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shadow  作者: 新垣新太
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ep2.ギャンブルストリート編・4話

風春は店の床に倒れた状態だったが、重盛が店に来たことを声で確認した。


服部 「あーー誰だか知らねえが、邪魔するんだったらてめぇの身体もバラバラにすんぞ」

と鋭い目付きで服部は重盛の方を向く。

重盛 「そんな弱い奴相手にして楽しいか?」

服部・風春 「あ??」

重盛の言葉に同時に反応する服部と風春。


重盛 「身体が目的なら、俺の心臓お前にくれてやる」

服部 「ほぉー?、自ら差し出すとは(いさぎよ)いじゃねえか」

重盛 「タダではやらん。俺との勝負に勝ったらくれてやる」

服部 「勝負だ?」


すると、重盛は服部の後頭部に突き付けていた拳銃を外し、中に入っている銃弾を左手に全て出した。


重盛 「強い者は、運も味方につけるだろ?俺のこの拳銃には、9つの銃弾が入れられる。そのリボルバーに2つだけ銃弾を入れてシャッフルする」

重盛は説明をしながら、空にしたリボルバーに2つの銃弾を離れた位置に入れセットすると、左手でリボルバーを回転させた。


服部 「ロシアンルーレットか?」

重盛 「そうだ。まずはお前からだ」

と言って重盛は服部に拳銃を渡す。


風春(心の声) 「誰が弱い奴だよ。あの野郎、早く外れろっての、変な紐だなこれ!」


服部 「面白い、でも、これは俺の銃じゃねえ。何か変な細工でもされてりゃ、最初の一発で俺はあの世行きだ」

重盛 「強ければ生き、弱ければ死ぬ」

服部 「、、お前から先に撃て、、何か怪しいよなー」

重盛 「ふん、、そうか。じゃあ貸せ」


そう言って、服部から拳銃を受け取った重盛。拳銃を右のこめかみに当て、ゆっくり引き金を引いた。服部は、少しニヤけた顔で重盛の表情を伺う。重盛の人差し指が拳銃の引き金に乗り、指の肉が食い込む。


カチャッ!


重盛の撃った拳銃は、軽い音を立て、次の弾の位置にリボルバーが動く。


服部 「ほぅ。、俺の取り越し苦労か」


すると、重盛が顔色ひとつ変えず、続けざまに右のこめかみにセットし、拳銃の引き金を引いた。


カチャッ!


服部 「おいおいおい、頭でも狂ってんのか(笑)?」

重盛 「いや、自分の強さを試したかっただけだ。次は、お前だ」


重盛が差し出す拳銃を、服部は受け取り、自分のこめかみに銃口を当てた。


服部 「じゃあ、次は俺の番、だな?」

と言った服部が右手で構えた拳銃は、こめかみ、ではなく重盛の頭部に向けられた。


重盛 「(おろ)か者、異空箱(ブラックボックス)


バァアアンッ!!!


服部の握る拳銃から放たれた弾丸の音が店に響いた。服部は、ふと自分の右手を確認すると、そこにあるはずの右手が黒い箱のようなモノに手首から先が入っていた。そして、服部の足元には別の黒い箱が浮かび、その箱の中から拳銃を握った右手だけが現れ、既に服部の左足の(こう)が狙い撃たれ、銃口から小さな煙が出ていた。


服部 「!?、っ痛ってぇえぇえ!!」

重盛 「お前の負けだ」


店にいる客達は銃声を聞くと、談笑を止めて重盛達を見た。服部は左足を(かば)いながら重盛から距離をとる。


服部 「お前もシャドウ使いか、おもしれえ。、お前も、そこに転がってるバカも、この店から生きて出られると思うなよ!」

重盛 「はぁーー。、よいしょっ」

風春 「な!?、おい!」


重盛は、ため息をつくと、床に倒れる風春の胸ぐらを左手で掴み、ひょいとカウンターテーブルの上に乗せた。


風春 「離せ!」


ドンッ


重盛 「どうせこの店にいる全員、シャドウ持ってんだろ?」

服部 「野郎ども、ぶっ殺せ!」


重盛は店にいる客が全員、服部の仲間達であると見抜いていた。店内にいる敵達が、重盛の挑発にいきり立ち、重盛の方へ視線を集め立ち上がった。服部の号令で、敵達は手にナイフや銃、割れた瓶ビールを持ち、険しい目付きになる。その敵達の影からはズズズッとはっきりとした形を成さないシャドウが(うごめ)いていた。


重盛 「すいません(しま)さん、そいつを頼みます」

ドンッ!

