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堕ちたイカヅチ~紅蓮の雷~  作者: 申請なる紙。
第一章 覇者の誕生
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騒がしき時

僕は何とかシアをベッドに寝かせ、近くの本棚にすがり体制を立て直した。左腕と右目の痛みも消えていた。どうなっているのだろうか。普通なら出血多量で死んでいてもおかしくない状況だったのに。

「・・・とりあえず、ガイアさんのいる客室に行こう。」


ドアを開け、廊下を歩く。いつもどおりの宿の筈だが、やけに空気が重々しい。窓の外を見ると雨が降っていた。そして僕はこれからの事を考えていた。左腕を切られてしまい、これから何ができるのだろう。幸いにも、右目の視力は失っていなかった。変わったといえば、目の色だろうか。


目の真ん中を囲むように円があり、さらに外側には均等に斑点がある。赤色で充血というのとまた違う色をしていた。窓に映った自分の髪を見ると、前よりも髪が伸びていて、右目と火傷を隠すかのようにたれかかっている。

「・・・はぁ。どうなる事やら。」


気づけば客室の目の前に来ていた。僕は姿勢を正し、いつもの営業スマイルに切り替えてドアをノックする。すると、ドア越しから「入っていいぞ。」という声が聞こえドアを開ける。

「失礼します。」


「すまないね、レム君。・・・いや、ルウラ・ラウ君。」


まるで挑発するかのようにガイアさんが言うが、その程度僕は動じませんよ。僕は微笑しながら言った。


「その名前はもう捨てましたよ。ガイアさん。」


その返答にガイアさんも笑う。

「ふっ、そうか。それは失礼な事をしてしまったな。詫びよう。」


そして何よりこの空気に完全に固まっているアレストさん。さすがに可哀想か。

「それで、僕をお呼びになった理由を教えてください。」


僕は話を本題に戻す。するとガイアさんは笑顔を消し、真剣な顔になった。

「唐突に言おうレム君・・・君の力は危険すぎる。」


「ええ。それは承知しています。」

もちろんだ。自分でもわかる。この力ぐらい。


「本来追放者というのは処刑でもおかしくないこと・・・君もわかるだろう?」

そう。追放というのは処刑と同じような事。本来は飢えて死ぬ者がほとんどだ。


「はい。ですが僕は生きている・・・という事に問題がお有りですか?」

理不尽だが本当は問題がある。特に僕のように家を追放されるものは・・・。だが僕はあえて知らないふりをした。

「問題はあるさ。察しがつくだろう?家を追放され生き残っていた者の末路を。」


「・・・反逆ですか。」


「そうだ。反逆は最も重い罪。そしてその危険因子はすぐにでも無くさねばならない。」

あまりにも理不尽だが、仕方のない事だ。歴史がそれを証明しているのだから。


「ならば僕を今此処で殺しますか?」


「・・・。」

僕の質問に沈黙するガイアさん。それに対し僕も沈黙する。暫くその時間が続いていたが、アレストさんが口を開いた。


「そんなこと・・・そんなこと間違っています!いくらレムがあのルウラ家の子とはいえ、今はもう私の大事な子供です!もしレムが殺されるのならば私は皇国が相手でも戦いますぞ!」


アレストさんが叫ぶ。僕はこんなにも思われていたようだ。あの父親とは違う。この人はとても優しい人だ。そして僕はガイアさんを睨んだ。

「・・・こんな優しい人を騙すなんて人が悪すぎですよ、ガイアさん。」


すると、ガイアさんは申し訳なさそうな顔をしてアレストさんの方を見た。

「・・・すみませなアレストさん、騙すような事をして。」


するとアレストさんは力が抜けたような顔になった。

「・・・へ?」


「まぁ本来は処刑かもしれない・・・だが、この世界には罪を逃れる方法はいくつもある。あなたもその一つをご存知のはずだ。」


「まさか・・・エスケープ型ギルド・・・ですか?」

エスケープ型ギルド。もちろん本来のギルドでもある。ギルドは国に縛られない組織機関。そこには国も手を出せない程に。だがもちろん罪人ばかりをギルドは受け入れられない。そのため、罪人がギルドに入るため。それは証人が必要なのである。そういうギルドの入り方をエスケープ・ギルドという。


「そう。その証人に私がなりましょう。彼と出会ったのもまた運命。そして彼を正しい道に歩ませる事もまた宿命。それはあなたも理解しているでしょう?」


「・・・はい。ですが、レムはまだ12歳ですが・・・。」


「それなら心配いりません。ギルドの年齢制限はあくまでの事。何かあれば保険がかかるのが15歳なだけで、保険が必要ないのなら12歳でもはいれまよ。それに、保険くらい此処で負担します。」


「あ、ありがとうございます!」

歓喜の声を上げ、頭を何度もさげるアレストさん。僕も正直に嬉しい。


「それに・・・シアさんもギルドに入れるようにしますか?」

その言葉と同時にアレストさんは僕の方に向く。僕は「危ないですよ。」というのをアイコンタクトした。だが・・・。


「・・・レムがそいうのなら、お願いします!ガイア様!」


「え?あの・・・アレストさん?」

僕の困惑にもどんどん話を進める2人。


「ふふ。将来が楽しみですね。」


「ええ。」

笑いながら話をすすめる2人。そしてガイアさんがああ、忘れていたといい、僕に向かって言った。

「レム君、君は学校には行くのかね?」


「いえ・・・今の所予定はないですよ。」

学校だなんてゴメンです。


「君が16歳になったら、娘と一緒に学校に通わせてあげよう。」

余計なお世話です。ガイアさん。そう言おうとしたが、アレストさんにさえぎられた。


「なら、私の娘もですな。」

ガハハハハハと笑うアレストさん。もう僕はこの空気について行けなかった。そして決心した。こんな理不尽には二度と振り回されないと。


「お父様、ホントですか!?」

急にドアが開き、僕は驚いたまま音の方を見るとセリアさんがいた。そして彼女は嬉しそうに僕の手をとり、


「16歳の時、必ず待ってますね!レム様!」


シアと一緒に行けるのが楽しみなのか、と僕は思った。そして彼女の嬉しそうな顔をみて

「よろしくお願いしますね。セリアさん。」

と、笑顔で言うと彼女は急に赤くなり僕の手を離した。・・・笑顔が気持ち悪かったのだろうか。少し傷ついた。そしてそれに不意打ちをかけるが如く、シアがくる。


「レム!一緒に頑張ろうね!」

いつから聞いていたのか。僕はそう思った。さっきまで寝ていた筈なのに。シアは耳がいいんだろうか。だが、僕はさっきまで彼女に心配をさせていた事のお詫びにまた抱きしめた。

「ごめんね、シア。心配かけて。僕はもう大丈夫だよ。ありがとうね。」


そう耳元で囁くと、彼女はさっきよりも顔を赤らめ、そのまま気絶した。それを怒ったかのような目で睨むセリアさん。そして楽しむように見るアレストさんとガイアさん。



暫くして、ガイアさんは「もう遅いし寝ようか。セリア。」と言って部屋をでる間際、僕に

「ああ、レム君。明日この件について細かく話し合おう。10時にまた此処に来てくれ。ついでに君に渡したい物もあるからな。」

そう言って部屋を出た。そして僕は社交術などを極めようと思った瞬間だった。明日からこの宿にある本を全て読んでいつか見返します。と、ガイアさんに誓った日でもあった。

世界感などの設定は次話でします。

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