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shadow  作者: 新垣新太
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ep9.記憶の森編・2話

10月11日。風春と巻は羽田空港の展望デッキにいた。滑走路では中型から大型の飛行機が轟音を響かせながら地上から飛び立つ。ちぎれ曇の間から透明色の空が覗く。空気は冷たいが日差しは暑く展望デッキには携帯で飛行機と景色を撮影する人がいた。



拓磨が展望デッキに到着。この日も学生服姿だった。風春と巻は拓磨から搭乗券を受け取ると手荷物検査を手早く済ませて搭乗口へ向かう。



那覇空港行きの搭乗口64の数字が書かれた場所を目指す道中、拓磨は風春と巻に聞こえる声量で話し出した。




拓磨 「搭乗口ロビーまで少し歩くから、今作戦の内容を話すよ」



風春と巻は歩きながら耳だけに集中した。



拓磨 「俺達が乗る飛行機、ガーリング787の座席は中央通路を挟んで左右に3列ずつ前方から後方まで30列並んでいる。縦列はAからFのアルファベットがふられ、座席数字の頭についている。CとDは通路側、AとFが窓側だ。そして柳生が座る席は一番後方列の真ん中C、俺は通路を挟んで右のDに座る。巻は非常座席になっているF15、風春は前方窓側A2だ。後で紹介するけど今回もうひとり協力者がいる。」



拓磨達は通路を右に曲がると少し歩く速度を落とした。


天井から吊るされる大型ビジョンに各行き先と搭乗時刻と出発時刻が表示されていた。今まで来た通路よりも人が増えていて避けながら前へ進む形となった。




拓磨 「ここからは俺のシャドウの説明をするよ。能力は敵の潜在意識に潜り込み敵のシャドウを狩る事だ。だが昨日も話した通り今回はチーム戦、俺は監視役に徹し柳生の潜在意識に風春と巻、そしてもうひとりの協力者を潜り込ませる。これを´´夢繋(ゆめつな)ぎ´´と呼んでる。俺のシャドウが出した煙を吸い込む事で眠りに落ちる。その人間達の影を俺と繋ぐ事で柳生の潜在意識の世界に風春達を召喚するってイメージでいい。そこで見えてる景色や現象は全て意識主である柳生に既存する。知っているかも知れないけど、眠りにはレム睡眠とノンレム睡眠がある。その切り替わるタイミングで潜在意識の状況が変わり、場面も変わる場合があるから気を付けて」




そして拓磨達の視界に搭乗口64の場所が現れた。




風春 「つまり、俺達は」


巻 「夢の中で戦うのか、」




徐々に近くなる搭乗口の景色。搭乗口の正面にはキャビンアテンダントの女性が1名とその隣に微笑みを浮かべた男が立っていた。キャビンアテンダントは搭乗案内を小さなマイクを使ってアナウンスしている。


隣に立つ男は、手に持っている透明な蓋付きの箱から何かを取り出し搭乗する人達にひとつずつ手渡していた。




柳生実(やぎゅうみのる) 「どうぞ!マシュマロです、機内で食べてください!、どうぞ。はいどうぞ」


その姿を拓磨達も確認出来る場所まで来ると大型ビジョンに14時発那覇空港行きの搭乗開始と表示されていた。




マシュマロを配る男の隣に立つキャビンアテンダントがアナウンスを繰り返す。



キャビンアテンダント 「ガーリング787 14時出発予定、羽田空港発那覇空港行きの搭乗受付を開始しております。ご搭乗のお客様は搭乗券を係員までご提示し、QRコードを機械に読み取ってからご搭乗下さいませ」



拓磨 「行くよ」



拓磨の合図で1列に並ぶとキャビンアテンダントに搭乗券を見せる。そして横に立つ男からマシュマロを手渡されると、奥にある改札機の様な場所で搭乗券に付いたQRコードをタッチパネルにかざす。



音もなくタッチパネルは青い光を点灯した。


順に入場を済ませた拓磨達は搭乗通路を進む。




風春と巻は横並びになり拓磨の後ろに着く。


拓磨 「振り向かずに歩いて」



何を言っているのかと不思議に拓磨を見る風春。



拓磨 「今マシュマロを渡してきた男が柳生実だ。お菓子は絶対に食べるな」



その時、なぜか背後から殺気めいた強い視線を風春と巻は感じた気がした。

振り向けなかった。



拓磨達は歩を進めると機体入口に立つキャビンアテンダントにお辞儀をされた。爽やかな笑顔に会釈を返して機内へ入る。




すると、機内入口にもキャビンアテンダントがひとり立っていた。



風春・巻 「、あ!」


そのキャビンアテンダントに風春と巻は見覚えがあった。切り揃えられた前髪に膨らみのある胸。



拓磨 「声を抑えろ。彼女がもうひとりの協力者、SBTの鈴ちゃん。後でドリンクを提供してくれる」



鈴見 「いらっしゃいませ♪」



キャビンアテンダントの姿に身を包んだ鈴見は、わざとらしい口調で風春と巻を挑発する。



風春(心の声) 「えー?、鈴ちゃんって呼ばれてるんだ。この中学生と、どういう関係?」


巻は無言で鈴見との距離を1センチまで近付けるとニヤリと微笑んだ。



巻 「あとで俺と戦え」



鈴見は巻の身体を手で押し退ける。



鈴見 「ソーシャルディスタンス♪」



拓磨 「席に付いて、那覇空港に着くまでがリミットだから。制限時間は2時間45分。リミット10分前又は異常を察知したら音楽を鳴らす」




風春・巻・鈴見 「了ー解」




全員が所定の位置に移動する。


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