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shadow  作者: 新垣新太
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ep0.ペンと鍵編・7話

丸茂と盾仲は遠真長官邸宅の玄関ドアを開けた。



ガチャ



広い廊下が真っ直ぐ玄関口から伸びている。遠くの方から聞こえるジャズがふたりの鼓動を早くさせた。



少し開くドアがあった。



丸茂 「僕が先に行くよ」


盾仲 「気を付けて下さい」





ズ、スゥ、ズ、ズズ



蔵島はうつ伏せで倒れる遠真長官の両足を持って隣の部屋へ運んでいた。その時、遠真長官のズボンから異臭が漂う。



蔵島 「ふぅ…尿ですか」



遠真長官の排尿を気にせず隣の部屋へ引きずろうとした蔵島の視界の隅に男の姿が入った。



蔵島は引きずるのを途中で止めて遠真の両足をドンと床に置いた。


そして男ふたりの前に姿を見せる。




丸茂 「こんばんは。鍵が開いてたので入ってきちゃいました」



蔵島 「どちら様?」



盾仲 「八王子で起きた事件の捜査をしている者です。´´国会議員連続不審死事件´´をご存知ですか?」


蔵島 「知りません」


盾仲 「ちなみにあそこで倒られてる方は」


蔵島 「…あぁ。さっき薬を飲んで倒れたので寝かせようとしてた所で、あなた方が」



丸茂 「失礼ですがあなたのお名前は?」



蔵島 「私ですか、蔵島。蔵島白虎です」




丸茂・盾仲(心の声) 「遠真じゃない、こいつが犯人か!?」




蔵島 「もう、いいですか」



蔵島は白い万年筆を心地よく回転させながら遊んでいた。



丸茂 「一応警察署でお話伺う事は可能ですか、」



頭を掻く蔵島。



蔵島 「う~ん…嫌、ですね」




ズズズッ




その直後、蔵島の影から白い万年筆が次々と現れる。



パシッ



蔵島は両手に白い万年筆を1本ずつ握った。そして素早く腕を振り丸茂と盾仲に向けて万年筆を高速で飛ばす。



ブンブンブンブンブンブンブンッ!!!!





無数の万年筆が丸茂と盾仲に襲いかかる。




盾仲は左手に持った鍵を床に差し回す。同時に床に沈めた右手には´´鍵剣´´が握られた。




盾仲 「´´鍵剣(キーブレード)´´」



バキイィイィンッ!!




バキキキキキキキキイィンッ!!!



盾仲は鍵剣で白い万年筆の数々を斬り散らす。





丸茂 「´´切開(インシジョン)´´」



丸茂が立つ背後から現れたオペレーション・メスは、左右4本の腕から伸びる手に幾本ものメスを持ち、飛んで来る万年筆を綺麗に切断してゆく。




スパパパパパパッ!!!!





蔵島 「君達も力が使えるんですね…」


そう呟きながら蔵島は隣の部屋へ歩き出す。




丸茂は蔵島が向かう部屋へ早く向かう為、左側の壁面を´´切開´´で切り裂くと隣の部屋へ移動した。



盾仲も丸茂の後に続き隣の部屋へ入る。





照明が消えているせいで薄明かるい部屋だった。



その時、丸茂は何かを察知すると後ろにいる盾仲をもといた部屋へ突き戻した。



トンッ



盾仲 「?」


丸茂 「ちょっと見ててね」





蔵島は指を鳴らした。



パチン



蔵島 「´´影裏(フォーカス)・10メーター´´」




丸茂(心の声) 「ふたりで来たことがここで役に立つ…」



丸茂は一瞬にして蔵島の放った漆黒の闇に包まれる。そして闇の中から複数の手が現れると丸茂の頭と胸に入り込んだ。




ズドドドドドドッ!!!




蔵島は素早く白い万年筆を空に走らせる。




丸茂は体に手を入れられても意識を失う事はなかった。



丸茂 「そういう、事ね…なんと、なく、わかったよ」



蔵島 「初めてですね、私の影裏を受けてなお意識を保った人は。…だが、とても興味深い。丸茂秀一。私の力のルーツを感じる部分がありますね」



丸茂 「どう、いう、事だ…」



蔵島 「今日ここに来たのは偶然とは思えない。情報ありがとうございます」




漆黒の闇が晴れた瞬間。丸茂は蔵島が持った1.5メートルの万年筆で肩から斜め下に向かって斬撃を受けた。




ズババアァアッッ!!!!




丸茂 「グフゥッ!!」




深手を負った丸茂は壁にもたれ口からも血を吐く。



盾仲(心の声) 「何が起きた?(ひで)さんが一瞬で闇に包まれたと思ったら、闇が消えて蔵島が距離を詰めて来た…やつの能力は?」




盾仲が考えながら蔵島に鍵剣で斬りかかる途中、丸茂はこめかみに手を当てて鍵をかける動作を見せた。




盾仲(心の声) 「頭、鍵…」




盾仲 「フンッ!」



ガバキイィッ!!



蔵島(心の声) 「次。あなたは近距離タイプ」



盾仲の鍵剣で斬りかかられた蔵島は1.5メートルの万年筆で防ぐと衝撃で壁側まで後退する。




盾仲(心の声) 「秀さんがノーガードで敵の攻撃を受ける程の状態。…頭、鍵、頭、鍵。…頭に何かされたから、俺に鍵をかけておけって事か」




盾仲 「…なら」




盾仲は右手に鍵を現すと右のこめかみに差し込んだ。




ズズ




盾仲 「´´秘密扉(シャッター)´´」


宣言と共に盾仲は鍵を左に回した。



カチン



盾仲は鍵剣を持ち直し構えた。



盾仲 「お前は過去でも見れるのか」




蔵島 「そうですね、今日はもう充分です」


蔵島はそう言って軽く笑った。


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