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shadow  作者: 新垣新太
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ep7.植物の都編・4話

風春は半開きのドアまで走り込み強くドアを開けた。



ダガアッ!!



ドアを開けた先にはドライフラワーのアレンジメントが1枚の壁に施されていた。風春は姿を消した植物の蔓が行ったであろう左へ続く通路を見た。



薄暗い。



ただ通路の両脇には柚子の木と、その足元に赤紫色のブーゲンビリアが奥までずらりと並んでいる。

上を見上げるとヒイラギがアーチ状に天井を埋め尽くしていた。



風春 「どこ行った、この先か!?」



そう言って風春が左の通路へ再び走り出そうとした。



その時



宇栄原 「尾行?それとも偵察?…にしてはヘタクソ過ぎるよアンタ達」



タッタ、



風春は走り出そうと踏み出した足を2歩目で止めた。

そして声がする後ろを振り返る。



暗くて相手の顔が確認出来なかった。

風春と宇栄原の間には5メートル程の距離が空いていた。



風春 「誰だアンタ!」



宇栄原 「そのままお返しするよ。コスプレ兄さん」



風春 「チッ。…何だお前」


風春は宇栄原に向かってゆっくり歩を進める。



宇栄原 「…さぁ」



風春 「この空気の臭い、俺でもわかる。シャドウ使いだな!」



宇栄原 「話が早いな。…じゃあとっとと、」



ダダッ!!



風春は宇栄原が何かを言い掛けた瞬間、全力疾走で宇栄原へ近付こうとした。



風春 「´´斬拳(ソニックナックル)´´」



バアッシュウゥブウウゥウンンッ!!!



一瞬で姿を現したナックル。風春が右拳をアッパーで下から真上に振り上げると、黄色い斬撃が縦向きの三日月状になって宇栄原を襲う。




宇栄原 「話は最後まで聞けよ」



すると



ザワメキザワメキザワメキメキメキッ!!!!



風春(心の声) 「ん!?通路が狭く!?…!!?」



斬拳を放った後も宇栄原に向かって走る風春だったが、両脇と天井にある植物達が通路をどんどん狭めながら風春に迫り来る。




スピッ!、ズビッ!!、ズザザ!、ブウスゥッ!!!




風春 「んぐっ!、ンダコレッ!?、、(とげ)??」





風春の身体は棘のある植物達に強くサンドイッチされると唯一右肩と顔だけを植物の中から覗かせた。



ズブバアァッ!!



風春は自分が放った斬拳が1メートル先にいる宇栄原の身体をたすき掛けに切り裂くのを確認した。




風春(心の声) 「よし…一撃食らわせた…」





宇栄原 「話の途中だってのに…アンタ俺より強いの?」




宇栄原の身体は斬拳によりひしゃげていた。

風春は顔色声音ひとつ変えずに喋り出す宇栄原に驚いた。




風春 「ぐふっ!…なんだ、テメェは…」




すると切断された断面から細い植物の蔓が伸び出し、裂けた断面を縫合し始める。

再び綺麗な身体を取り戻した宇栄原は話し始めた。




宇栄原 「あまり動かない方がいい。…その棘には1度刺したら抜けないように小さな返しが棘の周りに付いている。だから動けば動くほど棘は肉の中へ中へと食い込んで行く」




風春は身体中を植物の棘に刺された状態で細い血筋(ちすじ)を流しながら宇栄原を睨み付ける。




風春(心の声) 「くそっ!罠だった。コイツ俺がここに来る様に誘導してやがった!」




宇栄原 「せいぜいそこで助けを待つと良いよ。いつ来る事か…それまでアンタがもつかな」



と言うと宇栄原の姿は光の当たらない暗闇の中へと消えて行った。




・・・


一西村への電話を終えた巻は一


スマホをポケットにしまうと直ぐにバショウを影から現し、巻はバショウの背に跨がり地中へと潜った。




バシャァン!!




巻(心の声) 「あの修栗無女話が早え、電話もすぐ出るし、この商店街の近くで動けるよう待機してやがった…!?」



巻の右手には赤い銛が握られていた。




巻(心の声) 「なんだありゃぁ?…ちょうどあそこは花屋の真下。ウナギみてぇな太さした黒い蔓がウジャウジャ網みたいに漂ってやがる」




その蔓に近付いてはいけないと巻は直感で判断した。



巻 「バショウ、あのウジャウジャ蔓のギリギリまで行ったら地上に出るぞ!」




巻はそう言うと身を低くしてバショウの背ビレに捕まる。




ビュォオオオオッ!!!




バショウは巻を乗せてグングンと地中の中を泳いで進む。




・・・


一その頃修栗無連合達は一


菊川商店街から300メートル程離れた´´タコ公園´´に修栗無連合は15台のチョッパーバイクに跨がり集まっていた。

西村は巻からの着信に出ると30秒と経たずに会話を終えてスマホの画面を閉じた。




西村 「水色坊主から連絡があった」


衣李果 「行きますか?」




西村 「あぁ。夜行(やこう)だ」


衣李果 「(はた)上げろ!」




それは出発の合図だった。


6台のチョッパーバイクの背もたれに立てられた旗。

その旗には´´修栗無連合´´と紅白に刺繍されていた。




ブンブブブンブブブブブウゥウゥウンン!!!



ギュルギュルギュルルルッ!!!!



西村達はアクセルをかけると後輪タイヤを砂利に擦らせて方向転換をする。



ブウンブウンブウンブブウゥウゥンンンンンッッッ!!!!


パ、パ、パパッパ、パ、パ、パパッパパーー!!!



修栗無連合達のチョッパーバイクがタコ公園から風を切って走り出して行く。




西村(心の声) 「……」




修栗無連合の一番後ろを走るバイクを運転するメンバーに後ろからしがみつく郁実(いくみ)の姿があった。




郁実 「なんで、夏子さんが……」




郁実が着る黒い特攻服の(すそ)には、小さなくっつき虫が付いていた。


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