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27.トカゲ

改行の仕方を見直しました。

プレビューの存在に今更気が付きました。

王国魔法学園・剣闘士大会、表向きは無事に済んだので馬車で帰路へ。

馬車の中で反省会だ。

当然金髪ガル君がしきってる。


「謎の石棺があっただけだったな」

「何がしたかったんでしょうね?」

「聖女の発言を思い出してみると、あの石棺で騒ぎが起こせたみたいだな」


さすがガル君。石棺の中身は僕のペンダントの中だけどね。

護衛してたデイジーも言い出す。


「陽動が失敗だったせいで、会場には何も起きなかったから、聖女様は首をかしげていたわ」

「予言が多少はずれてよかったというべきか」

「あくまで予言は予言だ。全部起こるとは限らないのだな」


学校についたので解散だ。疲れてるので話はまたということになった。



それでもレッドが死んでしまう状況が、今回はなかったことにほっとする。

いつその状況になるのかわからないのが気がかりだけど。

デイジーが学校をやめて、ピンク髪に張り付いて情報を集めると言い出したので皆で止める。

レッドが学校にいるかぎり、その状況はないだろうってケイトが説得する。


いつも冷静なデイジーなのに、心は熱いんだな。かっこよすぎだ。




翌日。

休日だがレッドはシゴキ・・もとい補習で学校に行く。

僕は部屋で寝ころんでいたら、ペンダントからピョコンってあのちびっこが飛び出したのだ。


「あああ、ショウさんすみません。こちらでおさえきれなくて」

「あのね、お兄ちゃん。ボクお腹空いたの。お肉が食べたいな」


タマちゃんでも手を焼くのか。相当やんちゃな子だな。

しかたなく学校内にある食堂で肉っぽいものを探す。

串焼きはなかったので肉まんにした。


モシャモシャモシャモシャモシャ。


食うわ食うわ。5個あげても、もっと欲しいと鳴く。しかたなく5個追加で買ってきて口につっこんでやる。


モシャモシャモシャモシャモシャ。


満足したのか僕のベッドで寝てしまう。

うーん。これはやばいぞ。

僕のお財布がもたない。

こうなったらレッドも仲間に入れてカンパしてもらおう。



レッドは案の定かわいらしい見た目に夢中になった。


「かわええ~。いつこんな子見つけたんだよ」

「実は剣闘士大会に行ったときにいたんだ」

「えーまじかよ。お前途中でいなくなったと思ったらそういうことなのか。

 こんなかわいいトカゲ初めて見たぞ。でも親が心配してないか?」

「うん。怪我が治ったら山に帰そうと思ってる」


ニコニコしながら猫じゃらしで遊ぶトカゲとむさい男。

絵にならないな。まあ、カンパしてもらえるならいいか。


「で、名前はなんだ?」

「え?すぐ山に帰すからいらないんじゃない?」

「そうだけど、なにかと不便だ」

「じゃあそうだな『リュウ』でいいか」

「おおーなんか強そうだな。リュウよ。たくさん食べて大きくなるんだぞ」


これで体力が回復したら山に戻せると、懐もほっとしていたのだが忘れていたよ。レッドの貧乏さを。

あっという間にデイジーとケイトを巻き込んでしまった。主に金銭面で。

ううう。まじごめん。不可抗力だ。



肩に乗せて歩いても小型犬くらい、ただの大トカゲにしかみえないのが幸いした。

ドラゴンっていってるけど羽ないんだよね。

かわいいので、ぼくら雪の結晶チームのマスコットに任命した。

リュウはレッドの赤い髪がお気に入りらしく、ベッドに倒れこんで寝ているレッドの上に登って寝ている。


「最近溺れる夢をよく見るんだ」と相談されたが「疲れてるんじゃないか」とごまかしておいた。




トマト先生に事情を話して放課後はリュウのごはん調達だ。

学校のそばにも林があって川が流れてるし、角ウサギもいる。


僕は釣り、ケイトはウサギを捕まえてくる。

レッドも来たそうだったが、「おまえは命がかかってるんだからきっちり練習して来い」と追い返す。

