学園
本編突入!
「ギャオオオオオ!」
4つもの巨体が暴れまわる。大量の血が飛び散りる。そして声をかき消すように轟音が響く。紅蓮に輝く雷がその巨体を焼き尽くす。巨体の魔物はネオ・オーガ。SSランクの魔物で、その巨体からの圧倒的力は村一つを破壊するのもたやすいものである。しかし、そのネオ・オーガはいともたやすく殺されていく。
「1頭目討伐。」
剣を振るい、それに合わせるように魔法を唱える。肉を切り裂く鈍い音も俺にとっては心地良い響きだ。そして俺は攻撃をさらに増す。何度も何度も斬り、動けなくなった後に首を切る。
「レム、遊んでないで早く手伝ってよ!」
シアの声が聞こえる。一人で突っ走り過ぎたか。
「ごめん、今行くよ。じゃあヴィア、もう一匹よろしく。」
そう言うと、銀髪の女性が頷く。
「分かった。私に任せろ。」
俺はすぐネオ・オーガの方に振り向き、剣を構え、剣に魔力を宿す。そのままオーガの頭に飛び移り剣を突き刺す。
「アトミック・ライトニング」
そう唱えると同時に、すぐに腕に文字を宿したままもう一頭の頭に飛び、手を額にあて、魔力を流す。その間にも魔法が発動した。雷の轟音が響く。俺が地面に着地した頃にはもう一頭の頭は無くなっていた。巨体が崩れる音がし、剣を鞘に戻した俺は、振り向いた。
「ヤァァ!」
ヴィアが腕を振るうと、三日月の形をした風がオーガを切り裂く。丁度倒したようだ。
「お疲れ。シア、ヴィア。」
「お疲れ!」
「お疲れ。」
俺たちは互いの成果を労った後、ネオ・オーガの牙を取り、馬車に戻った。すると、隣に座っているシアがハイテンションで俺に聞く。
「そういえばさレム、明日はあの日だよね!私楽しみだなぁ・・・。」
頬を上気させ想像の世界にはいる美少女。彼女は俺の仲間で、兄妹でもある。まぁ単に俺が養子なわけだが。その様子にヴィアが呆れた顔でシアに言った。
「期待するだけ無駄だと思うぞ、シア。」
彼女はヴィア。元々はバンパイア・ハウンドである。俺とシアの初クエストの時、偶然会った魔物だ。俺とヴィアは死闘を繰り広げる中、他の魔物に勝負を邪魔され、ヴィアが傷を負い、俺が彼女を助けたのが理由なのか、ヴィアは俺に懐き今では一緒にこうしてクエストをこなしている。・・・最初は雄だと思っていたが。
「いいじゃんヴィア。学園生活って楽しいものでしょ?ね、レム。」
シアが期待の目で俺を見る。
俺はギルドに入り、4年の月日が流れた。俺達はどんどんクエストをこなしていき、今では世界に数少ないSSランクギルダーになった。この力をさらに引き出し、より強力な物にしていった。今ではだいぶ創者の力を習得した。もちろん剣や魔法も忘れずに。
「・・・俺にとっては、そうでもないかもしれないけどね。」
今日俺は学園に入学する。学校というのはあまりいい響きがしない。かつて、俺が学校に通っていた頃はいじめられていたものだ。そのせいで俺にとって学校は嫌悪感しか抱いていないのだ。
「そうかな?でも、私達が入学する‘‘ルジスト学園‘‘は凄いんだよ!何たってあの主力貴族の子供
達全員が入学するらしいんだって!きっと凄い年になるんだろうな~。」
彼女は俺が元主力貴族とは知らない。知っているのはアレストさんとガイアさんくらいだろう。何度も俺の力を見ているはずなんだがな・・・。ちなみにヴィアも入学するらしい。色々手続きがめんどkさかったが。
「2人共、そろそろギルドに着くぞ。」
ヴィアがそう告げる。いつの間にかギルドの前までにいたようだ。さぁ、めんどくさい事が起こらない事を願うか。
ギルドに着いた俺達は報酬を受け取り、テーブルに座った。
「暫くこのギルドともお別れだな・・・。」
俺は寂しくつぶやき、周りを見る。見渡す限り女、女、女。この街も相変わらずだ。だが、そんな中一人の男が此処に来る。
「よ、レム!相変わらずだな!」
シアにも負けない大きな声で挨拶する男。こいつは俺の友達のジェイだ。青い短髪が似合う奴で結構イケメンだ。
「ああ、ジェイ。どうした?」
「いや、明日俺ら入学だろ?だから今日は盛り上げるために皆で祝おうと思ってな。」
