48.旅立ち
ここまで拙い文章をお読みいただきありがとうございました。
誰にも読まれず埋もれなくてよかった。
目標の旅立ちまではなんとかたどりつけました。
長すぎるのも、読むのが大変なので今回はここで終了。
僕はトマト師匠に海をめぐって旅をしたいと相談する。
他の海でのデーターもとれるだけとってくるって言うと師匠は笑った。
「君も私もどこまでいっても探求者だね。よし!今ある古い船を君に託そう」
「いいんですか?」
「もちろんきっちりとデーターとってくるのが仕事だからね。やめずに頼むよ?」
師匠は見抜いていたんだ。
僕がここをやめて旅立とうとしてることを。
「あ、ありがとうございます」
「まあその前に船を改造しないといけないだろう?
今の船は浮いてるだけなら優秀だが動かすとなるとあまりよくない。私が頼んでおこう」
どうしよう。あまりにうれしくて涙が出て声が出ない。
パサラン先輩がその話を聞いていて「よかったなー」と大喜びだ。
「あーじゃあ魔石調査というか魔素の流れを計る魔道具も注文しなきゃ」
「え?いやあの高いですよ?」
「大丈夫。ケサランのやつが研究費をもぎとってきてくれるさ」
◇
気が付いたら船を改造して大型海獣が近寄っても大丈夫な潜水型になっていた。
間違って食われない限りは大丈夫だ。
レッドは冒険者登録が決め手となり、戦争時は手を貸すという緩い規定になった。
基本、冒険者は国の移動が自由なので、いなければ免除される。
ケイトは研究施設に拉致されそうになり、断り続けて逃げてきた。
本人が嫌だと言ってるのに、研究者はこわいね。
デイジーとケイトは出発まで港に住んでいた。
港は人の出入りが多いので、意外とばれないらしい。
人を隠したければ人の中に、ってことかな。
そしてデイジーは僕の騎士になってしまったので、ピンク髪が怒りまくっているんだとか。
なぜかガル君が、「なんであんなのがいいんだ?」と聞いてきたとか。
ガル君はなんか勘違いしてるけど、ちょうど都合いいからほっといたんだって。
いや、それ僕が恨まれるんじゃ?
◇
僕たちは旅立つ。
『クラゲ号』の頭のところは一新されてちょっといかつくなっていた。
頭の部分は二重構造で、外側が回転しても内側は揺れる程度。
これなら転覆しても起き上がりこぼしのように戻れる。
これケサラン先輩が考えてくれた。
皆が使っていた機材は最小限になり、それぞれの小さな個室もできた。
ダンジョンは異空間扱いなので中だけを無限に広げることができるんだけど、僕の魔力が持たないのでほどほどにしている。
女性に優しくシャワー室を広げたり、小さな水槽も完備。
魔力と相談だけど、水が使い放題なのはうれしい。
これで試運転としてキノ君のとこまでいくつもりだ。
もっと大きな船をと思っていたが、操縦する技術が僕にはない。
海図や羅針盤のこと、まだまだ勉強しないとね。
◇
海岸線から少し離れて船を進ませる。
快晴で暑い。
レッドが声をかけてきた。
「なあ。なんか忘れてる気がしないか?」
「気のせいかもしれないけど、そういえば何かあったような?」
「…」
そのとき遠くから声が響いてきた。
「おにぃちゃー----ん!!れっどぉぉー-----!」
「あ」
「やべっ」
「「忘れてた!」」
大きな羽を優雅に広げて、リュウが飛んできた。
そんなわけで僕ら4人と一匹は、旅に出る。
お読みいただき、ありがとうございます。
このあとおまけとして閑話を入れときます。
勘のいい人なら気が付いているあれの話を少しだけ。
少しでも続きが気になる、と思っていただけたら、
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