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31.招待状

レッドのことが解決したので本格的に海の調査だ。


まずあの大きな亀に会えば海底の話が聞けるかもしれない。

毎年真夏の数日、あの砂浜で昼寝するらしい。

それと漁業関係者。

なぜ巨大海獣どもとぶつからないのか。


亀のほうは来年にならなければわからないが、

漁業のほうはすぐ判明した。

彼らは港の片側にしかいないのだ。

海流の影響なのか港手前で反転して戻っていくらしい。

昼寝目的にやってくる巨大亀以外は港に近寄ってこないのだ。


船の行けるところはご領主が調べており、何もないそうだ。

巨大海獣がいるほうは魔石がある可能性が高い。

どうにか彼らのいるとこに近寄れないものだろうか?




そう考えてるうちに冬が来た。

学校近辺は雪がほとんど降らない。


『基礎学力』の勉強をかろうじて終わらせる。

あと図書館。ほかの学校の本も取り寄せることができるそうだ。

横文字だらけで読みにくいが取り寄せてみる。



レッドはやっと火力の調整ができるようになる。あとは問題のノーコン。

そっちのほうが大問題のような気がするんだが。

本人は騎士科に進みたがっているが、魔法科から抜け出せないでいる。


本人は「使わないからいいだろ」といってるが、万が一寝ぼけて発動したりしたら大問題だ。

そこはきっちり学んでもらいたい。


デイジーも本格的に魔法を学んでいる。

もはや知らない魔法はないんじゃないかと思うくらい知識がある。


そうそう『吸収』魔法はやっぱりなかった。

ダンジョン特有の魔法らしいね。

ばれたらやばかったな。


それとケイトは完全に忍者だ。

こちらではチェイサーやシーフという盗賊っぽい名称だ。

冒険者チームなら絶対一人はほしい斥候だよね。




手紙が2通きていた。


王族金髪バニラちゃんからの手紙だ。

今度聖女様に会うことになったとか。「一緒にどうですか」ってお誘いだ。


もちろん速攻お断りだ。

あのピンク髪のやつ、レッドが苦しむ予言しやがって。

むかつくから会いたくない。


そう返事をしたらバニラちゃんも会いたくないから断ったって。

さすが僕の妹。ガル君にばれたら怒られるから、内密にね。



もう1通はドラゴンの焔さん。

食事会のお誘いだ。

残念だけど僕ら人間は火山だと死んでしまうので丁重にお断りする。


その後、勇者も来ることができた場所ですので安全ですって来たよ。

家はあの火山じゃなかったのか。

「オークもいますから皆さんも一緒に狩りしませんか」って書いてある。

レッドが大喜びで食いついてきた。

冬休みに僕らのチームで焔さんのとこへ遊びにいくことになったんだ。



当日は学園都市に馬車でお迎えが来た。

よくみると馬じゃなくて竜が馬っぽく化けている。竜馬だ。

尻尾にちょっと無理があるけど、馬の尻なんて見る人もいないのでそのまま火山方向に向かう。


大きな岩の前で「開け」というと岩が横にずれてぽっかり空いた穴が見える。

そのまま入っていくと急に視界が開けた。


広い草原があったんだ。


「ダンジョンのような違うような?」

「え?ここダンジョンなの?」


思い思いに見回す。

さらに進むとお屋敷が見えてきた。

貴族のお屋敷だろうか?



角が生えてるメイドさんたちに出迎えられた。

ドラゴン焔さんの屋敷だ。

ここは人間の知り合い用に作られているんだとか。

勇者がたまに遊びに来ていたのだそうだ。


ダンジョンの知り合いの場所を間借りしてるって言ってた。

焔さん自身がダンジョンマスターじゃないんだね。


毛足が長すぎて転びそうな絨毯に、壁には歴代竜の祖先の絵が並んでいる。

広い廊下のコーナーには宝剣と呼ばれそうな武器、魔剣もさりげなく飾ってある。

レプリカなんだろうか?


年代を感じるアンティークなシャンデリアもいい味出してる。

お屋敷のすごさを堪能していたら、なにかがもうスピードで飛んで来た!