自分ごと燃やしたら助けるのは不可能だからね。

デイジーは調べものだそうだ。


リュウはお魚もウサギも丸ごと食べてしまう。

うわぁ。さすがの僕も引いたよ。


すぐに体力も回復し、一週間が過ぎた頃には自分で魚を取って食べてくるようになった。

そのあとはカエルとかウサギとか。

身体も大型犬くらいになってきた。完全にワニだな。

そろそろリュウを親のとこに戻すことができそうだ。


「えー!もうちょっと遊びたいのに」

「無断で出てきたのなら心配してるぞ」

「無断じゃないよ。ボク遊んでいたら誘拐されちゃったんだ」

「なおさらやばいじゃないか!親はさがしてるぞ」

「家まで送っていくか。あれ?そういえば家どこだ?」

「捕まって閉じ込められたから。ガタガタしてゆらゆらしてボコボコしたの」

「わからん」


やはりここは『困ったときのデイジー頼み』でいこう。

リュウのことは保護した大人として責任もたないとね。



リュウを肩に乗せて、図書館へいったらデイジーはすぐ見つかった。


「あら、やっぱりここに来たのね」

「なに?やっぱりって?」

「だってショウもリュウの住んでたとこ探しに来たんでしょ?」


うを!図星だ。相変わらずすごい人だ。


「あの学園のそばにはリュウの住めそうなとこはないのよ。それで、不思議に思って調べてたわけ」

「そうだったのか。すごいな」

「トカゲっていえば水のそばにいるんだけど、そもそもリュウは本当にトカゲなのかしら?」


ぎくっ!!!!

まじか?

まじドラゴンってやつだったのか?


「いやわからないけど、見た目でトカゲかなって」

「まあそうよね。それでこの図鑑をみてたのよ」


そこには歴代発見された魔物図鑑があり、当然ドラゴンなんかもある。

ページをめくっていたら、リュウが肩から伸びてきて、赤いドラゴンを指す。

どうやら火ドラゴン系らしい。

うわ~住処は火山かよ。


学園から少し離れてるところに無人の火山島がある。

時々火山から噴煙があがるので、誰も近寄れないのだ。

リュウはトカゲと間違われるくらいだから羽はない。

なのに火ドラゴンだと?

間違ってない?


何度聞いてもリュウは大まじめだ。

言葉がわかってるのは僕だけだけど、皆も「ぴゅいぴぃ」鳴くリュウがドラゴンとは信じられないみたいだ。

どうやって火山に戻そうか?

危険な硫化水素とかあるんだよね。漁船だって危なくて近寄らないはずだ。


はたと気が付く。

あの魔導士たちはどうやってリュウを捕まえたんだ?



王国にいるようなすごい魔導士ならば船ごとシールドをはり、熱耐性をつけて近くまでは行けるはず。

でもあの火山に行くってさすがにできないんじゃないかと。

だとしたらリュウの親と、はぐれたとこはどこなんだろう?


当然、リュウ本人に聞いてみたら、

飛んでいる親の首にくっついて遊んでいたら落ちたんだって。

そのあと人間と追いかけっこして遊んだら捕まった。

怪我の半分は自業自得だった。


さて困ったぞ。




困ったと言えば味覚が変わったのか、師匠のコーヒーの臭みが気になりだした。

獣臭い。

ものすごくおいしいんだけど、なんだろうこの変な感覚。


「ショウ君、人の五感は変わるものだ。病気ということもあるが、だいだいは新しい味を求めるようにと体が訴えてるのだよ」

「そうだったのか!僕はてっきりおかしくなったのかと。ありがとうございます」

「君の夏休みのお土産に変化を感じたまでよ。繊細な香りもたしなむようになったようじゃな」


さすがトマト師匠だ。

気が付かなかったけど今までとは違う香りを求めていたとは。


僕も少しは大人になったということかな。

あのエールすら美味しいと思えるようになるんだろうな。




少しでも続きが気になる、と思っていただけたら、

『ブックマーク』と【★】何卒応援よろしくお願いします。

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