表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

◇わたしと読み物と取捨選択と傷と

◇別サイトから転載

 わたしは、十数年のほとんどで趣味を読書と言ってはばからなかった。

 趣味と言えば読書で、他になにか挙げろと言われるとほんとうに困ってしまう。


 わたしという人間に、とにかく文章を読むという行為がこびりついているからだ。


 ツイッターとか、ネット小説とか、とにかく自分が面白いと感じる文章を読むということ。

 この行為を説明するのに、過去かなりの時間本を読み漁っていたという実績によって、読書が趣味だと端的に出力されてしまうのである。

 いまは前述のようにスマホでツイッターやネット小説ばかりを読んで、紙の本は未読のまま山の高さを変えていくくらいなものだから、それで読書が趣味だと言うのは間違っている気がするのだが、やはり他に思い浮かぶことも無いのだ。



 でも、最近自分というものの輪郭を、わたし自身がまったくと言っていいほどに知らないのだと思うようになった。


 わたしは読書が──もっと言えば、物語が好きだ。しかし、ハッピーエンドしか読めない。びっくりするくらい読めない。バッドエンドも、自分が好きな登場人物が貶しめられたりするものも。

 傷つくのだ。かなしくて、かなしくて。心に傷がつく。胸の奥が重く感じる。ふとした折に思い出してしまっては、気分が沈み、すこし苦しくなる。


 なぜか、自分は雑食だと思っていた。ネタバレも気にしないし、基本的になんでもおいしく食べられるのだと思っていた。


 しかし、よく考えたら実際の食事についても口に出したら好き嫌いが思っていた以上に多い。

 どうやらわたしは読書においても雑食ではまったくないし、合わない作品を読むとそこそこ繊細に傷つくようである。ネタバレも気にしないわけではなく、自分がそれを読んだらどうなるかということを把握していなかっただけのようだった。


 かなしいのだ。とにかく、かなしい。

 ああ、読まなければこんな気持ちには、と思うのに、読んでしまった過去はなかったことにはならないし、これまたかなしいことに読まない人と比べればそこそこ読んだ内容を覚えているほうなので、強烈であればあるほど強く頭に残りまくってしまう。

 リフレイン、リフレイン、リフレイン。

 そのたびに気持ちが沈んで胸の奥が重くなるのだから、やっていられない。


 あらすじを読んで取捨選択しなければやっていられない。

 そう悟ったはいいものの、スマホでの読み物はそのあらすじが無いものもかなりあるのだから、これからも度々失敗しては傷つくことになるのだろう。たすかりたい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