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shadow  作者: 新垣新太
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ep0.ペンと鍵編・1話

一2021年・11月一


蔵島白虎(ぞうじまびゃっこ) 「人は表と裏の間に立つ。裏の本音と考えを伝えない事で互いの関係を成立させている。私は人間の裏を掴み、全ての関係をひっくり返す。人ならざる者」


・・・


一八王子警察署・刑事第一課特別捜査室一


11月。刑事第一課に特別捜査室が設けられた。捜査室には長テーブルが列を成す。約60人の刑事が招集されパイプ椅子に座っていた。廊下側入口には長尺の半紙に文字が書かれていた。



(かかり)課長 「起立!!」



ズダッ!!!



刑事達が風を切るように立ち上がった。



掛課長 「本日より刑事第一課特別捜査室を設置する。捜査内容は配布した通り、´´国会議員連続不審死事件´´の犯人逮捕を第一の目的とする。現在、国会議員の半数近くが23区外に住居しているのは周知の事実、八王子市内にも国会議員が多数住んでいる。不審死の件数は、今年の夏から先月までの間で約20件。議員が自宅又は付近の場所で死亡が確認された。原因は自殺と見られているが断定は出来ていない。新たな事件が起きる前に我々警察は班に別れて一斉捜査を開始する」



パタッと捜査ファイルを掛課長が閉じると直ぐに敬礼をした。



ザッ!!



刑事達は動きを揃えて敬礼をする。



掛課長 「解散!」


・・・


一八王子市内一


建物と建物の間に走り込むひとりの男。後ろを気にしながら路地裏を進む足はふらふらだった。



紀本(きもと) 「…ハァ…ハァ、ハァッ!、来るなっ!」



紀本は行き止まりに気付くと来た道に向かって叫ぶ。



ズズズッ



紀本 「俺は何もしてないっ!証拠があるのか!?」


紀本の影から大型ビデオカメラの化身が丸いレンズをあちこちへ覗かせ現れる。




紀本の視界に鍵が幾つも模様として描かれたマスクを付ける男が現れた。その男は長髪パーマで白いアウターを着ている。




盾仲隼人(たてなかはやと) 「やってないなら逃げる必要ないじゃん。それに君、なんか化け物付いてるよ」




紀本 「ち、違うッ!コレは不可能を可能にする俺の相棒だ!」



盾仲(心の声) 「こいつが女子中学誘拐事件の犯人。…化け物がいなければ妄想だけで済んでるただの子供部屋おじさんじゃん」



盾仲 「フッ」


漏れる微笑。



紀本は盾仲にバカにされたと思い怒りを露にした。



紀本 「な、なにがおかしいッ!」



ピカッ


その時。大型ビデオカメラの化身に赤色の録画マークが点灯する。



盾仲(心の声) 「あれがおそらく能力の起動。異常に多いカメラレンズ。女子中学生が未だに行方不明なのはこいつが何処かに隠してるのか、…それともあの化け物が」




紀本 「お前も、俺の世界に閉じ込めてやるっ」



盾仲は紀本から目線を反らさずにゆっくりとしゃがむ。

そして右手を開き地面の上に(かざ)す。




盾仲 「…いや、」




盾仲の指が地面の中に入る。



ズズッ




そして左手に握る鍵を地面に差し込むと右に回した。



盾仲 「´´解除(オープン)´´」



ガチッ



その瞬間。


地面からガラスが割れる様な音が鳴る。



バキリィイィイィイィイッッッ!!!!



盾仲の右手付近の地面から飛び散る破片。



盾仲は右手に掴んだ長さ120センチの剣を地面から引き剥がした。



バキガッッ!!



盾仲 「´´鍵剣(キーブレード)´´」




盾仲は6メートル離れる紀本との間を一気に詰めた。そして´´鍵剣´´を両手で握り大型ビデオカメラの化身の両足首から頭部までをたすき掛けで斬り上げた。




スズバァアアッッ!!




紀本 「…?」



ズルッ




ゆっくりと斜めにズレ落ちる大型ビデオカメラの化身。ただ両足首は切れ目が付いた状態で直立していた。




盾仲 「さぁ、足首が離れる前に。…隠したのはこの中かな?」




盾仲の腕が紀本の影の中へ入る。



ガッ、ズズズルッ




紀本 「…あわわわわわっああぁ!」



盾仲(心の声) 「いた。…影の中なら人目につかず隠せてた訳だ…にしても」




盾仲が次々と紀本の影から引きずり出した何名もの女子中学生を建物の壁に移動させる。




盾仲 「さすがに10人は多すぎる」



紀本は袖口から小さなビデオカメラを取り出すと録画スイッチを入れ盾仲の方へ向けた。



紀本 「お前なんか…お前なんかな」




バキッ!



カラッカラン!



盾仲 「ん?」


紀本の方から聞こえた音に気付き盾仲は振り向いた。




シュッ!、パシッ!



盾仲 「あれ?(ひで)さんなんでここに?」



丸茂 「詰めが甘いよ隼人。袖口にカメラを隠してた。僕が来てなかったら隼人は回収されていただろうね」



暗い道から現れたのはカジュアルな服装の丸茂秀一だった。丸茂は紀本の袖口から出されたビデオカメラに向けて小さな手術用メスを投げて壊していた。



紀本 「あ…うっ」



その時、ズルリとビデオカメラの化身の足首と脚が分離した。紀本は気を失いうつ伏せに倒れる。




盾仲 「どちらにせよ化け物が消えるのは確定済みだったので問題はないかと」



丸茂 「次はそう甘いもんじゃなさそうだよ。…どこか得体の知れない化け物がいる事件のようだ」



盾仲 「依頼ですか?、それともおかしな場所でも?」


丸茂 「先に彼女達を警察に引き渡そう…」


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