「オニイチャーーン!レッドオオオオオオ」


うわ!僕とレッド並んで歩いていたら同時に飛びつかれた。

どうみても女の子だ。背中に小さな羽があるぞ。

真っ赤なクリクリした瞳。それにこの声。


「「だれ?」」


むせながら同時に聞く。


「ボクだよぅ。リュウ」

「「女の子だった!」」


またハモってしまった。

深呼吸してから、落ち着いて皆に挨拶をする。


「この前は助けていただいてありがとうございました」


人化してると全員に言葉が通じるようだ。


「あの・・・あの、それで、レッド、あの、お願いがあるの」

「俺に?何でも言ってくれ」

「結婚してください」


全員石化したように時間が止まった。




その後、人化しているドラゴン父によって「まだ子供だからダメ」って怒られて、シュンとするリュウ。

少し休憩したらオーク倒しにいくことになった。


まだレッドが衝撃のあまり動きがカクカクしてる。

「しっかりしろー」と肩を揺さぶったら正気に戻ったようだ。


「な、なんか俺、衝撃発言聞いた気がするんだが」

「レッド、あの子は子供なんだ。

 小さい子がお兄ちゃんと結婚するって言うのよくあるだろ?

 大人になるころにはそんなこと忘れてカッコイイ奴を捕まえてくるんだよ」

「そ、そうか。子供か。そうだった。ストレートすぎてびっくりしたぜ」


大丈夫、びっくりしたのは人間だけじゃない。メイドさんまで驚いてたんだから。




ダンジョン草原でオーク狩り。

驚いたのは狩りの方法だ。

空を飛んで足でオークを捕まえる。

速い速い。


こちらに気が付いたドラゴンがこっちにオークを追い込んでくれた。

ありがたいけど、こっちに来すぎだ!

数十匹はいるぞ。


ドドドドドドドドド・・・・

ぎゃあああああああああああ。


大群のブタに追いかけられる僕。集団暴走スタンピートってこういうことかな。

3人とも逃げるの速すぎじゃ。


こんなこともあろうかと、海釣り用のワイヤーに丸い石をくっつけて中距離対応の武器をつくったんだ。

フレイルの石バージョンだな。

砲丸投げのようにワイヤーをもってビュンビュンまわしてオークを投げとばす。



僕の武器って悪人が持っていそうだが気にしない。

最近は剣が使えなくても開き直ってる。

いいんだよ、どうせダンジョンマスターなんだからっ。



ケイトとレッドが弓で倒す。

僕が血が苦手なのに気を使ってくれて、炎の矢を飛ばす。

血が垂れる前に焼けるので豚肉のいい匂いがする。

レッドも炎の矢を飛ばす。

一本が10本に分かれるので、数うちゃ当たる戦法だ。


デイジーは<グリーンネックレス>という植物魔法で、オーク足をしばって料理人にいるところに集めている。

また便利な魔法覚えたもんだなぁ。

生きてるように動く蔦がどんどん豚肉を引きずっていく。


豚肉の山ができあがった。


それからは野外お肉大会。

丸焼きにしてケバブのように肉をそぎ落とす。

なかなかワイルドな調理だ。


盛りだくさんの野菜スープとお肉。皮がパリパリに焼かれていてジューシーな肉汁がこぼれる。

うまい!うますぎる!

ドラゴンたちは丸ごと食べている。なかなか豪快な食べっぷりだ。


僕らも食べまくったが、まだまだ肉はある。

ソースを甘いのや辛いのに味変してみたけどもう無理だ。

食べきれない。

動けない。


草原に寝転がって星を仰ぐ。

余興として石英を教えてカチカチぶつけて火花を出して遊ぶ。

リュウが夢中になっていた。やっぱり子供だね。



皆が寝静まった後、僕一人で地下道を通って火山のそばへ連れて行ってもらう。

このへんは海の下だよね。

そしてまたあの大きなルビー色の魔石をもらう。


「前回は手持ちがなくて渡せなかったので、不足分もお渡しします」

「いやいや、充分いただきましたから」

「ならば、これはお嬢様の社会見学の授業料でお願いします」

「ええ?またくるの?」

「はい。次は甘やかさずにビシバシお願いします」


ああもう。レッドに任せるか。

いまのところリュウはお嫁さん希望だもんね。



人間の生活を体験させてほしいそうだが、僕らはまだ学生。

男子寮には女子は入れないのだ。

そこは学校卒業してからってことになった。

お読みいただき、ありがとうございます。

聖女に対してショウだけでなくデイジーもかなり怒ってます。

聖女フリルはゲーム知識を話しただけなのですが、彼らは当事者なので受け取り方が違ったようです。

少しでも続きが気になる、と思っていただけたら、

『ブックマーク』と【★★★★★】何卒応援よろしくお願いします。

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