相変わらず盛り上がるのが大好きな奴だ。だが悪い奴では無い。むしろこっちも楽しませてもらっている。
「分かった。で、いつ頃にそのお祝いとやらはするんだ?」
俺がそう聞くと、ジェイはにっこり笑顔で
「おいおい、もうお祝いは始まってんだぜ!」
そう言うと、周りのテーブルに座っていた皆がジョッキを上に上げ、
「「「「「「「「レム君達の門出を祝って、乾~杯!」」」」」」」
と言ってくれた。その様子にシアは涙を流しながら、「皆、有難う!」と言い、ヴィアも恥ずかしそうに「ありがとう、皆。」と言った。
「有難う御座います、皆さん。」
俺はそう言ってジョッキを上に挙げた。それに乗りジェイも上にあげる。今日はいつもより騒がしくなりそうだ。
「よし、じゃあレム!今日はお前がいつもかぶっているフードを取れ!」
意気込むジェイ。だが、俺は遠慮した。火傷を見られてこの雰囲気を崩したくなかったからだった。だが、俺のそんな気持ちもいざ知らず、ジェイは「取~れ!取~れ!」と何度もしつこく言ってくる。それに便乗して周りの女性達も「取~れ!」と言ってくる。これは流石に取らなければいけない状況だと感じた俺はフードを取った。
「・・・・。」
盛り上がりが一気に冷めた。やっぱり取るんじゃなかったと思った俺。皆の顔を見ると赤くなっている。はぁ・・・やっぱり傷が怖かったのかなぁ。
「お前・・・スゲェな。」
ジェイの言った言葉が俺には理解できなかった。
暫くして、また盛り上がり始め、本格的なお祭り騒ぎになった。女性だらけだったが。何度も年上の女性にキスを迫られたのを必死に抑えるシアとヴィアの姿があった。
ーーーーーーー次の日ーーーーーーーーーーーー
俺は制服をちゃんと着こなしているかチェックした後、上からダイアスさんに調整してもらったポンチョを羽織る。制服の上に何か装備をつけるのは良いらしい。帽子をかぶっている人もいたりするので特に問題はないだろう。
「お、中々似合っているぞレム。」
「有難う御座います、アレストさん。」
ドア越しから俺の制服姿を見るアレストさん。この人とも暫しの別れである。少し寂しく感じるがいつまでも甘えている訳にはいかない。
「シアも準備できたみたいだ。それに、セリア様も来ているぞ。」
「ホントですか。まさか来るとは・・・。」
セリアさんは、俺がかつて助けた人だ。もう4年も会っていなかったので、どうなっているのか楽しみだったのだ。俺は荷物をまとめた鞄を持ち、ドアを開け、外に出た。すると3人がいた。そして銀髪の長い髪の少女が俺の方に走ってくる。
「お久しぶりです、レム様!」
「ああ、セリアさんひさしぶr・・。」
俺が彼女に挨拶すると同時に俺に抱きつくセリアさん。何か柔らかいものが当たっている・・・。
「私、今日という日をずっと待っていました!私、幸せです!」
まるでシアのようにはしゃぐセリアさん。シアの方を見ると、友達との再開の筈なのに微妙な顔をしていた。ヴィアに関しては怒っている。セリアさんから解放された俺は改めて3人の制服姿を見る。
「3人共綺麗だな・・・。」
微笑を加えながら3人を見る。すると俺の視線が気持ち悪かったのか、3人共顔を赤らめ下を向いた。俺の心に大ダメージ。だが俺はくじけずに話題を変えた。
「そういえば、ジェイは?」
「あ、ジェイだったら別の馬車で向かうそうだよ。」
顔を上げたシアが俺に言う。よし、場の雰囲気を戻したか。
「では、そろそろ行きましょうか。」
セリアがそう言うと、俺達は頷いて馬車に乗った。俺を挟むようにセリアさんとシアが乗り、俺の反対にヴィアが乗る。普通はヴィアが俺の馬車に座る筈なんだが、何故か恐い顔で睨み合う女性陣に俺は黙るしかなかった。
「あ、見えてきた!」
シアがはしゃぐようにいう。学園はウィリトスク皇国にあり、そして俺達の目前に巨大な城が見える。だがそれは城ではなくルジスト学園。約5000人という人数を抱える学園だ。
「さて・・・あいつらに俺の正体がバレなければいいんだが。」
俺は小さく呟いた。