風春 「痛っ!!」

自力でなんとかしようとテーブルの上でもがいた結果、風春はバーテンダーの島がいる方へ落ちた。

島 「あいよ」

と言って島は風春を掴み、店の壁側に引き寄せた。


重盛 「ガンズ、黄色い弾丸で行く」

と言うと、重盛の影からファンキースタイルの人型シャドウが現れた。

ヤットサー・ガンズ 「(わたくし)ガンズにお任せあれ!、って何かスゴい嫌な感じ、皆してウチらの事怖い顔して見てくるじゃん」


ガンズが現れたことで、店内に緊張感が走った。すると、重盛に向かって銃弾やナイフ、割れた瓶ビールが無作為に飛ぶ。


バンバンバンッ!シュッシュッ!

ビュンッ!ビュンッ!


重盛 「夜遊び(パレード)」


重盛は一瞬で身体を左に側転し、床に両手を付くと、重盛の影が両の手から腕にかけてズズズッと巻き付いた。そして、重盛がちょうど側転の途中、逆立ちの体勢になるタイミングで重盛は両手を床から離し、重盛を狙う敵達に両手を向けた。すると、その両手に巻き付いた影が拳銃へ変わり、重盛は2丁拳銃の引き金を引いた。


重盛 「黄弾(きだん)鮫牙(シャーク)


重盛の銃口から黄色く光る弾丸が連続で放たれ、敵達の足元へ飛んで行く。店内は、銃声とビンやグラスの破裂音に包まれた。


バンッバンッ!ババババッ!!

バリン、パリンッ、ガシャン!


すると、重盛が放った黄色い弾丸が、敵達の足元付近まで近づいた途端、音を立てて破裂し、中から鋭く小さな鮫の牙が飛散した。そして重盛は、側転の勢いで物凄いスピードで走り、店の壁面(へきめん)を駆け上がり、店内中央に吊り下げられたシャンデリアの上へ飛び移った。


ズズズッ、ズズズッ

すると、敵達に現れていたシャドウが姿を消し始めた。


ドッ、ドッ、ドタドタ、ドタンッ!

そして、次々に気を失うようにして倒れる敵達。重盛が放った黄色い弾丸から飛散した鮫牙(シャーク)が、敵達のシャドウの足元を瞬時に切り裂いていた。


ダッダダンッ!

シャンデリアの上に乗った重盛は、弾丸を天井とシャンデリアの接続部分に打ち込んだ。


ガシャアァィアアアアンンンン!!!

大きな音を立ててシャンデリアが床の上に落ちた。重盛はシャンデリアから床に降り、辺りを見回す。


重盛 「アイツがいないな」

ガンズ 「窓割って逃げてったぞ」

重盛 「わかった。ガンズ、ここにいる奴等の影移しをしておけ」

ガンズ 「了解♪」

そう言ってガンズは、首に掛けていたヘッドホンを耳に付けた。そして、素早い動きで倒れた敵達の足元に滑り込み、白い正方形の紙を乗せて行く。白い紙は直ぐに黒く染まり、ガンズはその黒い紙をくるくるっと筒状にすると、腰に連なる銃弾のケースに1つずつしまった。


その頃。店の窓を割り外に出た服部は、左足を引きずりながら店の裏手の道から逃げようとしていた。

服部 「くっそっ!邪魔が入った、、今日は情報屋を連れて帰るぞ、、縛った所まで急がねえと、、くっ!、足が痛え」


重盛は、店の割れた窓を確認し、直ぐに風春の隠れるカウンターの中に飛び込んだ。


重盛 「島さん、裏手の道に出る扉は?」

島 「そこを真っ直ぐ行った所に」


重盛は、島が指差すカーテンの掛かる方を確認し、急いで先へ進んだ。カーテンを開けると、そこにはすりガラスが付いたドアがあった。鍵が付いている様子は無かった為、重盛はドアノブを握り、扉を強く引いた。


重盛 「、待て!」

扉を開けると、服部の姿が重盛から5メートル先に見えた。


服部 「死ね!」

ビュンッ!


