ラルスローレ

　精霊は取り憑いた人間に魔法をもたらす。

　2人兄弟の次男。ラルスには精霊が憑いていなかった。だが、兄のローレには憑いていた。ラルスはその精霊が羨ましくて、刺して殺してしまう。兄を殺した自分に何故か兄の精霊が取り憑いた。
　それからラルスは、兄さんを殺した事を悔やみ、苦しみ、自責し、苛む。
　それでも、自分に取り憑いた精霊がもたらす魔法は兄のように綺麗だった。
　そしてラルスは兄の、ローレ、という名前で、兄──ローレとして生きていこうとする。もちろん、彼がこれから入学する、テルカトーレ魔法学院では、ローレ、と彼は名乗るだろう。



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