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ダンジョンマスターに生まれましたが人間やってます  作者: 猫の靴下
二章 成人の儀
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8.新しいチーム名

今日はチームを組んで初めての休日だ。僕は街の傍の川でのんびり釣りをする。

落ちていた葉をつかってエサの虫っぽく、浮きは木の実だ。

釣り糸はないので魔物がだす蜘蛛の糸を使ってみた。細くて丈夫だしいい感じだ。


昼過ぎに皆も覗きにやってきた。


「そういえばチーム名何になってるの?」と、デイジーが聞いてきた。

「『ショウ』っていう名で仮登録しといた」レッドが川原で日向ぼっこしつつ答える。

「うげ。なんで僕の名前」

「仮登録なんだから何でもいいじゃん。たまたま目についたんだよ」

「どうりで解体の時にショウチームって呼ばれるとおもった」

「うひゃうひゃ。いまごろ気が付いたのかよ」

「うるせー」


そんなやり取りをしてたら魚が逃げてしまった。くそぅ。





何かいいのはないかと皆で考え始める。


「うーん。私たち『ゆきうさぎの村』で知り合ったのよね。その関連がいいかしら」

「全員の名前をとってレシデケ・・・じゃあ間抜けだよな」

「RSDKのほうがましじゃない」

「めんどくせー。『ショウ』でいいじゃん」


レッドが関わるとまともな会話にならない気がしてきた。

そのとき川原で遊んでいたケイトがぽつりと「雪の結晶」といった。


「うん?なんかきれいだ。今までのがひどすぎてものすごくまともに聞こえる」僕がいいだす。

「そうね。響きがいいわ」

「じゃーそれでいい人手を挙げてー」とレッドが聞くと全員賛成のようだ。


名前なんて何でもいいと思うけど『ショウ』だけは無しだと思うんだ。



魚はいたけど釣れなかった。昼間かかる魚なんていないよね。この世界でも釣り条件は同じなのか。


ケイトが羽をつかった釣りの仕掛けをたくさん作って手渡してくれた。

うを?いつのまにつくったんだ。器用だな。

あとで上流で釣りをしてみよう。





チーム狩として慣れてきたので明日はいよいよ草原以外の場所に行く予定だ。

狩場情報収集するためギルドに寄ってみたら、先日行った元『人見知りの村』から手紙が来ていた。

『芸術の村』として始めたと書いてある。

お皿などの陶器を買ってくれる商人を紹介してほしいらしい。


情報収集は3人に任せて、僕は『ゴールデン商会』にこの話を持っていくことにした。

ここしか知らないからね。


新人教育をかねてどんなものがあるのか見にいってくれるそうだ。

そこの店員さんに言われたのだけど、なぜか僕は何かを契約したらしい。


「レンタルの件ありがとうございます。新商売として契約料はショウさんの銀行に振り込みました。確認してくださいね」

「え?契約?僕はレンタルの説明しただけで、実際はこの国に合わせたやりかたを考えたのは商会の人では?」

「それでも新しい売り方として契約するのは普通だと思いますよ。もう振り込んでしまいましたし。今回も紹介料が発生する案件だと思いますよ」

にこやかに言われてしまった。


うーん。よくわからないけど、もらえるならもらっとこうかね。

今回も特に契約もせずお任せして帰って来た。向こうは商売のプロだし悪いようにはしないよね。

僕はゴールさんに対して少なくても信用はしてるんだ。





夕方、約束しておいた店に集まる。

周りの冒険者が「今日も肉?」と期待の目を向けてくるが、普通にメニューを注文する。


『雪の結晶』命名のお祝いだ。名目はなんでもいいか。

大人なんだしエールというお酒も飲んでみたが、苦くてまずすぎて無理だった。

鳥の素揚げとナッツみたいな木の実はつまみのようだ。


大きな卵サラダとジャンというピリッとするナンのようなパン。シチューも熱々でうまい。

謎の白身魚のフライもあった。中にチーズらしきものが挟んである。

挟み上げってやつかな。

皆食べ盛りなので残さずきれいに食べる。


「さて、お腹もいっぱいになったし、明日の予定をいうね」

「そういえば忘れてたな」

「忘れるなよ」


相変わらず天然発言を挟みつつ、ダンジョンではない洞窟にいくことになった。

野生生物がたまに住み着くのでそれを狙って魔物が来てしまうそうだ。定期的に一掃するのだそう。


レッドが火の魔法を使える機会がないため、ウズウズしてたせいだ。


「燃やしつくしてやるぜ。ヒヒヒヒ」どうやら中二病になったようである。





夜、安宿屋でのんびりする。

今日は休みだったからあまり疲れていない。

暇だから久しぶりに絵でも描いてみるか。



もし僕が主人公だったならそろそろハーレムとかありえるんだろうか?


ええとー、ハーレムでいる女の子って種類決まってたよね。

どのタイプにも会ってない気がするなぁ。


スケッチブックに炭で描いていく。


・清楚な女の子。

・獣耳の女の子。

・やたらはだけてるお姉さんタイプ。

・理知的なメガネっ子。


やたらミニスカでパンチラしていたり、大きすぎる胸がバルンバルンと揺れていたりと妄想爆発である。

手が炭で真っ黒になりながら熱心に描いている。


(ショウも男の子ね。そろそろ思春期かしら)


魔石を取り込んだとはいえショウの魂はまだまだ未完成。

ガラスのように壊れやすいのでいつも心配するタマであった。



お読みいただき、ありがとうございます。


少しでも続きが気になる、と思っていただけたら、

『ブックマーク』と【☆】何卒応援よろしくお願いします。


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