暗がりに音を鳴らして重盛を狙う何かが襲う。

重盛 「んっ!」

重盛は、素早い動体視力で避け、服部がナイフをこちらに投げてきたと認識した。


重盛 「そんな足じゃ逃げ切れないぞ」

服部 「あー、わかった。お前を殺してから逃げてやるよ」


そう言うと身体を重盛に向けた。服部の背後には、服部より一回り大きな黒いモヤが現れていた。左足の痛みから、服部の呼吸は荒くなる。重盛は、両手を後ろに隠し、中腰(ちゅうごし)の姿勢で服部と睨み合う。


服部 「・・・」

重盛 「・・・」


その時、服部の背後の黒いモヤから10本のナイフが重盛へ向かって素早い速さで飛び出した。


ビュンビュンビュンビュンビュンッ!!!!!


その瞬間、重盛の両手に影が(まと)い、2丁拳銃へと変わり現れる。


ババババチチィイィイイインンン!!


重盛の早撃ちで飛んできたナイフを全て弾いた。そして、重盛が背中に2丁拳銃を隠すと、後ろに現れたガンズが弾替えを行った。


ガンズ 「影移し完了♪」

重盛 「連結(れんけつ)で行く」

ガンズ 「りょ♪」


再び2丁拳銃を前に構えた重盛。そして、右手に構える拳銃の銃口を、左手に持つ拳銃の後ろにはめた。


ガチャン


装着音が鳴ると、両手持ちの拳銃が出来上がり、右手に構える拳銃の側面に青色のゲージが30と書かれたポイントまでチャージされた。


トゥルルル


重盛 「連結銃弾(トップガンズ)、パワー30、、青の破裂(ブルーショット)


服部の足元に照準を絞り、重盛は力強く2丁拳銃を握る。


バガズンッ!!!!


重盛の拳銃から放たれた青い弾丸は、服部の足元を通りすぎ、黒いモヤがある付近に来ると破裂してモヤを吹き飛ばした。


バアァフフゥゥウウンンンンッ!!!!


服部が重盛に10本のナイフで攻撃を仕掛けてから、重盛が青い弾丸で黒いモヤを吹き飛ばすまでの時間は、たった1秒間の出来事だった。自分のシャドウを吹き飛ばされた服部は、その場で倒れ、「奪うだけ奪って、」と小さな(うな)り声を出し、気を失った。


風春 「?、ぉおっ。取れた!」

島 「重盛さんがやっつけたのかな」

風春 「、ったくよー」

服部のシャドウが倒されたことによって、風春を縛っていた紐が消え、起き上がった風春は何とも複雑な気持ちで痛む手首を(さす)った。


パァアアアア!

暗い道に赤色のランプがチラチラと現れ、サイレンを響かせていた。


重盛 「警察か、派手にやり過ぎた」


重盛はその場から直ぐに風春の元に戻り、島に店を騒がせた事を謝った。


島 「いや、ありがとう重盛さん。店の仲間に声掛ければ、こんなに散らかっててもあっという間に元通りだよ」

重盛 「俺も手伝いに来ますので、、動けるか?行くぞ!」

風春 「あ、あぁ」


重盛と風春は、まだ人だかりの無い裏口から外へ出ると、タクシーを捕まえてギャンブルストリートを後にする。


風春 「おい、どこ行くんだよ?」

重盛 「俺のアパートだ、今日はそこに泊まれ。俺は戻って案内人の高橋を探す、アパートには後で戻る」


と言うと重盛は、風春に自宅の鍵を渡した。


風春 「、、悪かったな、今日は。迷惑かけて、、、助かった」

重盛 「礼はいい、今日のシャドウは優しい方だ」


・・・


そして、タクシーが2階建てのアパートの前に止まり、風春だけが降りた。直ぐにタクシーは発進し、暗い夜道に消えて行く。風春は階段を登り、重盛に言われた´´203号室´´の部屋へ向かった。

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