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shadow  作者: 新垣新太
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ep6.フロストフラワー編・6話

府中駅前に建つ商業ビルの壁に設置された大画面テレビから、今週のニューストピックが流れていた。


そのニュースでは、昨日1日の全国コロナ感染者数が1万人を越え、東京都だけでも3000人を越えた事を報道していた。


街行くほとんどの人が顔にマスクを付けて生活をしている。




その街中に肉まんを食べながら歩く風春と巻の姿があった。



巻 「こっちは平和そうだぞ、ハル」


風春 「ハム…療養終わりの身体に肉まんが染みますよ巻さん」


巻 「早く治ってよかったな(笑)…ここで人影のメンバーを見つけなきゃなんねえんだろー?どこにいんだー」


風春 「岡田さんに言われたのは府中のコンビニで働いてるって…見つけるの無理っすよ」


巻 「とりあえず次のコンビニで何食べるかー」



風春と巻はシャドウクラブの一件が終わり、近くの病院でしばらく療養した後に岡田に応援先として指示された府中に訪れ人影のメンバーを探していた。



・・・


一その頃一


SBTの山田・新井・鈴見の3人は府中のとある美術館の敷地内にある大きな公園に到着した。


新井 「ここみたいですよ山田さん。シャドウの反応が強く出てた場所です」


山田 「それよりよぉ。生活苦しくねえか最近」


新井 「まぁ…僕達公務員の給料が一般企業の平均年収に見合うように減らされましたからね」


山田 「なんで俺達だけなんだよ…国会議員の奴らは給料減らされてねえのに。なあ鈴見」


鈴見 「私は酒と男があればそれで充分っす」


新井 「んなっ!?、この悪女…」


山田 「ダメだ。聞く相手間違えたわ。はいはいそれで新井君、この美術館にシャドウがいらっしゃるって?」


新井 「…はい、みたいですね」


鈴見 「はよーう出てこい」


山田 「聞き込みからいくかぁ」



山田達3人は、親子連れや小学生達で賑わう公園を通って奥に建つ美術館へ向かった。



・・・


一山田達の向かう美術館の中に併設されているコンビニエンスストアでは一



ピ、ピ、、ピッ



オレンジ色を基調としたコンビニ制服を着た大谷相子はレジで接客をしていた。



大谷 「こちら温めますか?」


客 「…え?」


大谷 「サラダ温めますか?」


客 「…いやいいですそのままで」


大谷 「あ、はい」



大谷に接客を受ける男性客は、とんでもない質問に面をくらい大谷に不機嫌な顔を向ける。

大谷が男性客の接客を終えると直ぐに店長が大谷に近寄って来た。



コンビニ店長 「大谷さん時間だからあがっていいよ!お疲れ様!」


大谷 「…お疲れ様です」



大谷はネームバッジについたバーコードをレジのスキャナーに読み込ませると画面に表示された退勤ボタンを押した。






着替えを済ませた大谷は、お客様出入口から何の気なしに退勤するとピタッと足を止めた。



そして美術館内を大谷は見回す。

何の気配のないただ普通の館内の景色だった。




大谷 「……音…」





大谷の耳には微かに何かが空気を切り裂く様な音が聞こえていた。


目を瞑る。

その音は徐々に大きくなる。





大谷 「……風…」




その瞬間。




ブォオォオオォンッ!!!





美術館のエントランスが開いていた。

その入口から大きなブーメランの形でくの字に曲がった物体が回転しながら館内に入って来た。





ビュォオォオンッ!!!




そしてそのブーメランは大谷のすぐ目の前を通り過ぎた。


風で銀色の髪の毛がブワリと揺れる。





ガバギゴギガギガギギギイイィイイイン!!!!!




大谷の側を通り過ぎたブーメランは館内の壁や美術品にぶつかり破壊音を響かせる。





大谷 「……外…」



大谷はブーメランの行く先ではなく、館外の方向へ冷たい視線を送った。


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