているか?」


「・・・もしかして。」

僕は朝の出来事を話した。するとアレストさんは驚いていて、ガイアさんは笑っていた。

僕の話が終わると、ガイアさんが、

「まぁ先にセリアの所に行くといい。」

と言われたので、僕はセリアさんの部屋に向かった。そして何故かセリアさんに怒られた。

丁度そのころ、アレストさん達はこんな話をしていた。

「いやーまさかレムがあの地下を見つけていたとは・・・まいりましたな。」


「どうしてですか?」


「いや、あの本実は表紙を別にかぶせているだけで、中身は全く違うものなんですよね。」


「なる程。」


「まぁ教える必要はないでしょう。面白いですし。」


「その方がよろしいでしょうな。」


そう笑うふたりの男達がいた。

次で幼少期は終了です。

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